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キャッチコピー
・英語版:What happens in Vegas, stays in Vegas. Unless what happens is this.
・日本語版:4度目の竜巻は、“覚醒 ”する。

 モウ!その手には乗らネード!

三文あらすじ:最後の襲撃から5年、未曾有の天変地異が帰ってきた。今度の舞台は、快楽の街ラスベガス。"シャークネード(Sharknado)"を止められるのは、"奴"しかいない・・・


~*~*~*~


 2017年9月末現在、全5作が放映され、"B級サメ映画界""新たなるサーガ"となったTV映画『シャークネード』シリーズ。"サメ×トルネード"というB級の名に恥じぬバカバカしさもさることながら、結局のところ、主要キャストのアンサンブル、キャラクターたちの魅力、そして、『ジョーズ』を始めとする様々な"ジャンル映画"へのオマージュなど、およそバカ映画好きがバカ映画に期待する要素が良い感じに詰まったステキなバカ映画シリーズである。

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 そんなシリーズの4作目にあたるのが、本作『シャークネード4(フォース)』。『The 4th Awakens』というのが原題だが、これはもちろん『スターウォーズ』エピソードⅦ『フォースの覚醒(The Force Awakens)』をもじっている。まぁ、とはいえ、正直なところ本作が有する"スターウォーズ感"は極めて希薄。プロット的にもテーマ的にも特に共通点は見あたらないし、オマージュとしてもたぶん以下3点ぐらいしかなかったのではないかな。

【『SW』へのオマージュ】
①主人公フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)の父ギルバート(デヴィッド・ハッセルホフ)がフィンにメカスーツをバカにされたときに言い返した「She may not look like much, but she's got it where it counts.(外見はボロだが中身で勝負だぜ。)」。これは『新たなる希望』において、ミレニアム・ファルコンを見たルークが「なんだこれ、ゴミじゃんか!」と言ったことに対するハン・ソロの反論と全く同じセリフである。

②アストロX社の社長アストン・レナルズ(トミー・デヴィッドソン)がグランド・キャニオンを爆破する際、「Stay on target. Stay on target.」と言うが、これは『新たなる希望』のデス・スター殲滅作戦時、ゴールド中隊のゴールド5が言っていたセリフと全く同じである。

③フィンが自宅でサメと戦うときの武器が、『フォースの覚醒』におけるカイロ・レンの"クロスガード・ライトセーバー"っぽい(下記画像参照。)。

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 まぁ、どっちかというと宇宙に飛び出していった前作の方がまだ『スターウォーズ』らしかった気もするが、とはいえ、そんなことでいちいち文句を言うのも無粋というものだ。既に立派な人気シリーズとなった本作は、オマージュだ…もっと…もっとオマージュを!!といういわゆる"オマージュ・ハイ"の状態になっている。当然、本シリーズがバカ映画である限り、このスタンスは決して間違っちゃあいないだろう。事実、我々バカ映画ファンは、矢継ぎ早に繰り出される様々な映画(ドラマ)のオマージュに逐一歓喜するのだから。というわけで、以下では、本作が盛り込んだ『スターウォーズ』以外のオマージュたちを列挙する。あくまでも筆者が分かったものだけだが、それでもこんなにある。

【『パイレーツ・オブ・カリビアン』へのオマージュ】
 これは、ラスベガスでのシークエンスにおいて、シェパード・ファミリーがモニュメントとして設置されていた海賊船を駆ってサメ竜巻と戦うという展開を指す。セリフやガジェットによる明確なオマージュは無かったように記憶しているが、一部の音楽がハンス・ジマーによる『パイレーツ・オブ・カリビアンのテーマ』をあからさまに意識したメロディになっていた。

