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・英語版:unknown
・日本語版:unknown

 アンドロイドは"電気"の夢を見るか。

三文あらすじ:時は2022年、レプリカント“ネクサス6型”は、4年の寿命を終え絶滅した。その後、タイレル社は、より寿命の長い“ネクサス8型”の製造を開始するが、各地で勃発する人間至上主義運動により罪のないレプリカントが次々と殺害される。そんな中、“ネクサス8型”のレプリカントであるイギー(声:松田健一郎)とトリクシー(声:青葉市子)は、その後10年に渡ってレプリカントが製造禁止となる切っ掛け、“ブラックアウト事件”を引き起こすのだが・・・

<本編(15分43秒)>



~*~*~*~


 これまで、『2036:NEXUS DAWN』『2048:NOWHERE TO RUN』と2作のショートフィルムで綴られてきた『ブレードランナー 2049』に至る空白の30年間。前日譚となるショートフィルムは全3編と公表されていたから、筆者も世界中のファン同様、今か今かと3作目の公開を心待ちにしていたのだが、まさか日本人の手によるアニメーションの形でリリースされるとは思わなかった。1作目、2作目と続けて、オリジナルの生みの親であり、『2049』の製作総指揮でもあるリドリー・スコットの御曹司ルークくんが監督していたのだから、当然3作目もご子息の手によるのだろうという筆者の予想は、全く浅はかだったわけだ。まぁ、3作目を日本人が担当するということを知っていた人は、ずいぶん前から大勢いたのだろう。なんせ、本作のスタッフは、日本アニメーション界のスーパースターが集結した“アニメンジャーズ”らしいから。

 例えば、監督である渡辺信一郎氏。彼の業績の中で特筆すべきは、やはり『カウボーイ・ビバップ』であろう。これは筆者も大好き。『グレンラガン』、『攻殻機動隊S.A.C.』に並ぶ“魂のバイブル”である。渡辺氏は、『ビバップ』のTVシリーズ及び劇場版『天国の扉』の両方で監督を担当。また、筆者がまだ大学生の暇人だった頃になんとなく観て、「あぁ、まぁまぁおもしろかったなぁ。」と感じた『サムライ・チャンプルー』の監督も、他ならぬ渡辺氏。あと、映画という意味で言えば、『アニマトリックス』の中でいくつかのエピソード(『Kid's Story』と『A Detective Story』)を監督しているようである。

 キャラクターデザイン及び作画監督の村瀬修功氏も、アニメ界では重鎮ということらしい。なんでも『新機動戦記ガンダムW』のキャラクターデザインを担当していたそうで。あと『ガンダムUC』の絵コンテもやってるっぽい。ユニコーンおもしろかったからなぁ。むりやり話を逸らすが、“ユニコーン”と言えば、『ブレードランナー』を象徴する重要なアイテムである。ディレクターズ・カット版だったかで追加されたデッカードの夢のシーン。ここで登場するのが、伝説の神獣“ユニコーン”だ。リドリーがきちんと説明せぬまま(まぁ、後に「デッカードはレプリ!」って言ったんだったとは思うが。)、ファンがやんややんやと解釈した結果、“ユニコーン”は、つまり“人工物”の比喩であり、したがって、その夢を見るデッカードもまた実はレプリカントなのである、というのが、現在の定説と言っていいだろう。まだ本作には“ユニコーン”が登場しないが、『2049』には何らかの形で出てきてほしいと筆者は思う。逆に、本作でバンバン出てくる“強力わかもと”の広告(ゲイシャさんっぽい女性のやつ)は、ひょっとしたら2019年から時間の経ち過ぎた2049年では無くなっているかもしれないな。

 他にも、なにやら『AKIRA』に携わっていたスタッフだとか、『イノセンス』に携わっていたスタッフだとかが大挙して参加しており、やはり本作は日本アニメーション界が総力を結集した珠玉のショートフィルムということで間違いないみたいなのだが、これ以上はよく分からないので割愛する。筆者がワクワクしているのは、やっぱり"ブラックアウト事件"とネアンデル・ウォレスとのリンクである。本編『2049』のヴィランであり、一発目のショートフィルム『2036:NEXUS DAWN』でそのエピソード0が描かれた新たなる創造主ウォレスさんは、眼球が白濁した盲目のキャラクターだった。エピソード0とは言え、『2036:NEXUS DAWN』では彼の生い立ちまでは描かれなかったのだが、彼は果たしていつ失明したのか。これが本作の"ブラックアウト事件"時なら胸熱だよな。つまり、イギーとトリクシーは、人類から電気を奪うことで、つまりより本質的に言えば“光”を奪うことで彼ら創造主を自らと同じ地位まで落としめようとしたわけだが、その際、文字通り“光”を奪われた青年が、後にレプリカント軍団を従えて人類を“神”の座から引きずり降ろそうとする…。まぁ、それはおそらく筆者の的外れな妄想だが、とにもかくにも、あと一か月後に迫った本編の日本公開がすごく楽しみだ。

点数:72/100点
 さすがそうそうたるクリエーターが結集しただけあって、非常にハイ・クオリティなショートフィルム。先述した“強力わかもと”を筆頭に、魂を象徴する“白いハト”だったり、レプリカントたることを象徴する“赤く光る瞳”だったりといったギミックも多く登場し、段々『ブレードランナー』感が強くなっているのも、ファンとしてはうれしいところ。さぁ、こうなったら、後はじっと目を閉じ、公開までの期間をソワソワと待つばかりである。

(鑑賞日[初]:2017.9.28)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

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