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2016

[No.382] メイズ・ランナー(The Maze Runner) <60点>

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キャッチコピー:『この迷路<メイズ>は、どこまでも追ってくる。』

  “若さ”ってなんだ。
  “愛”ってなんだ。 

三文あらすじ:高い壁に囲まれた謎のエリアに放り出された、記憶喪失の少年(ディラン・オブライエン)。そこでは、彼と同じように壁の中に閉じ込められた少年たちがコミュニティを作って暮らしていた。迷宮<メイズ>に隠された秘密とは、そして、少年たちの運命は・・・


~*~*~*~


 2014年に公開され(日本では2015年)、若者たちを中心にスマッシュ・ヒットを飛ばしたSFアクション映画。原作の構成に合わせて全3部作が予定されているが、2作目の『砂漠の迷宮』公開後、3作目の『The Death Cure』撮影中に主演のディラン・オブライエンが思いっきり怪我してしまい、現在撮影が完全にストップしている状態である。確か、3月の事故直後は2~3週間程度で撮影が再開されると言われていたが、ディランの怪我の具合が思いの外深刻だったため撮影チームは解散してしまい、現状無期限停止の状態になっているはずだ。

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 さて、そのように後々はハプニングに見舞われる本シリーズであるが、とりあえず、第一作たる本作は、全世界である程度の人気を博した。大まかな設定自体は、言ってしまえば『CUBE』である。訳も分からず閉鎖空間に放り込まれた主人公たちが、謎を解きながら脱出に奔走する。このプロットに、『ハンガーゲーム』以降大流行りの“ジュブナイル的味付け”をしたのが本作だ。

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 そんな本作を大づかみに評するなら、それなりにおもしろかった、となる。設定はそれなりにワクワクするし、メイズの謎はそれなりにミステリアス。少年たちの友情や裏切り、困難に立ち向かう男気なんかも、それなりに及第点の仕上がりであろう。しかしながら、よくよく観ると、本作は“粗”の多い作品でもある。中でも作品の興を削ぐ最大の粗さは、過度の主人公補正ではないだろうか。

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 言い換えれば、主人公が放り込まれるまで3年間も壁の中で暮らしていた“初期メンバーたち”が、余りにも雑魚すぎるのである。主人公がたったあれくらいのアクションであのクモみたいなクリーチャーを倒してしまったというのに、その他の少年たちはいったい今まで何をやっていたんだ。そうかと思うと、ラストでは、強硬に残留を主張していたあのいじめっ子がいとも簡単にゴールまで追いついてきたりして、なんだか全体的に登場人物のパワーバランスがおかしいのではないか、と感じた。

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 まぁ、それは映画に限らず、物語においてよくあることではあるのだが。とはいえ、ここは、逆に主人公だけがクリーチャーに打ち勝ち得る先天的な特殊性を備えているとか、とにかく、何らかの調整を行ってほしかったところである。

 ちなみに、主人公の特性といえば、原作では、主人公とヒロインはテレパシーで会話できるという設定だったようだ。この設定は削って正解だっただろう。同時に、原作では(確か)地下に建造されていたメイズが、本作ではむき出しの野外ステージへと変更された点も良かったように思う。これら“リアル路線”への変更は、あくまでも生身の若者たちが現実的な困難や脅威に立ち向かっていくという点を強調し、若年層の観客から共感を得る上で効果的だったのではないだろうか。まぁ、おもくそファンタジーだった『ハンガーゲーム』が爆発的にヒットしたことを考えれば、今どきの若い子は別に“リアル”なんざ求めてはいないのかもしれないが。

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 とにもかくにも、今は早々にディランが回復し、3作目の撮影が再開されることを切に祈るばかりである。また後々感想を書くが、2作目は思いっきり尻切れトンボな終わり方をするからだ。まぁ、ディランが“本物の若者”であるのなら、きっと復帰してくれるだろう。誰が言ったか知らないが、“若さ”とは、“諦めない”ということ。そして、“振り向かない”ということ。今にして思えば、本作の主人公が他の少年たちを差し置いて有していた特殊性は、“諦めず、振り向かない心”だったのかもしれない。

点数:60/100点
 これまで自らを“おっさん”、“おっさん”とおもしろ半分で形容してきた筆者も、いよいよ冗談では済まされなくなってきた。しかし、正しい“大人”になることの大変さよ。タバコを諦め、スロットを諦めた先にいったい何があるのだろう。収入の積算とこれまでの友人たちを振り返った後に何を得るのだろう。本作は、ある意味で“若者たちの通過儀礼”を描いているとも言えそうだが、ちゃんとした“大人”になるための儀式っていうのは、本当に難儀なもんだ。つまるところ、我々は、“ためらわず”、“悔やまず”走り続けるために、そんなことをしているのかもしれない。

(鑑賞日[初]:2016.6.9)










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Tag:青春映画

2 Comments

yaman  

さらば自由と放埓の日々よ

2016/06/22 (Wed) 18:33 | EDIT | REPLY |   

Mr. Alan Smithee  

Re: タイトルなし

すべての悲劇は死をもって終焉し、すべての茶番は結婚をもって終わる。

2016/06/24 (Fri) 09:08 | EDIT | REPLY |   

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