[No.374] インシディアス 第2章(Insidious Chapter2) <70点>





キャッチコピー:『最も続きが観たい最凶ホラー完結。』

 That's The Power Of LOVE.

三文あらすじ:3人の子どもたちを狙っていた悪霊も去り、ジョシュ・ランバート(パトリック・ウィルソン)、レネ(ローズ・バーン)夫妻にようやく平穏な日々が訪れたかに見えた。しかし、息子ダルトン(タイ・シンプキンス)を救うために幽体離脱したジョシュは、自分と共にこちら側の世界にやって来た“何か”に取りつかれていた。実は、ジョシュには、幼い頃から幽体離脱して“彼方”の世界とつながる特別な能力が宿っており・・・


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 ホラー界に新風を吹き込んだ革命児的作品『SAW』のクリエーター、ジェームズ・ワンリー・ワネルのコンビに加え、これまたホラー界の“定番”を覆す“ファウンド・フッテージ”スタイルを確立した『パラノーマル・アクティビティ』の製作者オーレン・ペリが手を組み、2011年に公開された『インシディアス』。その戦慄のホラー描写とややバカ映画のような雰囲気が世間に賛否両論巻き起こした名作である。そして、本作はその直接の続編。クリエーターたちもそのまま続投なら、物語も完全に一見さんお断りな作りになっている。

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 前作の前半戦は怖かった。本当に本当に怖かった。おそらく『パラノーマル・アクティビティ』から取り込まれたのであろう“ナチュラルな怪奇現象の描写”も我々の身の毛を休ませてくれないし、その他様々な趣向を凝らしたビビらせ描写のつるべ打ちは、我々の背筋に暖を取る暇すら与えない。ところが、一変して後半戦では、主人公であるお父さんが息子を救うため、幽体離脱して霊界へ乗り込んでいくという何ともエンターテイメントな作りになっていた。この異様な構成に、筆者などは、おぉなんという“トンデモ映画”なのだ、という感想を持ったのだが、まぁ、総じて“楽しい映画”であったことは間違いないだろう。

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 そして、その続編として語られる本作では、前作の後半戦における主たる要素、すなわち、“エンターテイメント”が全編に渡って繰り広げられる。もちろん、一口に“エンターテイメント”といってもその種類は色々だ。手に汗握るカーチェイスなのか、肉薄のカンフーアクションなのか、はたまた、興奮の銃撃戦なのか。本作が採用したのは、古くからSF映画における“エンターテイメント性”を一手に担ってきたロングセラーな趣向、“タイムトラベル”である。

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 いわゆる“タイムトラベルもの”の醍醐味は、過去とのリンクである。物語後半、あるいは続編において、主人公が過去に遡り何らかの行動をとる。そうすると過去において何らかの事象が発生するわけであるが、その事象は実は既に物語前半、あるいは前編において描かれていた、とこういう趣向である。分かりやすいのは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズだろうか。

 ちなみに、“タイムトラベルもの”には大きく分けて“自分並存型”“自分非並存型”、すなわち、タイムトラベルしてきた未来の自分とかつての自分が過去において並存するパターンとタイムトラベルした自分の意識が過去の自分の体に入るパターンがあるが、本作では前者の設定が採用されている。この点でも『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と同様だ。

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 さて、多くの“タイムトラベルもの”と同じく、本作においても過去とのリンクがたくさん出てくる。冒頭で子供時代のジョシュが案内していたのは、実は幽体離脱した大人時代のジョシュだったし、前作で玄関の扉を開けたのも、実は大人時代のジョシュだった。まぁ、仰々しく“どんでん返し”と言うほどのことではないけれど、おーそうだったのか!と観る者の感嘆を呼ぶには十分な仕掛けであろう。

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 とはいえ、あくまで個人的にであるが、筆者はこの趣向を素直に賞賛できなかった。特に、前作前半戦のいくつかの怪奇現象がジョシュの手によるものだったと判明したことで、あの恐怖が台無しになってしまった、と感じたからである。こういうのは、当該作品内ならまだ良いのである。しかし、作品を跨いでしまうとどうも良くない。やっぱり、映画というのは、基本的にはその一本の中で一応の完結をみるべきなのである。例え続編の存在を既に知っていたとしても、我々はその作品内での恐怖や高揚や感動、それぞれのパーツを理解し、咀嚼して、その映画を感じ入る。あからさまに続編への布石として描かれていればまだしも、前作内で完結していたはずの描写を次作で全く異なる方向へと種明かしされてしまっては、なんだか興を削がれたとも形容し得る気分だ。すごく大げさに、かつ、傲慢に言えば、“俺の『インシディアス』を汚された”みたいな気持ちになったのである。

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 ただし!実はジョシュがピアノを弾いていたという種明かし、これは抜群にいい!「私ったら、どうして気付かなかったのかしら、あんな下手な弾き方…。」と泣き崩れるルネの倍くらい派手に、そして、5倍はみっともなく筆者は号泣した。時空を超えて、悪霊にも打ち勝つ。これこそが、偉大なる“愛の力”なのである。

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点数:70/100点
 少し悪口を書いたけれど、この『インシディアス』というシリーズは、前作、本作を通してすごく“楽しいホラー映画”である。恐怖も興奮もひっくるめて、いかに人を楽しませるかというアイデアが詰まっている。もうずいぶんと前のことになってしまったが、本作をお勧めしてくれた読者のずずさん、本当にありがとう。シリーズ3作目となる『インシディアス 序章』もさっそくTSUTAYA DISCASでレンタルしたので、届いたら観てみようと思っております。

(鑑賞日[初]:2016.4.3)

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