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2016

[No.413] ダ・ヴィンチ・コード(The Da Vinci Code) <52点>

CATEGORYサスペンス




キャッチコピー:『ダ・ヴィンチは、その微笑に、何を仕組んだのか。』

 シンプルさは究極の洗練である。

三文あらすじ:ルーブル美術館館長ジャック・ソニエール( ジャン=ピエール・マリエール)が他殺体で発見され、レオナルド・ダ・ヴィンチの“ウィトルウィウス的人体図”を模したその死に様や周囲に描かれた暗号が、彼自身の残したダイイング・メッセージであることが判明する。講演会のためパリを訪れていたハーヴァード大学の象徴学教授ロバート・ラングドン(トム・ハンクス)は、第一容疑者としてルーブル美術館に呼び出されるが、折しも臨場した暗号解読官のソフィー・ヌヴー(オドレイ・トトゥ)の手引きによりその場を逃れる。事件の真相を追うラングドンとヌヴーは、聖杯研究の権威リー・ティービング(イアン・マッケラン)の助けを借りつつ、イエス・キリストに纏わる人類史上最大の謎に迫っていく・・・


~*~*~*~


 2003年に発行され、世界を熱狂の渦に巻き込んだサスペンス小説『ダ・ヴィンチ・コード』。当時高校生だった筆者も当然ハード・カバーで購入し(正確には親が買ってきたのだが)、夜を徹して読みふけったものである。そのときの筆者は「うおお!なんじゃこのおもしろい話は!」と熱狂していたし、同じような人は世界中にごまんといただろうが、実のところ、この小説は純度100%のエンターテイメント小説と考えておいた方がいいようである。つまり、あたかも史実の謎とその隠ぺいを暴いてみせたような“てい”ではあるものの、実態としてはほとんど根も葉も無いということらしい。言い換えれば、コンビニで売っている『ワンピースの謎徹底解明!』みたいな、あるいは、『これがフリーメイソンの真相だ!』みたいなこじつけの都市伝説本なのである。まぁでもそんなことは別にいいんだよ。おもしろけりゃあ、いいんだ。

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 で、そんなエンターテイメントな原作を『バック・ドラフト』とか『アポロ13』とか『ビューティフル・マインド』とかの名匠ロン・ハワードが映画化した本作であるが、一言で言ってしまえば、よくある馬鹿アクション映画大作になってしまった。マイケル・ベイ映画なら別にいいんだけど、『ダ・ヴィンチ・コード』でこれはちょっとなぁ…という感じだろうか。まぁ、要は、原作小説っていうのは、本質としてただのこじつけの都市伝説だったアイデアを(一応)きちんと論理立てて説明し、さらに、けっこう格調高い雰囲気で描いてみせたからよかったんだと思う。少なくとも、高校時代の筆者程度の読者なら、えぇ?!まじかよ!すげー!!というピュアな感想を抱くことができた。何より、全体的になんだかカッコよかったんだよな。

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 でも、本作に関しては、上記“論理立て”“格調高い”の部分がどうも上手くいっていないように思う。何か決定的なストーリー上の要素を削ってしまったというわけではない(モナ・リザ関連のあれこれはほとんど無くなってしまっているけれど。)。むしろ、本作はかなり厳密に原作を“トレース”していると言ってもいいだろう。だからこそ、上映時間149分という長丁場を要したのである(なんと“エクステンデッド版”では174分!)。しかしながら、長尺を使って完コピしたと言ったって、何百ページもある小説の全てを表現しきれるわけではない。むしろ、2~3時間という限られた中でテーマをきっちり伝えるためには、原作では重要だった要素を敢えて削るくらいのスリム化も必要だっただろう。その点、本作では特にしっかりした戦略無く、とにかく原作ファンに怒られないような作劇を貫徹したように見えてしまう。あれよあれよという間になんでもかんでも詰め込むものだから、論理が全く頭に入ってこないし、格調の高さを感じる暇もない。第一、原作最大の魅力と言っても過言ではない謎解きのカタルシスが全く以て感じられないのである。

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 したがって、要素だけ拾っていけば“原作に忠実”と言える本作は、むしろ原作ファンを愚弄したダメ映画化になってしまっているのである。そもそも、原作ファンを真に納得させたいのなら、やっぱりラングドン役にトム・ハンクスはダメでしょう。原作を読んだ我々が想像していたラングドンっていうのは、もうちょっと…何というかイケメン中年だったんだよな。確か原作内ではハリソン・フォードに例えられていたのではなかっただろうか。この言及からも明らかなように、『ダ・ヴィンチ・コード』を含めたラングドン教授シリーズというのは、言ってみれば“都会版インディ・ジョーンズ”なのだから、そのままハリソン・フォードとは言わなくても、やっぱりもうちょっとシュッとした配役が必要だったように思う。

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 ただ、配役で言えば、ヒロインたるヌヴーを演じたオドレイ・トトゥ。これは抜群に良いな。原作との比較でどうのこうの、というのではなく、単純にめちゃくちゃ可愛い!“論理立て”と“格調”がグズグズであるため、彼女がイエス・キリストの末裔と明かされても全然納得できないのだが、もうそれはいいよ。キリストの末裔じゃなくても、これはほぼ間違いなく“天使”だからな。『アメリ』のときは、なんじゃこのサイコ女は…と思っていたのだが、全く愚かだった。「自分の判断以上に自分を欺くものはない。」という名言を残したダ・ヴィンチは、やはり偉大である。

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点数:52/100点
 ごちゃごちゃ詰め込んだせいで原作のマジックを解いてしまったダメな映画化。ストーリーをもっとシンプルに、主役をもっといわゆるイケメンに洗練していれば、もうちょっとまともなサスペンスになっていたのかもしれない。

(鑑賞日[初]:2016.10.11)














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