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03
2012

[No.49] パブリック・エネミーズ(Public Enemies) <76点>

CATEGORY銀行強盗
Public Enemies



キャッチコピー:『奪うのは、汚れた金。愛したのは、たった一人の女。』

 草食系男子必見!
 伝説の”肉食系銀行強盗”ジョン・デリンジャーの生き様!

三文あらすじ:1933年、大恐慌時代のアメリカ。プロの銀行強盗ジョン・デリンジャー(ジョニー・デップ)は、大胆な手口で次々と銀行を襲い、FBIから”社会の敵(Public Enemies)No.1”の烙印を押される反面、弱者からは奪わないという信条と紳士的な振る舞いが受け、大衆のヒーローになっていた。ある日、神秘的な美女ビリー・フレシェット(マリオン・コティヤール)と運命的な恋に落ちたデリンジャーは、彼女を連れて遠い異国へ高飛びしようとするが、そんな2人に腕利き捜査官メルヴィン・パーヴィス(クリスチャン・ベール)の捜査の手が伸びる・・・


~*~*~*~

 
 格好いいポスター。格好いい予告編。キャッチコピーに至っては超格好いい。考えた日本の配給会社に賞賛の拍手を送りたい。

 本作は、ブライアン・バーロウの同名ノンフィクション小説を原作とした、伝説の銀行強盗ジョン・デリンジャーの伝記映画。監督はマイケル・マン。銀行強盗たちの熱い男のドラマを描いた傑作『ヒート』の監督だ。したがって、本作と『ヒート』には共通点が多い。

 まず、ジョン・デリンジャーの人物像。

 彼は、筆者の好きな”プロ意識の高い銀行強盗”である。必死なヤマは踏まない、襲うのは銀行のみ、客の金には手を付けないという自らに課したルールをしっかり遵守し、類い希な行動力と抜群の機転で警察を出し抜く。
 『ヒート』におけるニール・マッコリーもまた、頭脳・行動力・プロ意識を兼ね備えたプロフェッショナルであった。
 このような男達が犯す限り、銀行強盗は最も美しくヒロイックな犯罪と言えるだろう。

 また、デリンジャーの女性に対するアプローチもマッコリーに通ずるところがある。
 ビリーを見たデリンジャーは、彼女に一目惚れ。その場で2人きりの食事に誘い、高級店に連れて行く。店を出るとき、彼は顔見知りと話すため、ビリーに外で待つように言うのだが、外に出てみるとビリーは一人で帰ってしまっている。まぁ、いくらジョニー・デップと言えども、初対面で自分が話題の銀行強盗だとバラせば、女性に帰られて当然だろう。仕方ないよジョン、また次を探そう。などと考えたあなたは、すでに草食系男子である。超肉食系男子デリンジャーは、後日ビリーの職場を訪れ、彼女の同僚が見守る中、”俺の女になるなら、あんなことは二度とするな。”と言い放つのだ。しかも”こんな仕事は辞めろ。”と強要する。「それは”俺様”が過ぎるでぇ。」と考えたあなたは、女心が分かっていない。女性は常に”イケメンにさらわれたい願望”を持っているものらしく、それがジョニー・デップなら文句なしだろう。ご多分に漏れず、ビリーもデリンジャーについて行ってしまう。銀行の金庫から女のハートまで華麗にこじ開ける。プロの銀行強盗とは、こうあるべきだ。
 一方マッコリーは、デリンジャーより年配で落ち着いたナイスミドルだから、そんなに強引ではないが、それでも女に対して、すぐ仕事をやめて俺と高飛びしろ!と要求するあたり、老いてなお肉食獣である。

 全体のプロットも両作で多少似通っている。

 百戦錬磨のデリンジャーは、凄腕捜査官パーヴィスによって徐々に追い詰められていく。これは、マッコリーを追うハナの構図。『ヒート』と違うのは、この2人の間に尊敬や友情といった関係がないという点だ。また、完璧なデリンジャーの計画が、いつもと違うメンバーと組んだことで破綻するという展開も『ヒート』でのウェイングロー加入を想起させる。
 その他にも、偶然出会った女と情熱的な恋に落ち、最後の大仕事の後2人で高飛びしようとする、という展開も両作共通だし、主人公が捜査官の銃弾に倒れるというラストも同じ。

 それと、『ヒート』における一番の目玉は約12分間にも及ぶ銃撃戦だったが、本作でも相当長尺の銃撃戦が展開される。
 森の中の隠れ家に立て籠もったデリンジャーを包囲するパーヴィスらという構図は、市街地でマッコリーらを包囲するハナらと被る。そして『ヒート』での銃撃戦が迫力満点だったのと同様、本作の銃撃戦の火薬量も相当なものがあり、大きな見せ場となっている。

 このように、同じ監督が同じようなテーマを描いた両作は、随所に共通点があるのだが、アクションのハラハラ感やドラマのワクワク感は、やはり圧倒的に『ヒート』の方が勝っている。

 これは、ひとえに本作が”史実の映画化”だからだろう。
 確かに、事実は小説より奇なりとはよく言うし、実際「世界仰天ニュース」に出てくる人は、そんじょそこらの映画主人公よりスゴイ体験をしている。しかし、奇なるだけでは傑作は生まれない。やはり真のヒーローは、物語の中にだけ存在するのだ。

 本作において、観客が最も肩すかしを食らうのは、ビリーが警察に拘束された後の展開だろうと思う。

 デリンジャーの眼前で警察に連れ去られるビリー。しかも、その原因はデリンジャーがお使いを頼んだことにある。怒り、深く悲しむデリンジャー。一方のビリーは、シカゴ警察から拷問に近いハードな取調べを受ける。結局ビリーは、(おそらく)犯人隠匿的な罪で2年の刑を受けることに。彼女からデリンジャーへの手紙がまた泣かせる。”どうか私を助け出そうとしないで。2年はすぐよ。”
 嗚呼、なんと丁寧なフリだろうか。”押すな”というのは”押せ”ということ。さぁ、ここから伝説の”パブリックエネミー”ジョン・デリンジャーのヒロイズムが爆発するぞ!と観客のワクワクは最高潮だ。
 ところが!デリンジャーは、ビリーを助けに行かず、チャラチャラと映画を観に行って捜査官に取り囲まれ、銃撃を受けて絶命するのである。
 えーーー!!デリンジャー、分かってる?めっちゃしっかりしたフリあったやん。”バイバイ、ブラックバード。”やあらへんがな!

 仮に彼が関西に高飛びしてきたとしたら、きっと暮らしていけなかっただろうな。

点数:76/100点
 このように、本作は映画的な盛り上がりに欠ける非常にあっさりした作品だ。ジャック・スパロウの好演からアウトローな“ヒーロー”のイメージが強いジョニー・デップではあるが、爽快なヒーローものを期待してはいけない。”事実は小説よりヒロイックならず”である。もっとも、デリンジャーが銀行を襲うシーンの格好良さは素晴らしい。ギターを基調とした軽快な音楽に乗せテキパキ仕事をこなしていく様は『オーシャンズ11』のようなスタイリッシュさに溢れている。筆者のような銀行強盗好きにとっては、このシーンだけでも本作を観る価値がある。

(鑑賞日[初]:2012.3.2)










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