0 Comments
piranha_3dd.jpg



キャッチコピー
・英語版:Double the action. Double the terror. Double the D's.
・日本語版:あの惨劇から1年。より凶暴になって奴らが夏に戻ってきた―。

 よし、"パーティー"はお開きだ。

三文あらすじ:ヴィクトリア湖の惨劇から1年後。アリゾナ州、クロス湖近くの巨大ウォーター・パーク"ビッグ・ウェット"は、オープンの日を間近に控えていた。待ちに待った開園当日、地底湖を通じて再び現れた太古の殺人ピラニアによって、来場者で溢れ返ったプールは瞬く間の内に血に染められていく・・・


~*~*~*~


 前作『ピラニア3D』における"ヴィクトリア湖の大虐殺"で"パリピー"たちは死んだ。春に聞こえるのは小鳥のさえずりだけ。夏を騒がすのはセミの鳴き声のみ。ハロウィンは本当に"死者のための祭日"となり、世界から"パーティー"は消え失せたのだった…。

piranha3dd1.jpg


 …そんなわけないよな? 『26世紀青年』というSFコメディをご覧になった方ならご存知の通り、"パリピー"は決して死なない。ゴキブリがごとき生命力とネズミがごとき繁殖力で以て、彼らは飽くなきバカ騒ぎを継続する。ましてや、前作がリメイクした1978年の『ピラニア』には、巨匠ジェームズ・キャメロンの初期失敗作『フライング・キラー』という続編があるのだから、当然そのリメイクも作られて然るべき。Party must go on!なのである。

piranha3dd2.jpg


 前作の監督アレクサンドル・アジャからバトンを引き継いだのは、ベン・アフレック&マット・デイモン主催の脚本コンクールで優勝した作品を2005年に映画化した監督ジョン・ギャラガー『ザ・フィースト』というその作品のタイトルからも明らかなように、こと"宴"を描くという点においては、まさに最適な人材だと思える。事実、『ザ・フィースト』は、多くのホラー映画ファン、モンスター・パニック・ファンから絶賛されたわけだし。

piranha3dd3.jpg


 しかし、忘れてはいけないのは、『ザ・フィースト』には、引き続きジョン・ギャラガーが監督した続編が2つあるということ。そして、その2つ、『フィースト2』『フィースト3』は、いくらなんでもおふざけが過ぎる"糞バカ映画"だったということである。もちろん"おふざけ"に対する評価は千差万別だ。比較的論理が介在しづらい"笑い"という感情に客観的なダメ出しをすることは、非常に難しいだろう。実際、ジョン・ギャラガーのおふざけがたくさん盛り込まれた本作は、東南アジア(フィリピンだったかな。)じゃ爆発的にヒットしたらしい。しかしながら、残念なことに筆者にはその感覚が理解できなかった。あくまで個人的な意見を言わせてもらえば、本作は、あんなに楽しかったパーティーの余韻を台無しにする"ダメな二次会"である。

piranha3dd4.jpg


 まずは、やっぱり展開とかギャグとかが"サムい"。冒頭で老人二人が飼い牛を捜索するパートなんかは、前作で言うところの"ドレイファス・パート"なのであり、記念すべき犠牲者第一号を描く最重要パートでもあるのに、ここで執拗なまでに牛のオナラをギャグとして盛り込むのは、いかにも幼稚(ちなみに、老人のひとり"モー"を演じるのは、監督の実の父親であるクルー・ギャラガーだ。ホラー映画ファンには、『バタリアン』におけるユニーダ医療会社社長バートとしてお馴染みであろう。)。別に筆者はモンスター・パニックに高尚さや格調の高さを求めてはいないのだけれど、ジョン・ギャラガーという男は、このオナラ系のギャグを『フィースト2』でもうんざりするほど繰り広げていたのである。それを知っていて、かつ、『フィースト2』で"この監督はただのクソガキだな…。"と呆れ返った身としては、本作冒頭も"あぁ…大人のパーティーで子供がいちびってらぁ…。"と冷めた目線を送ってしまう。

