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2016

[No.394] ゾンビワールドへようこそ(Scouts Guide to the Zombie Apocalypse) <89点>

CATEGORYゾンビ
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キャッチコピー:『Always Bring Protection』

 “スカウト《友情》”は永遠だ!

三文あらすじ:高校生にもなってまだボーイスカウトを続けているベン(タイ・シェリダン)、カーター(ローガン・ミラー)、オギー(ジョーイ・モーガン)の三人組。しかし、実はボーイスカウトなんか辞めて女の子と遊びたいカーターは、半ば強引にベン誘い、キャンプを抜け出して秘密のパーティー会場へ行こうとするのだが、その道中でゾンビ化した町の住人たちに襲われる。間一髪のところをストリップ・バーの美人ウエイトレス、デニース(サラ・デュモン)に助けられた2人は、ボーイスカウトで身につけた様々なワザを駆使してゾンビの脅威に立ち向かていくのだが・・・


~*~*~*~


 2015年アメリカ公開の傑作ゾンビ・コメディ。日本ではたぶん劇場公開されなかったと思うのだが、こんな傑作を銀幕で楽しめないなんて、やはり我が国のゾンビ人気はまだまだ下火のようだ。

 監督は、クリストファー・ランドンという男なのだが、監督としてはお世辞にも有名とは言えない。脚本家としての活動が多かったようで、特に『パラノーマル・アクティビティ』の2~5まで一貫して携わっていたようである。

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 さて、本作の内容であるが、先述したように傑作だと個人的には思った。グロさや終末感、あるいは、無常感という点では確かに物足りない部分もあるため、“ゾンビ映画”として傑作と言えるかは若干疑問である。しかし、例えば、『ゾンビランド』のような“青春ゾンビ映画”として観るのであれば、傑作も傑作。ひょっとしたら『ゾンビランド』を超えたんじゃないだろうか。

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 まず、アヴァン・タイトルが極めて素晴らしい。おそらく死者蘇生の研究を極秘裏に行っているのであろう“バイオタイン”なる研究所で、そこの研究者と清掃員が犠牲になるという展開。つまりは、本作におけるパンデミックの切っ掛けを伝えるパートなのだが、演出から尺から全てちょうどいい。お札が入らなかったり商品が落ちてこなかったりで、研究者が中々手に入れられなかった自動販売機内の激辛スナックが、研究者が襲われた後で落ちてくるというシーンでは、よし…それ落ちてタイトル…それ落ちてタイトル…という筆者の願い通りに事が運ぶ。一人で鑑賞していたのをいいことに、筆者はこのタイトルバックで「そう!」と叫んでしまったくらいだ。

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 その後も本当に本当にベタの連続。高校生の友情があって、性への憧れがあって、喧嘩があって、仲直りがあって、ハッピーエンドがある。そこに目新しさはない。深遠なテーマもない。だが、文句の付けようがない。心地よいベタがこれ以上なくしっかりと描かれている。

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 何より素晴らしいのは、決めシーンをギャグで丸めないという部分である。少し前に感想を書いたリブート版『ゴーストバスターズ』におけるホルツマン二丁拳銃シーンでもそうだったのだが、コメディではあるもののちゃんと決めるところは決めるという姿勢は、本当に素晴らしい。

 例えば、美人ウエイトレスのデニースが助けを呼びに去った後、スカウトの3人が団結するシーン。町自体が放棄され、軍による空爆が迫る現状、秘密のパーティ会場にいる若者たちを救えるのは、彼らしかいない。「世界を救おうぜ。」というベンの最高の決め台詞によってチンチンに温められた我々の魂を、本作は無粋なギャグで冷ましたりはしないのである。

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 パーティ会場に乗り込む前、3人がホームセンターで“武装”するところも最高にカッコいいし、いざ会場たる廃墟に乗り込んでいくシーンは、全ての男が鳥肌を立て、全ての女が股を濡らすべき最高のシーンである。スカウト隊員としての技術に応じて貰える勲章が、クライマックス・バトルにおける前フリになっているところもベタだがニクい。

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 また終盤、体育館的なスペースに追い詰められた3人がゾンビもろとも自爆しようとするシーン。ここも本当にベタ。要は、ベンとカーターの裏切りによって友情が綻(ほころ)んでいた三人組が、死を前にして絆を再確認するのだが、スカウトを一番嫌がっていたカーターが一番最初に「Scouts Forever!(スカウトは永遠だ!)」を言うところなんか最高。彼らとは対照的に独りぼっちで鑑賞していた筆者は、これまた「そう!それ!」と叫んでしまった。

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 もちろん、本作は、コメディ映画としての本分を忘れているわけではない。繰り出されるギャグの数々も全てしっかりできている。特に、ベンがカーターの姉ケンドル(ハルストン・セイジ)の部屋から飛び降りる際、ゾンビのチ○コを引っ張るシーン。通常のゾンビものでは一か所くらい“はらわたを引きずり出すシーン”というものがあり、その度、“あぁ、またしばらくソーセージは食べられないなぁ。”なんて思うものだ。その点、本作では“はらわたシーン”が無く、筆者は安心していたのだが、まさかまた違う意味でソーセージが食べられなくなるとは思いもしなかった。

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 そんな感じでギャグ・シーンにしてもヒロイックなシーンにしても最高に素晴らしい本作。悪いところはほぼ無かったように思うのだが、あえて一点だけ引っかかる部分を挙げるなら、先述したカーターの姉ケンドルがクソ女だ、ということだろうか。イケメンだけど性格の悪いクソ野郎と付き合ったり別れたりを繰り返している、という時点で既にクソ女だが、それまでベンのことを「弟みたいなものよ。」と言っていたのに、大団円でベンがいきなりキスすると、なぜかすんなりしっかりうっとりと応じてしまうというのは、一体全体どういう了見なのか。しかも、上目遣いでニヤけながら「あなたは誰?」なんて問いかける始末。彼氏が死んだ舌の根も乾かぬ内に弟分を異性として意識できるなんて、これはもう尻軽女でありヤリ○ン女以外の何ものでもない。

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 まぁ、本作の展開上別に不自然というわけではないのだが。ベンの姉貴分たるデニースのアドバイスがきちんとフリとして存在しているから、物語として十分に成立している。それに、まぁ、ベンとケンドルの恋は、しょせん一時的な情動でしかないだろう。「異常な環境で結ばれた恋人は長続きしない。」というアニー・ポーターの言葉もあるし、「数多い恋人の情を集めても、我が胸に燃える友情の火には及ばぬ。」というバイロンの格言もある。やはり惚れた腫れたの恋よりも、スカウトたちの友情こそが永遠のものなのである。

点数:89/100点
 何の新規性もないし、“ゾンビ映画”としてのアピール力も薄めな作品。しかし、その映画としての出来自体は完膚なきまでにきちんとしていて、万人が心の底から楽しめるものだと思う。

(鑑賞日[初]:2016.8.14)






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Tag:青春映画 クソ女 歩くゾンビ ヘンテコ邦題

2 Comments

T  

No title

それバイロンかい?

2016/08/22 (Mon) 22:43 | EDIT | REPLY |   

Mr. Alan Smithee  

Re: No title

友情は翼のないキューピッドである。

2016/08/22 (Mon) 23:12 | EDIT | REPLY |   

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