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【『悪魔のいけにえ』へのオマージュ】
 中盤で登場するチェーンソー屋さんの大柄でコワモテな男の名は"ガンナー"という。これは、『悪魔のいけにえ』においてレザーフェイスを演じた俳優ガンナー・ハンセンへのオマージュだ。ちなみに、本作のガンナーを演じているダン・イェーガーは、オリジナル版の続編として2013年に公開された『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』でレザーフェイスを演じた俳優だ。それから、チェーンソー屋の女性店員(店主の奥さんなのかな。)を演じるキャロライン・ウィリアムズは、『悪魔のいけにえ2』で“ストレッチ”というキャラクターを演じた女優。本作の彼女のキャラクターも同名の"ストレッチ"である。

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【『ベイウォッチ』へのオマージュ】
 本シリーズでは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー VOL.2』でも大々的にフィーチャーされた名優デヴィッド・ハッセルホフが、フィンの父親ギルバート大佐役を演じている。ハッセルホフの代表作として『ガーディアンズ2』で挙げられていたのは『ナイトライダー』だったが、1989年から放送がスタートした大人気TVドラマ『ベイウォッチ』も忘れてはならない。本作では、『ベイウォッチ』において主人公ミッチ・ブキャナンを演じたハッセルホフが、以下二人の美女と再共演を果たしている。すなわち、ライフガード部隊"ベイウォッチ"の女隊長にしてミッチの元カノでもある女性ステファニー・ホールデンを演じたアレクサンドラ・ポール、及びミッチの元妻であるニーリー・キャプショーを演じたジーナ・リー・ノーリンの二人。クライマックスでギルバート大佐が"メカスーツ"を着用する際、両手に花とばかりに彼に寄り添っていたスウェット姿の美熟女二人がアレクサンドラとジーナ。彼女たちがわざとらしいスローモーションで走るシーンは、『ベイウォッチ』における同様のシーンへのオマージュなんだそうだ。

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【『スーパーマン』へのオマージュ】
 最愛の家族の生存を知ったエイプリルが研究所の外に飛び出し、サメ竜巻によってぶっ飛ばされてきた自動車から小さな男の子を守るシーン。ここのビジュアル・イメージは、おそらく『スーパーマン』原作コミック第一話の表紙へのオマージュであろう。

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【『オズの魔法使い』へのオマージュ】
 「あの男が"シャークネード"を呼び寄せているのよ!」という意地悪な(というか、ある意味でマトモな)主張を展開するシカゴ市長マンスフィールドさん(ステイシー・ダッシュ)は、『オズの魔法使い』における"悪い魔女"へのオマージュ的キャラクターだ。まず、彼女がTVカメラに対してどなった「I'm gonna get you Fin Shepard, and your little chain saw, too!(あんたも、あんたのチェーンソーもね!フィン・シェパード!)」というセリフは、『オズ~』において西の悪い魔女が発した「I'll get you, my pretty, and your little dog, too.(お前も、お前の犬もだ!)」のもじり。さらに、マンスフィールドさんの最期は、東の悪い魔女(西の魔女のお姉ちゃん)と同じく、カンザスから嵐で飛ばされてきた家の下敷きになって死ぬというものだった。瓦礫の下から突き出た彼女の足には、ボーダーのロングソックス(タイツ?)と真っ赤な靴が履かされているが、これも東の悪い魔女の出で立ちと同じ。あと、実家に帰るとき、フィンが「黄色いレンガ道を進め!」と言うのも『オズ』オマージュだな。

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【『クリスティーン』へのオマージュ】
 中盤あたりでフィンに自らの愛車を貸してくれるコルトン(スティーヴ・グッテンバーグ)という男が登場する。その彼の愛車の名は"クリスティーン"。これはもちろん、こないだ本国で公開され、(貨幣価値の差はあれど)あの『エクソシスト』をも越える超特大ヒットばく進中のリメイク版『IT』の原作者でもあるホラー小説界のスーパースター、スティーヴン・キングの小説『クリスティーン』へのオマージュ。車種も同じ1958年型プリムス・フューリーなら、ナンバーも同じ。1983年に同名タイトルで映画化された際の音楽もそのまま使われている。また、コルトンは"クリスティーン"を指して「こいつはときどき自分の意識を持っているような気がするんだ。」と語るが、これも原作及び映画版を意識したセリフ。意思を持った自動車が所有者である青年の周囲の人物を次々と血祭りにあげていく、というのが、オリジナルのストーリーであった。

