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キャッチコピー
・英語版:Make America Bait Again!
・日本語版:世界を喰らう5度目の竜巻がついに東京襲来!!

 好きこそもののジョーズなれ。

三文あらすじ:恐怖のサメ竜巻"シャークネード"の脅威から何度もアメリカを救った伝説の男フィン・シェパード(アイアン・ジーリング)は、その功績が認められNATOによる"シャークネード戦略会議"に召集される。会議が開かれるロンドンを妻エイプリル(タラ・リード)と息子ギル(ビリー・バラット)と共に訪れたフィンだったが、かつての戦友ノヴァ(カサンドラ・スケルボ)から連絡を受け、急遽イギリスのストーン・ヘンジへ。そこで古代人がシャークネードとの戦いに勝利した際使用したという伝説のアイテム"デュークワカのハーネス"を手に入れた彼らは、またしても発生した過去最強のシャークネードと世界を股に掛けた死闘を繰り広げる・・・


~*~*~*~


 サメとトルネードを組み合わせるという全くバカバカしい発想で今やロング・セラーな人気シリーズとなった『シャークネード』。これまで同様、ユニバーサル傘下のケービル・テレビ局Syfyで昨年2017年の8月に放映されたのが、シリーズ最新作『シャークネード5 ワールド・タイフーン』である。前作『シャークネード4(フォース)』のラストでは、ナイアガラでの死闘を経て見事"サメリョーシカ"から生還したシェパード家の目の前にエッフェル塔が墜落。目を凝らすとその上にシリーズ初期メンバーであるノヴァが乗っているという極めて引きの強い幕切れであった。しかし、本作は、そこから少し時間を飛ばして始まる。エッフェル塔の件も台詞で実にさらっと触れられる程度。ここは、本作でまず個人的にガッカリなポイントだった。

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 その後、全体的なお話、演出、ガジェットを見ても、さすがにちょっともう破綻が過ぎるように思える。一番萎えるのは、やっぱり魔法の石を使ってフィン自身がシャークネードを生み出せるという新展開。もちろん、モンスター・パニックの醍醐味が"非日常による日常の侵食"にあるとすれば、このような設定の後盛り&後盛りは、ある程度仕方のないことではある。ゴジラ作品なんかを見ると顕著だが、既に"ゴジラ"という巨大生物が我々社会の"日常"になってしまった時点で、その怪物単体にドキドキすることはできない。後はもう、他の怪獣だったり、最新兵器だったりを次々と投入することで盛り上げていくしかない。そうやって"モンスター・パニック"は"怪獣映画"になっていく。

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 したがって、"善のシャークネード"が生まれ得ることになった本作の展開には、モンスター・パニック好きとして一抹の不満があるものの、いやいや、このシリーズは5作目を数えて遂に怪獣映画になったんだよ、と気持ちを切り替えて楽しむ余地は十分にある(実際、サメが意思を持った塊"シャークジラ"となり東京を襲うシーンは、かなり怪獣映画っぽい。)。…のだが、本作に限っては、フィンとエイプリルが繰り出すシャークネードが、全て彼らがワープするための通り道としての役割しか果たしていない。そのため、本作単体では、ただ単にシャークネードというガジェットのアイデンティティーがぶれてもうどうでも良くなったという印象を受ける。もちろん、やってくれると信じてるけど。次作では、全ての元凶たる"サメ神様の最強シャークネード" vs "我らがフィンのヒーロー・シャークネード"が大怪獣さながらの決戦を繰り広げてくれるものと、筆者は信じている。

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 本シリーズ恒例のオマージュたちも、本作ではやや大味なものが多かったように思う。オープニングは、フォントから展開から演出から、全てがモロに『インディ・ジョーンズ』。洞窟内をロープで急降下するフィンが、地面すれすれで停止して「Mission Accomplished!」と言い放つシーンは、『ミッション・インポッシブル』ファンとしてニヤッとしないではないが、直後「どうだ、トム・クルーズ。」と言ってしまうのはいかにも説明過多。イギリス首相官邸での『007』オマージュも"ごっこ"でしかないし、ノヴァ率いる"姉妹"たちのオーストラリア基地では、"スカイネット"というワードがモロに登場するというテライ無き『ターミネーター』オマージュ。また、死んでしまったと思われていたフィンの息子ギルが大人になって現れ、「僕らが行く先に免許なんか必要ないよ。」と言い放つエンディングは、そのまんま『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だ。まぁ、これまでの作品におけるオマージュだって、基本的には誰もが知っている有名作をあからさまにいじってみせていたわけだが、せめて冒頭の洞窟内にあった壁画がちょっと『プロメテウス』っぽい…くらいやって欲しかった気もする。

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 良かったところは…まぁいつも通り期待通りのバカバカしさと、キャッチコピーにもなっている通り、一時的に東京が舞台になるという点だろうか。昨今ではずいぶん改善されてきたとはいえ、ことこんなバカ映画では、スシ、ゲイシャ、フジヤマ、ニンジャ、サムライ的な"象徴としての古典的日本像"が描かれがちだ。しかし、本作が提示する日本像は、なんとポケモン。明らかにポケモンGO的なスマホゲームをしているギャルが出てきたり、なぜかモンスターボール型の手榴弾を装備したギャルなどが登場する。確かにこれだって荒唐無稽でぶっ飛んだ描写だが、それでもちゃんと最新版の日本像にアップデートされているだけ、まだ作り手の日本愛を感じる余地もあろう。

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点数:50/100点
 前作で極に高まった悪ふざけがいよいよ閾値を越えて暴走し始めた感のある珍作。先述の通り、本作は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』よろしく自在にタイムスリップできるようになって終幕するから、きっと次作では、本作で蚊トンボのように死んでいった主要メンバーたちを過去に戻って救出するのであろう。で、まぁたぶん古代にまで遡り、全ての元凶たるサメ神様と対決するんだろうな。仮にそうだとすれば、ひょっとしたら『アーミー・オブ・ダークネス』のオマージュなんかが登場するかもしれない。どこまでくだらなくなろうとも、乗りかかった舟。バカ映画、サメ映画を心底好きであろう本シリーズの製作陣なら、次の最終章(なのか?)はきっとお上手にまとめてくれるはずだ。そんな微かな期待を胸に、シャークネード・サーガの華々しい大団円を待ちたいと思う。

(鑑賞日[初]:2018.1.5)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

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