[No.385] ファイナル・アワーズ(These Final Hours) <78点>





キャッチコピー:『地球滅亡まで残り12時間。人類は試される。』

 星降る終末をあなたと。

三文あらすじ:巨大な隕石が海に落下し、地球が滅亡するまで残り12時間。ジェームズ(ネイサン・フィリップス)は、最後の日となった今日を友人たちとパーティーをして終えるつもりだった。暴徒と化した人々が蔓延する中、パーティー会場へ車で向かっていたジェームズは、ひょんなことから父と生き別れたローズ(アンゴーリー・ライス)という少女を助けるのだが・・・


~*~*~*~


 本作は、2013年公開のSF映画、というか、ヒューマンドラマ、というか。要は、巨大隕石が墜落してから人類が滅亡するまでの12時間の人間模様を描く、という点が斬新な意欲作である。

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 これは中々おもしろい設定だ。隕石衝突系の作品も毎年無数に世に出るが、そのバリエーションは決して多くはない。大抵は、“衝突を防ぐための手段”に何らかの工夫を凝らすもので、その手の大家はやはり『アルマゲドン』であろう。また、より広く“ディザスター・ムービー”という意味で考えてみても、大抵は、主人公らが何とか“生き残るための術”を模索する。例えば、『2012』みたいな感じである。

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 しかし、本作は、その両方ともを潔く捨て去った。つまり、隕石の衝突を防ぐわけでもなく、人類存続の道を提示するわけでもなく、人類が死滅するまでの過程に特化して描いたわけである。ベタな意味での“ハッピーエンド”に囚われず、隕石衝突という事象の切り取る時間軸に着目した発想は素晴らしい。これはある意味で、ゾンビに噛まれた主人公がゾンビ化するまでの2時間を描いたショートフィルム『2HOURS』と同じ試みである。まぁ、隕石墜落系SFに限らなければ、このようなアイデアは他にも結構あるのだが。史上最高の映画と名高い『市民ケーン』なんかも、主人公の死という結末に至るまでの過程を描いた作品だった。

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 とはいえ、本作のようなSFというジャンルでは、やはり珍しい試みだったわけで、本作は、その公開当時、斬新な設定が持つ引力で既存の隕石墜落系作品に飽きた観客の興味をぐいっと引き付けた。しかも、本作は、そんな斬新な設定に“設定負け”した駄作ではない。世界滅亡までの12時間で主人公が本当に大切なものを見つけるまでの顛末を、ベタに、丁寧に、きっちりと描き切ってみせた。まぁ、結局、主人公が最後に選んだ“大切なもの”は、巨乳美人だったので、筆者は一人嫉妬の中で遺憾の意を爆発させていたのだが。このときの筆者の怒髪ならきっと衝突前の隕石を粉砕できていたことだろう。

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 そもそも、本作の主人公ジェームズは、非常にチャラい。貧乳だが激エロのスレンダークソビッチと真面目で聡明で気丈でしかも巨乳な美人二股をかけていたのである。しかも、なんと巨乳美人の方はジェームズの子を身ごもっているということが判明する。結局、死の淵に際しての主人公の“悩み”とは、この2人の女性のどちらを選ぶか、というものなのである。

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 ・・・っふざけんなよ!

 もうええやん。もうお前は十分生きた。人はみな、何かが起こるまでは何も考えない生き物なんだ。子供が出来るまではゴムの存在を無きものとし、星が降るまでは巨乳のありがたみすら分からない。ジェームズ、お前はバカだったが、それは仕方ない。お前はよくやったよ。揉みたくたって揉めない人も世界にはごまんといるのに、お前は巨乳を揉めた。それだけを胸に、今は安らかに、眠り給え・・・このクソ野郎が。

 この主人公のチャラ設定が、本作において唯一かつ決定的に許せないポイントである(個人的に。)。もっとも、その部分以外は本当に丁寧に作られていて、痛く感動できる。特筆すべきは、主人公とバディを組む幼気な少女ローズを演じたアンゴーリー・ライス。この子が本当に可愛い。

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 人類滅亡までの時間の大半をかけて探し求めた父親が、既に自分を残して自殺していたと知っても、彼女は極めて気丈に振る舞う。大人なんだな。結局、いざというときには、男より女の方が大人なんだ。聡明巨乳美人は元から気丈だったし、激エロビッチにしても最終的には気丈な一面を見せる。つまるところ、本作は、死ぬ間際にパニくるダメ男を女総出で立ち直らせる、という、そういう作品なのである。

点数:78/100点
 まぁ、この点数はちょっと甘めかもしれない。実際のところ、上記のような謎の“チャラ設定”のせいで、主人公の奮闘が全く頭に入ってこないという人も多かろう。個人的に、“本当に大切なもの(生涯の伴侶)”と向き合う覚悟、というテーマがタイムリーに心に響いたので、やけに感動してしまった。

(鑑賞日[初]:2016.6.10)

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