[No.375] インシディアス 序章(Insidious Chapter3) <65点>





キャッチコピー:『気をつけて。一人に呼びかけると、全ての死者に聞こえてしまうから。』

 Come On To Me, You BITCH!!

三文あらすじ:高校卒業を間近に控えたクイン・ブレナー(ステファニー・スコット)は、最近亡くなった母リリー(エレ・キーツ)との霊界交信を求め、霊能者エリーゼ・ライナー(リン・シェイ)のもとを訪れるが、エリーゼは鬱病の夫を一年前に自殺で亡くして以来、仕事から足を洗っていた。後日、演劇学校のオーデションの帰り道で車にはねられ、重傷を負うクイン。3週間後、退院し無事に自宅へ戻った彼女だったが、その魂は既に悪霊の標的となっていた・・・


~*~*~*~


 人気ホラーシリーズ『インシディアス』の前日譚(プリクエル)。3作目でエピソード0を描くというのは、最近じゃあもう擦り尽くされたベタなやり方である。しかも、それだけでなく、本作自体の内容としても、なんだかベタになってしまったなぁというのが、筆者の感想だ。

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 まぁ、“ベタ”といっても、この場合はあくまで“『インシディアス』でのベタ”という意味である。脅かし方は相変わらず悪魔がごとく完成されているし、登場人物が“家族愛”で悪霊に抗っていく様は相変わらず我々の涙腺を熱くさせる。しかしながら、それももはや見慣れてしまった。ダース・モールが初めてジョシュの背後を取ったときの衝撃は既に無く、ルネがジョシュの弾き語りを罵倒したときの感動も今や過去。我々は、『インシディアス』というジャンルに慣れてしまったのである。

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 しかし、その点、前作においては若干の工夫が見られた。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』と見紛うほど本格的な“タイム・トラベル”というギミックである。これはまぁ、「なんだよ、ホラーでそんなことやんのかよ、バカだなー。」なんて思いながらも、概ね全ての観客が好意的に受け止めた部分だったのではないだろうか。人を怖がらせるという点にのみ囚われず、如何に観客を楽しませるか、という製作陣のエンターテイナー魂が垣間見えた気がして、筆者などは大変に好感を持ったものだ。

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 では、本作には、作品独自のセールスポイントが全く無いのかと言えば、それはもちろんノーである。エピソード0たる本作では、エリーゼ、スペック、タッカーが如何にして我々のよく知るチームとなったかが描かれる。もはや『インシディアス』は確固たる“人気シリーズ”なのだから、主要人物の馴れ初めは、観客を楽しませるための“エンターテイメント要素”として、十二分に成立し得るのである。

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 しかし、この点が、本作では非常に弱い。一般的に、前日譚というやつは、既に描かれている“後日談”から出来るだけ"離れて"スタートするのがよい。あんなにも恐ろしいダース・ベイダーの幼少期を描くなら、まずは純粋の塊みたいなアナキン少年からスタートするのがよいのだし、あんなにもクールでスペシャリストなサイトウの過去を描くなら、いっそモヒカンにしてしまうのが正解だろう。しかし、本作では、この“振り幅”があまりにも狭い。少々弱ってはいるもののエリーゼはやはり我々の知るエリーゼだし、ただのユーチューバーみたいな若造ではあるもののやはりスペック&タッカーは我々が愛した彼らのままだ(一応、本作のタッカーはモヒカンである。)。

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 個人的には、クイン・ブレナーの話はあくまでも未来のゴースト・ハンターズが結集するためのお膳立てのストーリーに留め、もっと全力でエリーゼ、スペック、タッカーのエピソードに注力してもよかったのではないか、と思っている。例えば、夫の死を切っ掛けに霊能力自体を喪失したエリーゼの元に、弟子入りを希望する若造スペックとタッカーがやってくる。エリーゼはこれを邪険に断るも、彼らはかつてのエリーゼがどれほど偉大な霊能者であったかを熱弁し、自分たちもそんな“人助け”がしたいんだと言って聞かない。かくして、老婆と若造の奇妙な同居生活がスタートするのである。そうこうする内、クイン・ブレナーという女子高生が助けを求めてくるが、生身の老婆に為す術などあろうはずもない。しかし、馬鹿でも真っすぐなスペックとタッカーに感化され、エリーゼは“人を助けたい”という一心で除霊に励んでいた昔の気持ちを取り戻す。そして同時に、彼女はかつて有していた最強の霊能力を再びその身に宿すのである。少女を救った3人は、帰り道を颯爽と歩いていく。「師匠!これで俺たちも立派なチームですね!」「全く…あたしと組みたいのなら、まずはそのだらしない服装をどうにかしな!」なんて言いながら、ゴースト・ハンターズは去っていくのであった…。

 ま、反吐が出るほど陳腐な例えだが。でも、これくらいエリーゼたちの物語を主軸にしたら、本作はもっと楽しい作品になっていたのではないだろうか。

 もちろん、本作にはそれ自体で楽しいところもたくさんある。中でも筆者が一番興奮したのは、やはりエリーゼ vs 漆黒のばばあのシークエンス。ばばあに向かって我らがエリーゼが「Come On Bitch!」と言い放つシーンは、まるで「Get Away From Her, You Bitch!」にも似た“漢の魂完全燃焼”な場面である(意味は真逆だけれど。)。

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 まぁ、この後エリーゼは結局このばばあに殺されてしまうということを考えるとなんだかげんなりもするのだが、筆者などは、このシーンで一瞬だけ、おいおい、まさか今回はカンフーアクションを取り入れるのではあるまいな!?と少しケツを浮かしてしまった。それは筆者が浅はかすぎただけだとしても、何をやるか分からない、というハラハラ感こそが、本シリーズ全体を通しての魅力だったとも言えるだろう。

点数:65/100点
 色々文句はあるものの、総じて言えばやはり“とても楽しい作品”だった。ジェームズ・ワンってのは、本当に良い監督だ(もっとも、本作に限っては、前作までからバトンタッチし、スペックを演じるリー・ワネルがメガホンを取っている。ジェームズ・ワンが『ワイルド・スピード7』で忙しかったためである。)。特に怖がりの筆者に限っては、ホラーなのにこんなにワクワクして、観終わるとすぐに次の作品が観たくなることも珍しい。怖すぎてとてもじゃないが映画館には観に行けそうにないものの、7月公開予定の『死霊館2』が今から非常に楽しみだ。

(鑑賞日[初]:2016.4.6)

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Comment

  • ずず
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こんばんは!2も観られたんですね(*^ω^)
序章があった事は知らなかったので、今度借りて観ようと思います!ホラーは好きなので死霊館2も楽しみです!

  • Mr. Alan Smithee
  • URL
Re: タイトルなし

こんばんは!
『インシディアス』シリーズ、全体として本当に楽しかったです。
『死霊館2』はめちゃくちゃ楽しみですね。
実は『死霊館』もこないだ観まして、これは大傑作だなと感銘を受けました。
まぁ…怖すぎて絶対に映画館で観れないので、レンタル開始されたら
ソッコーで借りようと思います(笑)。

『インシディアス 序章』もぜひ観てみてください。
筆者もそろそろ『ミニオンズ』観てみます。

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