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2016

[No.391] スタング 人喰い巨大蜂の襲来(Stung) <74点>





キャッチコピー:『史上最悪の害虫駆除!』

 着物を脱ぐ女性の美しさは、人を貫く殺人蜂のようだ。

三文あらすじ:ケータリング会社の若手経営者ジュリア(ジェシカ・クック)と社員のポール(マシュー・オリアリー)は、大邸宅でのパーティに赴く。滞りなく進行するパーティだったが、突如苦しみ始める一人の客。それは、改良された肥料の影響で巨大化した殺人蜂襲来の序章にすぎなかった・・・


~*~*~*~


 2015年公開のB級、いや、BEE級モンスター・パニックが本作『スタング 人喰い巨大蜂の襲来』。監督は ベニ・ディーツという男だが、長編映画の監督を務めたのは今回が初めてのようである。本作以前では主に視覚効果を担当していたようで、当ブログが既に紹介した作品で言うと『メランコリア』が彼の担当作品だ。

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 キャストで注目しておくべきなのは、やはりランス・ヘンリクセンであろう。『エイリアン』ユニバースのビショップとしてお馴染みの彼であるが、本作では、お酒が大好きな市長を好演している。彼は、この役をたった1週間の撮影で演じきったというから、やっぱり大御所の実力はすごいのか、あるいは、大御所の権力がすごいのか、いずれかであろう。ちなみに、この“酒に目が無い”という市長のキャラクター設定は、ヘンリクセン自身の発案であるらしい。

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 あとは、ヒロインであるジュリアを演じたジェシカ・クック。これはもう単純に可愛い。そして、エロい。特に、冒頭の車中でコーヒーをこぼしてしまったシャツを大胆にもその場で脱ぎ捨てるシーン。こんな美女とお付き合いできるなら、蜂の一匹や二匹、朝飯のケータリング前に倒してしまおうかという感じである。彼女は、おそらく本作が映画作品初出演なのだが、銀幕でその美貌を再見できる日を筆者は心待ちにしている。

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 さて、本作の内容であるが、これはもう本当にベタなモンスター・パニックもの。昨日の後悔も、明日の心配も、全てを忘れて純粋に楽しめる。モンスター・パニックなんざ、奇をてらった斬新な趣向や批評家を唸らせる深遠なテーマを元来必要としないジャンルなのだから、つまり、本作は、全く以て天元を往く傑作モンスター・パニックなのである。

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 改良された肥料の影響で巨大化した殺人蜂というモンスター造形がまず素晴らしくグッド。『スパイダー・パニック!』という傑作クモ映画でもそうだったが、薬品による巨大化は、この手の作品における最もベタで愛おしい、古き良きモンスターの出生理由である。

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 それから、主人公である男女の恋。先述の『スパイダー・パニック!』にしても、少し前に当ブログで感想を書いた『ビッグ・バグズ・パニック』にしてもそうだったが、主人公2人が困難を乗り越えて恋に落ちるというのは、時代の今昔、洋の東西を問わず物語を盛り上げ続けてきたギミックである。

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 本作のやや個性的なところというのは、通常のモンスター・パニックと比べより“男女”に着目していることだろう。つまり、男と女というセックス、あるいは、ジェンダーを少しだけ意識したような描き方がされている。例えば、クライマックスでクイーン・ビーに捕らわれたポールをジュリアが助けるシーン。初期のスクリプトにおけるこの救出劇は、数多のモンスター・パニック同様、ヒーローたるポールがヒロインたるジュリアを助けるという展開になっていたそうだ。しかし、実際のクライマックスはその逆で、捕らわれたポールが芋虫に寄生されそうになったギリギリの瞬間、ジュリアが助けにやってくる。つまり、女性が男性を助けるというふうにあえて書き直しが行われたわけである。

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 また、ラストのキスシーン。これまた多くのモンスター・パニックとは異なり、本作ラストでキスするポールとジュリアの構図は、ポールが寝ていてジュリアが座っているというもの。普通なら晴れて結ばれた恋人たちがキスする瞬間、両者は共に立っていて、そうすると普通なら男性の方が上からキスするわけである。しかし、本作では、救急車の荷台により重症なポールが寝っ転がっていて、比較的軽傷なジュリアは座っているというポジション。そこからキスをすれば、当然ジュリアが上から覆いかぶさる形になる。つまり、女性が上からキスするという描写をあえて行っているわけである。

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 まぁ、本作が、男性の横暴を弾圧するのだ!だとか、女性の地位向上を勝ち取れ!みたいな辛気臭いメッセージを発しているとは到底思えない。ただ単に、蜂というモンスターに絡めて、女は強い生き物だというテーマをギミックとして盛り込んだだけであろう。これは言ってみれば、SFモンスター・パニックの大傑作『エイリアン2』と根本的に類似したテーマである。同作でも、ラストはクイーン・エイリアン対リプリーという“母親 vs 母親”の様相を呈した。本作では、そこまで“女 vs 女”の直接的な描写があるわけではなく、あくまでも全編を通してポールが“ヒーロー”として描かれているものの、そんな彼の目を通して“女の強さ”をアピールしているのではないかな。

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 そういえば、本作のモンスター造形は、結構“ゼノモーフ”に似ている。他の生物に卵を産み付けて増えていくという繁栄手段もそうだし、宿主の性質を反映するという特性もそうだ。あとは、クイーンを頂点として統率された社会を持っているという点も似ているが、まあ、これは“ゼノモーフ”が蜂とか蟻をお手本にした可能性が高い。

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 そんなわけで、本作ラストでは、生き残りの蜂が乳牛に卵を産み付け、乳牛の特性を宿した殺人蜂が誕生するところで終わるのだが、この幕切りも本当にベタで素晴らしい。木に車をぶつけて気絶しているポールとジュリアが目覚めるまでの間に牛の声を入れているという前フリも、自然な感じで良かった。ちなみに、このラストシーン付近で、監督であるベニ・ディーツのカメオ出演を見ることができるらしい。どうやら消防士として出ているようである。あまり自信はないのだが、これだろうか。

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点数:74/100点
 極めてベタだが非常に完成度の高い傑作モンスター・パニック。欲を言えば、もうちょっとノリノリ系の演出を入れてもよかったと思う。特に、本作は全体として音楽のパワーが若干弱めだ。そう思って調べてみたら、本作の音楽担当2名はどちらもが男性であった。男なんて弱いもんである。

(鑑賞日[初]:2016.8.10)






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