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【『ターミネーター』へのオマージュ】
 フィンと息子のギルが家ごとシカゴへ飛ばされた後、エイプリルが瓦礫をどかして彼らを救出するが、ここは『ターミネーター』第一作へのオマージュ。フィンに手を差し出したエイプリルが言う「Come with me if you want to live.(死にたくなければ付いてきなさい。)」というセリフは、『ターミネーター』においてカイル・リースが初めてサラ・コナーに出会ったときのセリフと全く同じものである。

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【『ツイスター』へのオマージュ】
 シリーズものの性として、主人公と相対する"敵"はどんどんパワーアップしていかなければならない。"大西洋岸全域に発生する"という"量的なパワーアップ"を図った前作に対し、本作のサメ竜巻は"質的なパワーアップ"を実現。すなわち、砂嵐がサメを巻き上げた"サンドネード"(『Today』のアル・ローカーには“シャーク・サンド・ネード”だと訂正されていたが。)、そこに岩が加わった"ボルダーネード"、さらに石油を巻き込んだ"オイルネード"、そこに火がついた"ファイアネード"、発電所を破壊して帯電すれば"ライトニングネード"となり、ひょうが混じれば"ヘイルネード"となり、イエローストーンのマグマを含めば"ラヴァネード"となり、最終的には原発を破壊した末に"ニュークリアネード"となる。

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 これは中々興味深い趣向であると同時に"え、サメ死ぬやろ!"という突っ込みも可能なバカバカしい仕掛けなのだが、そんな各種竜巻の中でも、1996年公開、"ディザスター・ムービー"の金字塔である竜巻映画『ツイスター』へのオマージュが垣間見えるのは、牧場の乳牛たちを巻き上げて誕生した"カウネード"である。『ツイスター』はCG技術を駆使し、当時としては圧倒的なビジュアルで"トルネード"というものを映像化してみせたのだが、その最もキーとなる印象的な画は、乳牛が空中を乱舞するというシーンであった。おまけに、同作の名やり取りとして名高い「Cow…Another Cow.」「I think that was the same one….」を本作でサメ竜巻を追うリポーターとカメラマンが全く同じように繰り広げたりする。

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 まだまだ筆者が見落としているオマージュはたくさんあると思うが、以上のように、本作は様々な"ジャンル・ムービー"への愛に溢れた正統派B級映画なのである。ただ、前作と同じく、本作においてもそれらオマージュが全て"一発芸"になっている感は否めない。オマージュを含んだあらゆるギミックは、どれも観客への"目配せ"の域を出ておらず、本作のドラマ部分と連結することはない。前作のダメだったところを何も改善せず、それどころかもっと過剰にふざけ始めているのだから、いくらファンと言ってもそろそろシリーズに見切りをつけるべきなのではないだろうか。とは言うものの、やっぱり楽しいんだよなぁ。露骨だろうが、脈絡が無かろうが、やっぱり大好きな映画のオマージュが登場すると、そんな手には乗らんぞ…そんな手には乗らんぞ……むむむ…くそぉ……イエーイ!ってなってしまう。

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 しかも、である。本作は、めったやたらにオマージュを詰め込み、"ジャンル映画"ファンに媚を売ってばかりの作品ではないのである。本作がファンたちの心をがっちりと掴み、第5作の製作を実現させ得たのは、当然、本シリーズ独自の盛り上がりポイントをきっちり押さえているからに他ならない。筆者が完膚なきまでに熱狂したのは、特にクライマックスにおける以下2つのシーンである。

