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09
2016

[No.380] MAMA(MAMA) <58点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:『ママ、私パパに殺されるの?』

 この結末、プラチナ釈然としない。

三文あらすじ:投資仲介会社の経営者であるジェフリーは、ある日、精神を病んでしまい、自身の妻を殺害した上、幼い二人の娘ヴィクトリア(ミーガン・シャルパンティエ)とリリー(イザベル・ネリッセ)を森の奥深くにある無人の小屋で手にかけようとするが、暗闇に潜む“何か”に襲われ姿を消す。それから5年後、ジェフリーの弟であるルーカス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、あの小屋で姉妹を発見する。奇跡的に生き延びていた彼女たちの精神状態に強い興味を持ったドレイファス博士(ダニエル・カッシュ)の協力のもと、彼は恋人のアナベル(ジェシカ・チャステイン)と姉妹とで共同生活を営むことにするのだが、その日から彼らの周囲で不可解な現象が起こり始める・・・


~*~*~*~


 観たのはもうずいぶんと前になるのだけれど、2013年のホラー映画『MAMA』の感想を書く。本作は、アルゼンチンの映画監督アンディ・ムスキエティなる人物が作った同名ショート・フィルムが原作となっている(本稿末尾に張り付けておく。)。これに目を付けた悪趣味の権化ギレルモ・デル・トロが製作者となり、長編映画化の運びとなったわけだ。

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 まぁ、怖い。筆者はたまたま本作が作られる前に原作となるショート・フィルムを観ていたのだが、そこに凝縮されていた恐怖のエッセンスは、100分という長尺になってもほとんど拡散することなく、我々に襲い掛かってくる。

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 筆者が一言だけ言っておきたいのは、オチの是非について、である。結局のところ、姉妹が“ママ”と呼んでいる存在は、むちゃくちゃ昔に無念の死を遂げたある母親の亡霊みたいなものだったのだが、こいつは、ラストで妹の方を連れ去ってしまう。これって、ありなんだろうか。

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 物語のオチ、あるいは、“結果”というのは、必ず“原因”を伴っていなければならない。まぁ、原因の無い結果を描くことで“無情”を表現する作品もあるが、一般的なストーリーテリングの基本というのは、やはり原因と結果の因果関係であってしかるべきだ。

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 この点、本作のラストは、ストーリー上の原因を伴っていないように思える。確かに、妹だけが連れ去られてしまった“リアルな原因”は、存在しているのだろう。彼女は、姉とは違い、物心つく前から“ママ”と接していた。逆に言えば、妹ちゃんには、“本物の母親”の記憶が無いのである。したがって、保護されてから幾分社会的な生活に慣れたとはいえ、そして、アナベルに対してある程度の親近感を抱くようになったとはいえ、やはり最終的には“ママ”のところに行ってしまったことも、ある意味では合理的である。例えそれが我々から見れば“偽物の母親”であったとしても、妹ちゃんにすれば“本物”だ。

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 でも、このオチは、映画という“物語的な枠組み”の中では、何らいわれのない帰結である。あんなに頑張って姉妹を見つけ出したルーカスやあんなに頑張って姉妹とほとんど“本物の親子関係”を築いたアナベルが、妖怪まがいの亡霊に妹ちゃんを連れ去られる筋合いは無い。あんなに妹思いだったお姉ちゃんが、薄汚い怪物に最愛の妹ちゃんを攫われる道理も無い。ましてや、当の妹ちゃんは、今では5~6才ではあるものの自我らしい自我がないのだから、謎の怪異に命を奪われる物語上の必然性など皆無なのである。

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 これが、実は妹ちゃんは“ママ”の娘の生まれ変わりだったのであり、そもそもジェフリーの娘(ルーカスの姪)ではなかったのだ、というところまでオカルトに振り切っていれば、まだしも納得の余地があったかもしれない。さらに、そんな“ホトトギスの怪異”の力が、実は、ジェフリーを凶行に走らせていたのだ…!みたいな、もう人間社会にはいられない帰責性が妹ちゃんにあれば、もう少し納得できたかもしれない。しかし、本作の描き方だけでは、なぜ妹ちゃんが“ママ”に連れ去られなければならないのか、という点が、やっぱりどうしても、少なくとも筆者には、どれだけ頑張っても理解できない。

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 同じバッド・エンドでも、ギレルモ・デル・トロ自身が監督したダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』では、“少女が死ぬまでの道筋”が非常にしっかりしていたのに。つまるところ、今回の件から筆者が得るべき教訓は、デル・トロはやっぱりただの悪趣味野郎だ、ということなのかもしれない。

点数:58/100点
 めちゃくちゃ怖く、めちゃくちゃしっかりしたホラー作品であることは、誤解の無いように再度言っておきたい。アンディ・ムスキエティなる新人監督は、おそらく“本物”だ。でも、釈然としないんだよな。やっぱり本稿で述べたようなことが引っかかってしまい、評価は辛目になってしまった。まぁ、それも、もしかしたら筆者が自分の“理想”を押し付けているだけなのかもしれないけれど。それでも、“家族”には理想を押し付けたいと、筆者はそう思うのである。

<おまけ>
●原作ショート・フィルム『MAMA』


(鑑賞日[初]:2016.4.24)










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Tag:悪趣味映画

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