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2016

[No.404] ゴースト・オブ・マーズ(Ghosts of Mars) <55点>

CATEGORYホラー




キャッチコピー:『殺生、100万人』

 ゴースト・オブ・まずまず

三文あらすじ:西暦2176年、地球人が火星に植民地を築き、天然資源を採掘する時代。火星警察のメラニー・バラード警部補(ナターシャ・ヘンストリッジ)は、シャイニング渓谷で起こった惨劇について尋問官に語る。それは、拘留されている凶悪犯ジェームズ・ウィリアムズ(アイス・キューブ)を連行するため渓谷の鉱山町を訪れた警察部隊と蘇った火星のゴーストとの血みどろの戦いの記録だった・・・


~*~*~*~


 アメリカでは2001年、日本では2002年の夏に公開されたSFホラー映画。古より火星に封印されていた“ゴースト”が蘇り、人類に憑依して虐殺の限りを尽くす、という何ともバカバカしいストーリーである。宇宙由来のなにがしかが人体に寄生して暴れまわるという大雑把な設定だけ取ると、宇宙人侵略SFの傑作『遊星からの物体X』と似た作品だとも言えそうだ。それもそのはず、なのかは分からないが、本作の監督は同作と同じ鬼才ジョン・カーペンター。1998年と2002年の『ヴァンパイア』2部作(『最期の聖戦』と『黒の十字架』。後者は製作総指揮。)の間にちゃちゃっと(?)作ったのが、本作である。

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 さすが巨匠が手掛けただけあって、本作はキャストが中々に豪華である。ラッパーのスターであるアイス・キューブは相変わらずの“もっちゃりアクション”を繰り広げているし、これとは対照的に本作の時点で既に後のアクション・スターとしての貫禄を出し始めているジェイソン・ステイサムの“クソ野郎”演技も中々よろしい。また、個人的には、タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』で主役を張っていたブラック・エクスプロイテーションのスター、パム・グリアの佇まいなんかは、もはや“重鎮”と形容してもいいように思う。

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 そのように個性的なスターたちの中でも、我々おっさんたちがひときわ魂を震わすべきは、主人公であるメラニー・バラード警部補を好演したナターシャ・ヘンストリッジであろう。代表作は、もちろんデビュー作にして我々のハートを鷲掴みにしたSFホラー映画『スピ―シーズ 種の起源』。SF映画史上最もセクシーなエイリアン“シル”は、瞬く間に地球上の男たちを虜にし、同時に当時は全くの無名だった一人のファッション・モデルの名を彼らの脳裏に克明に刻み込んだ。

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 そんなナターシャ・ヘンストリッジの健康的でありかつどこか怪しげなセクシーさは、本作でも健在。ジェイソン・ステイサムからのデリカシーの無いアプローチを軽くいなしていくクール・ビューティな所作の一つ一つに、筆者などは、ゴーストそっちのけで声援を送っていた。おまけに、ラストではそのナイス・バディを披露するというサービス。もちろん『スピ―シーズ』ほどの脱ぎっぷりは望むべくもないが、ゴーストの脅威に緊張続きだったハートを握りつぶすほどの鮮烈なエロさがある。ホラー描写の連続の先にふっと“セクシー”を持ってくるというこの構造は、ある意味で『エイリアン』に通ずる部分だな(もちろん、本作に対して同作ほどの作品的クオリティは望むべくもないが。)。

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 ただ、一点納得できないのは、メラニー警部補が結局ジェイソン・ステイサムと一戦交えようとしてしまうというところ。ブチュッとキスし始めたところでトラブルが発生するのでコトは未遂に終わるのだが、あの描き方ではメラニーが本当に“死ぬ前だから一発ヤッといていいか”と思ったように見えてしまう。あそこは、しつこすぎるステイサムのくどきに止めを刺すために、キスした瞬間、股間を蹴り上げて悶絶させるというシーンにすべきなんじゃないか。カーペンター、ふざけんなよ。

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 それから、作品全体として納得できないのは、その奇抜な構成である。本作は、シャイニング渓谷から単身帰還したメラニー警部補が、そこでいったい何が起こったかを尋問官に語る“回想録”の形で幕を開ける。また、その回想中(つまり、本編中)も印象的に繰り返されるのが、遡り演出。この技法の正式な名称を筆者は知らないのだが、要は例えば、メラニーとステイサムが二手に分かれたところで、まずメラニーを追って描き、そこでのひとくだりが終わってステイサムが合流すると、今度は“あの後こんなことがあったのさ…”という感じで二手に分かれた時点からのステイサム視点を描くのである。つまり、本作は、全編に渡って回想録の多重構造で成り立っている作品ということになる。

ghostofmars6.jpg


 で、この構成の意図が筆者には分からないのである。一種の“霊体”として存在し次々と人間に憑依していくというゴーストの性質を知った時点で、筆者は、無事に生還したと思われていたメラニーは、実はゴーストに憑依されていた…というラストを演出するための前フリ的趣向なのかしら、と思ったのだが、全然そんなことはなかった。ラストのメラニーは潔白そのものだ。美脚には傷一つなく、パンティにはシミ一つない。まぁ、筆者が何かしらを見落としている可能性は大いにあるし、もしかしたら過去の名作に対するオマージュだったりするのかもしれないけれど、パッと観た感じではなんだかよく分からないギミックであった。

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 他にも、やっぱりどう贔屓目に見たってアイス・キューブは凶悪犯に見えないという不満や、アイス・キューブとメラニーの会話に出てきた“何のために生きるのか”というフリはあれで綺麗に落ちたと言えるのか?という疑問、あるいは、アイス・キューブが牢屋から出そうになるけどやっぱり閉じ込められるというくだりは、いくらなんでもコメディすぎるのではないかといった、主にアイス・キューブ関連の苦情が色々あるのだが、これ以上巨匠に唾を吐きかけるのも忍びないので、今回はこの辺にしておこうと思う。

点数:55/100点
 “鬼才ジョン・カーペンター”を期待しすぎるとややガッカリしてしまうかもしれないある意味で“普通”のサバイバル・ホラー。当然、ホラー演出、アクション構成など“映画的な出来”という意味ではある程度の水準なわけだから、決してつまらなくはないのだが、総じて一本のSFホラー作品としては“まずまず”という読後感であった。

(鑑賞日[初]:2016.8.25)










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