 まずは、ナイアガラでの死闘の末、フィンがまたしてもサメに丸飲みにされてしまうという展開。娘であるクラウディア(ライアン・ニューマン)が食べられ、息子であるマット(コディ・リンリー)が食べられ、父であるギルバートも食べられた絶望の中、遂に主人公であるフィンまで食べられてしまうのだが、そのフィンを食べたサメをより大きいサメが丸飲みにし、そのサメをさらに大きいサメが丸飲みにし、そのサメをさらに大きいサメが丸飲みにし、最後にはなぜかシロナガスクジラがひと飲みにしてしまう。ここの畳み掛けるテンポ感は本当に最高。あ…!え…!おい…!ちょ…!シロナガス!という畳み掛けに、多くの『シャークネード』ファンが大爆笑したことだろう。

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 そして、大抵の『シャークネード』ファンは、その後の"胸熱展開"を予想できていたことと思う。これは全くもって愚かだったのだが、ボーッと観ていた筆者は全然気づけなかった。つまり、これまでだって、フィンはクライマックスでことごとくサメに丸飲みにされてきた。先述したのはこの点についてである。しかしながら、本シリーズには、もう一点踏襲すべきお約束が残っていたのである。それは"フィンの引きの強さ"だ。一作目ではノヴァ(キャシー・スケルボ)を飲み込んだサメにたまたま飲まれたフィンは、続く二作目では妻の手を食いちぎったサメに偶然飲まれた(三作目では妻を丸ごとを飲み込んだサメに同じく飲まれるが、これはたまたまではない。まぁ、描き方が下手なだけで、もしかしたら1も2もフィンは特定の個体を狙って飲み込まれていたのかもしれないが。)。本作はこのお約束をいまだかつてない"大盛"でお届けする。つまり、先述の"サメリョーシカ"を構成するサメたちは、各々が全てそれまでにフィンの家族を丸飲みにした個体たちだったのである…!

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 この素晴らしき"サメフィーユ"を一層一層剥がして家族を救出していくのが、次世代のシェパード家を担うギル少年である、というのもニクい。岩に突き刺さった5才児用のチェーンソー(そんなものがこの世に存在するのだろうか?)をまるでエクスカリバーを前にしたアーサー王がごとく引き抜き、次々とサメ(とクジラ)の腹をかっさばいていくギル少年。ボケッと鑑賞していた虚け者の筆者は、二層目のサメからクラウディアが出てきた瞬間やっと事の真相に思い至り、大きく手を打ちながら小躍りした。

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 実はこの後、本シリーズファンが小躍りすべきシーンがもうひとつある。今回も見事サメ竜巻の脅威に打ち勝ち、大団円を迎えるシェパード家。ふと空を見上げると、なにやらタワーらしき物体が飛んでくる。え……タワー?……どかーん!頭から突き刺さったそれは、明らかにエッフェル塔。でも、ここはアメリカとカナダの国境だぞ?そんなことできるはずがない……"シャークネード"以外には…!というめちくちゃ燃える次作への前フリである。それだけでも十分なのに、なんとそのエッフェル塔の上には、なにやら人影が。それがどうやら女性であると理解した刹那、『シャークネード』ファンである我々は、本作冒頭から漠然と抱き続けていた違和感の正体に気付く。そうえいば、第一作から一貫して登場し続けていた戦う女性ノヴァの消息が、本作では不明だった…!思い至ったファンたちが我先に「あっ!」と叫ぼうとした瞬間、フィンが「ノヴァ?!」と呟いて本作は終幕。まったくズルいよ、そんなことされたら、盛り上がらずにはいられないではないか。

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点数:76/100点
 シリーズも4作目となり、これまで以上の露骨さでふざけ始めた本作。しかし、決してファンを置き去りにはせず、キャラクターやシリーズの一貫性をしっかり保った良作であると筆者は思う。人気シリーズにハマってしまったファンというのは、往々にして竜巻に巻き込まれた被害者がごとく、「もう!その手には乗らねーど!」なんて強がりを言いながらも、結局は舞い上がってしまうものなのであろう。

(鑑賞日[初]:2017.9.24)

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Posted byMr.Alan Smithee

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