piranha3dd5.jpg


 あと、最終的には見事"ヒーロー"へと成長し、主人公マディ(ダニエル・パナベイカー)と結ばれるボンクラ童貞高校生バリー(マット・ブッシュ)、彼の恋敵であるパリピー保安官カイル(クリス・ジルカ)の死に様が酷い。クライマックスの大爆発で吹っ飛んできたゴミ掃除用の"槍"が顔面に突き刺さって彼は絶命するのだが、ん~…なんかちょっと違う。その槍はバリーの愛用品だったのだから、もちろん直接的な責任なんて無いけれど、やっぱりどこかしら座りが悪い。つまり、モンスター・パニックにおける"罪人"への"鉄槌"は、やはりすべからくモンスターが下すべきだと筆者は思うのである。本作最大の"悪"がモンスターに殺されないなんて、そんなのモンスター・パニックじゃない。そういう意味では、悪徳プール経営者チェット(デヴィッド・ケックナー)がワイヤーで首を切断されるという死に方も全くなっちゃいない。前作におけるポルノ女優アシュリン・ブルックの死に様を真似たのかもしれないが、両者はキャラクターとしての役割が全く違うのだから、"天丼"としては完全に的を外している。

piranha3dd6.jpg


 どう考えたって、カイルは、爆風で飛んできたピラニアに食い殺されるべきだった。そうすれば、"軍が極秘裏に開発した飛行ピラニア"なんていう突飛な設定を採用せずとも『フライング・キラー』をなぞることができたのに。確かに、飛んできたピラニアが都合よく人を喰うなんておかしいよ。でも、そんなことを気にする時代じゃないでしょう。サメが竜巻に乗って襲ってくるご時世だぞ?しかも、じゃああくまで"魚"というリアルさの一線はある程度守りたいのかしら、と思ったら、一方では"ピラニアが進化して歩き始めた!"なんていう展開をオチに持ってきたりする。はぁ?それはちゃんと"フライング・キラー"をやった後やろ!

piranha3dd7.jpg


 それから、グロ描写ね。これはもう本当にダメ。前作のように豊富なアイデアもなければ、個々の残虐性もてんでダメダメ。せめてあんなにも丁寧に"チェスト・バスター"を前ふったのなら、『タッカー&デイル』を観て以来筆者の大好きな女優カトリーナ・ボウデン演じるところのシェルビー嬢は、処女喪失の記念すべき初セックス中にこれでもかと腸(はらわた)をぶちまけるべきだったのではないか?そうではなく、彼女のお相手であるジョシュ(ジャン・リュック・ビロドー)のチ○コにベイビー・ピラニアを食いつかせたのは、おそらく前作での"チ○コ噛みきり"の天丼なのだろうが、このスカしはガッカリ以外の何ものでもない。シェルビーと同じく初体験だったジョシュが絶頂に達し中で発射すると、まさにそのタイミングでシェルビーのお腹が盛大に弾け飛ぶ、とした方が、絶対におもしろかったと思うのだが。

piranha3dd8.jpg


 まぁ、そんなとこですかね。もちろん、そういったいわば"ギャラガー節"こそを至高に感じているファンもたくさんいるのだろうが、筆者にはちょっとついていけない。モンスター・パニックっていうのは、広く言えばホラー映画だ。そして、ホラー映画の肝は、当然のことながら"恐ろしさ"にある。B級ホラーってのは、バカバカしくて思わず笑っちゃうものだが、その笑いの本質は、"あまりにも恐すぎて"というものであるべきだ。違う言い方をすれば"やり過ぎ感"。張りつめた恐怖演出にしても、目を覆うグロ表現にしても、作り手は心から恐ろしいと感じながら描いているのに、そのやり方があまりにも率直、あるいは、行き過ぎているため、"映画"として観ている観客からすれば思わず笑ってしまう。それが"良いB級ホラー映画"ってもんだろう?ジョン・ギャラガーがやっているのは、ハナからちょっとニヤついた"ガキの遊び"だ。ガキが入ってきた以上、理性ある大人たちは、このパーティーをお開きにすべきであろう。

点数:59/100点
 書いている内にだんだん怒りがこみ上げてきて、ずいぶん極端な悪口を書いてしまった。冷静に考えてみれば、ジョン・ギャラガーのおふざけも『フィースト2』『3』ほど酷くはない(そもそもこの2作はTV映画だったしな。)。とは言うものの、今後は出来ればジョン・ギャラガーが幹事を務めるパーティーには参加したくないなぁというのが、今の筆者の心境である。

(鑑賞日[初]:2017.10.3)

ピラニア リターンズ [Blu-ray]

新品価格
¥4,615から
(2017/10/5 19:18時点)


ノーブランド品 餓鬼(ガキ)ですがなにか? ステッカー (2枚1セット) 約95mm×約110mm イエロー

新品価格
¥800から
(2017/10/5 19:21時点)


関連記事
スポンサーサイト
Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply