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2016

[No.381] グリーン・インフェルノ(The Green Inferno) <76点>

CATEGORYホラー


※直接描写は無いものの、キモチワルイです。


キャッチコピー:『ここには 人を喰らう 人間がいる―。』

 情けも過ぐればインフェルノ。

三文あらすじ:国連の弁護士を父に持つお嬢様大学生ジャスティン(ロレンツァ・イッツォ)は、ある日、ハンガー・ストライキ等の過激な手段で慈善活動を展開する学生グループに勧誘される。カリスマ性のあるグループのリーダーのアレハンドロ(アリエル・レビ)に惹かれ、集会に参加することになったジャスティンは、ジャングルの開発によって消滅の危機に瀕しているペルーの少数民族“ヤハ族”の保護活動を行うため、現地へ同行することに。しかし、彼女らの乗った小型機はジャングルのど真ん中に墜落してしまい、目覚めた彼女らは、自分たちが檻に捉えられていること、そして、“ヤハ族”が恐怖の食人族であることを知る・・・


~*~*~*~


 まず、予告編がけっこうおもしろい。特に、ラストでポスターにもなっている黄色のおっさんのセリフを「買エヤ!」としているところが秀逸だ。本来は原住民の言葉でなんか「バイヤ」みたいな発音をしているのだが、これを空耳しているわけである。言ってみれば、『キル・ビル』のDVD発売時のキャッチコピー「買ッチマイナ!」と同じ趣向なのだが、こういう着眼点はやっぱり素晴らしい。

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 さて、本作は、『ホステル』シリーズでお馴染みの変態悪趣味監督イーライ・ロスが、監督作としては『ホステル2』以来実に6年ぶりに手がけた変態悪趣味食人鬼映画である。

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 こんな作品のDVDリリースを実はめちゃくちゃ心待ちにしていた、などと真意を明かしてしまうと、まるで筆者が大変な変態悪趣味野郎みたいであるが、筆者は、本作の製作が発表されたとき、グロというよりはそのプロット部分に強く心を惹かれた一人だった(ちなみに、劇場に足を運ばなかったのは、気持ち悪さのあまり公の場で卒倒してしまうことを恐れたからである。)。

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 すなわち、本作のプロットというのは、意識高い系の大学生が勝手に少数部族を守るという使命を持って勝手にジャングルへと乗り込んでいくが、実は食人鬼だったその部族に囚われ、思いっきり喰われてしまう、というものだ。・・・こんなに胸のすくストーリーが他にあるでしょうか?!

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 筆者は、こーゆー“おせっかいな輩”が大嫌いなのである。他人のことなのに首を突っ込み、“人助け”という大義名分の下で自己満足に浸る。おまけに、他者からの賞賛と羨望を欲し、裏返せば、自己正当化に渇望するあまり、無関心な者を否定する。その際の決め台詞は、「人として○○すべきじゃない?」。筆者は、すぐ「人として」とか言う輩が大嫌いだ。お前ごときが“人”の何たるかを知っているとでも言うのか?本当に心から人助けをしたいのなら、そうしない者を否定する必要などない。というか、本当にピュアな“人助けのイデア”というのは、きっと、助けた相手が助けられたことすら自覚しないような完璧な作為を指すのだろう。“おせっかいな輩”というのは、その点をことごとく看過し、他者の否定に奔走する。自分の行動に信念を持てず、それを他人のせいにする奴なんて、クズ野郎でクソ野郎だ。そんなわけで、“おせっかいな輩”は全員死刑にしてしまえばいいのに、と筆者は常々思っている。

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 以上から、筆者のヘコ曲がった性根と、筆者がいかに本作への期待を募らせていたかがお分かりいただけたかと思うが、しかし、本作の実態は、筆者が予想していたものと少しだけ違っていた。実際には、学生グループのリーダーであるアレハンドロが、ジャングル開拓を止められないことを知りながら売名のためだけに活動を企画した最低野郎だったり、学生グループを乗せた飛行機が、ただの事故ではなくジャングル開拓を推し進める企業の陰謀で墜落させられたことが判明したりと、予想外にサスペンス的なエンターテイメント性が付与されている。

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 この点は、“おせっかいな輩”が自らの“善行”を完全否定されのたうち回る様をシンプルに楽しみたかった筆者にとって、やや肩透かしなポイントだったのだが、一本の映画作品としては、もちろん賞賛すべきギミックである。最後の最後、脱出の際にアレハンドロを見捨てたジャスティンの元に、アレハンドロの妹から「ペルーのジャングルを撮影した衛星写真に兄らしき人物が写っているの…」と電話がかかってくるシーンもおもしろい。あのカリスマ糞野郎は、おそらく未開の食人鬼たちをも手ごめにしてしまったのであろう。アレハンドロの復讐ジャスティンの贖罪に焦点を当てた続編が夢想できる秀逸な幕引きである。

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 ちなみに、本作は、1980年に公開された(日本公開は1983年)イタリア産エログロホラー『食人族』のオマージュ作品である。まぁ、オマージュというか、参考にしたというか、あるいは、イーライ・ロス版『食人族』と形容するのが正確かもしれない。同作は、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』より20年ほども前に“ファウンド・フッテージ・スタイル”を用い、レイプとかカニバリズムとかをふんだんに散りばめて仕上げられた変態悪趣味映画。その中で、主人公にして被害者たるドキュメンタリー制作チームが訪れるのが“グリーン・インフェルノ”と呼ばれる秘境なのである。恥ずかしながら筆者は未見なので、そのうち鑑賞してみようと思う。

点数:76/100点
 6年のブランクを感じさせないイーライ・ロス節炸裂の変態悪趣味ムービー。自分勝手に“おせっかい”を焼くとこんなことになるぞ、という教訓を学ぶ意味でも、ぜひ鑑賞してもらいたい。もっとも、当分焼肉は食べられないだろうな…。

(鑑賞日[初]:2016.6.6)










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Tag:グロ注意 これが女の生きる道

4 Comments

かずみ  

No title

この記事を見た直後にツタヤにダッシュして借りてきました!
なんでこんなB級映画に76点も付けたのでしょうか?私の2時間を返してください!

2016/06/20 (Mon) 20:36 | EDIT | REPLY |   

Mr. Alan Smithee  

Re: No title

2時間は返しませんよ!
まるで安物の焼肉食べ放題で食傷したような、
そんな(悪)夢のような2時間だったでしょう!

それでも“ゲテモノ”ってのはやめられないのです!

2016/06/20 (Mon) 23:09 | EDIT | REPLY |   

-  

No title

これ、食人族映画としてはハッキリ言って駄作です!
過去の名作「食人族」「人喰族」といった作品と比較してもグロさ、見世物感で格段に劣っています。

2017/05/12 (Fri) 02:40 | EDIT | REPLY |   

Mr.Alan Smithee  

Re: No title

まぁ・・・それは確かに“模倣”ではあるでしょうね。
どう贔屓目に見ても「食事ができなくなる!」とまでは思いませんから。

とはいえ・・・いや、違うな、レイティングとかを出すのは。

いやはや・・・堅苦しい時代になったものです。

いや・・・・・そういう問題でもないのかな・・・。

2017/08/06 (Sun) 05:19 | EDIT | REPLY |   

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