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27
2016

[No.372] ハンコック(Hancock) <75点>

CATEGORYアメコミ




キャッチコピー:『スーパーヒーロー、始めるぜ。』

 神に慈愛を、星に願いを。

三文あらすじ:飛行能力と桁外れの怪力、そして、不死の肉体を持つ超人ジョン・ハンコック(ウィル・スミス)。警察の手に負えない事件を解決し、市民の暮らしに貢献しているはずの彼だったが、不必要に街を破壊する無鉄砲な行いと素行の悪さから、みなの嫌われ者になっていた。ある日、広報戦略マンであるレイ・エンブリー(ジェイソン・ベイトマン)の命を救ったハンコックは、彼から提案された“愛されるヒーロー”になるためのイメージ戦略を渋々ながら実践していくのだが・・・


~*~*~*~


 本作『ハンコック』は、2008年のヒーロー映画である。マーベルが絶賛展開中の“シネマティック・ユニバース”が本格的に軌道に乗る前、すなわち、今のようにアメコミというジャンルが確固たる“産業”に昇華される前の作品だったと記憶しているが、そんな中、本作は完全オリジナルのヒーローを丁寧に描き切った中々の秀作である。

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 まず、主人公であるハンコックのキャラクター造形が個性的かつ秀逸だ。一般的に“ヒーロー”というものは、“先天的ヒーロー”“後天的ヒーロー”に大別可能である。“先天的ヒーロー”とは、生まれながらにして超人であった者たち、例えば、クリプトン人であるスーパーマンや神の国アスガルドの王位継承者であるソー、または、冥界から爆誕した深紅の悪魔ヘルボーイなんかがこれに当てはまる。一方、“後天的ヒーロー”とは、通常の地球人として生を受けながら、その後、自らの意志、あるいは、偶発的な事故によって超人的なパワーを得た者たち。スパイダーマンやアイアンマン、バットマンや超人ハルク等、どちらかと言えば数が多いのが、こちらのヒーローたちだろうか。

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 しかし、本作の主人公ハンコックは、なんと“先天的ヒーロー”でありながら“後天的ヒーロー”でもある、という極めてトリッキーなキャラクター。つまり、彼の出生としては、“神”という生まれながらの超人なのであるが、事故に伴う記憶喪失により、彼自身は後天的に能力を授かった、という認識を持っている。・・・まぁ、だからなんなんだ、という話ではあるのだが。“先天的ヒーロー”であろうが“後天的ヒーロー”であろうが、ヒーローもののドラマ部分での核は、結局、世界にただ一人特殊能力を持った者の孤独であることが多い。したがって、ハンコックがヒーローとして2つの性質を併せ持っているからといって、直ちに本作が稀代の傑作だ、ということにはならないだろう。

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 とはいえ、上記キャラクター部分以外にも、本作には特筆すべき点がいくつかある。例えば、ラストでの月にハートを描くパート。ハンコックの個人的なスポークスマンであると同時に本作を通して彼と友情を育んだお人よしの広報戦略マン、レイ・エンブリーが、様々な企業に作中一貫して売り込んでいたなんたらとかいうハートマーク。“世界平和”だったり“荒唐無稽”だったり、そういった本作のテーマをぎゅっと凝縮したアイコンなのだが、これをハンコックがラストで月に刻む。まるで“エウレカ ♡ レントン”みたいな感じで。

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 これなんかは、本作の脚本の巧さを端的に示す趣向であろう。序盤からしっかり仕込まれた前フリが、ラストできちんと落とされている。

 それから、役者の演技や存在感も申し分ない。ハンコックを演じるウィル・スミスは言うに及ばず、やはり改めて“女神だなぁ”と思うのは、シャーリーズ・セロン

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 ハンコックとレイという二人の男の狭間で揺れ動く“神の生き残り”。そんなキャラクター設定に説得力を持たせる圧倒的な存在感はさすがの一言に尽きる。ってゆうか、単純に可愛すぎる

 しかし、一方、個人的に本作で釈然としなかったのは、まさにこの“三角関係”という設定である。これがなぁ。確かに、この設定によって、本作は、他のヒーローものとはやや一線を画した一筋縄ではいかない作品に仕上がっているとも言えるだろう。でも、ヒーローもんなんてのは、一筋縄でいっていいんだよ。戦いがあって、ピンチがあって、気合いで勝って、そして、ハッピー!これでいいんだよ、ヒーローもんなんてのは。

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 それなのに、今はレイを心から愛している良妻でありながら、実はハンコックと同じ“超人”であり、さらには、かつてハンコックと夫婦であった、などという属性をシャーリーズ・セロンに与えてしまったため、本作のクライマックスは、全く頭に入ってこない。病院でのクライマックス・バトルは、演出的にはスゴくいい。特に、シャーリーズ・セロンの近くにいると普通の人間になってしまうハンコックが、苦痛に顔を歪めながらも飛び去って行くシーンは、彼が“真のヒーロー”になったことを物語る本作屈指の名シーンである。まさに、「I…Can…Fly!」といった感じだ。

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 でも、どこか釈然としない。え?結局、シャーリーズ・セロンはどっちの男を選んだの?とか、あれ?レイはどう思ってるの?とか、おい、ハンコックはなぜ納得したのだ?とか、三角関係に纏わる色々なことが、すごく不明瞭なまま放置されるのである。

 まぁ、三角関係という設定を採用しなければ必然先述の“飛び去りシーン”もないわけで、この辺りはなんとも評しづらい部分ではある。しかし、もうちょっと巧く描くことはできたんじゃないかな。せめて、ハンコック、シャーリーズ・セロン、レイが改めて三者面談するシーンでも入れていれば、ずいぶん良くなっていた気がする。

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 良キャラ、良設定を有するにもかかわらず、本作は中々続編の企画が動き出さないが、もし、続編を作っていいって言われたら、今度は単純に“漢の魂完全燃焼”なストーリー構築の練習をしてもらいたいと、個人的には願っている。

点数:75/100点
 アメコミヒーロー大ブームの今改めて評価し直すべき秀逸な作品。誰かを救うためにより大きな被害を出してしまう“ヒーローの業”、という、『ガメラ3』と同様のテーマを本作は描いているが、これなんか、『BvS』やアベンジャーズ・シリーズのひな型と言っていいだろう。ウィル・スミスは、親バカ丸出しで息子の世話ばかりせず、早く本作の続編を作るべきだと思う。

(鑑賞日[初]:2016.3.13)










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