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キャッチコピー
・英語版:All Guns. No Control.
・日本語版:交渉決裂!乱闘勃発!

 フリーなノリで撃ちまくれ!

三文あらすじ:簡単な銃取引のため、とある倉庫に集まった二組のギャング。ところが、ある揉め事から交渉がこじれ、突如として壮絶な銃撃戦に。全員瀕死の発狂状態の中、最後まで生き残るヤツは一体誰だ・・・


~*~*~*~


 昨年2017年の春先に公開されたガン・アクション作品『フリー・ファイヤー』。日本でも世界とほぼ同時期から公開が始まり、筆者も観に行くか迷っていたのだが、なんだかんだとスルーしてしまった。当時は、あのマーティン・スコセッシが製作総指揮を務めた!とか、あのアカデミー女優ブリー・ラーソンが主演を務めた!とかで結構話題になっていた作品。なんか、本作とコラボした警察の銃器撲滅啓蒙ポスターが尼崎駅にずっと貼っていて、MOVIXあまがさきに足を運ぶ度、…逆効果なんじゃないのか…?と個人的に気になっていた作品でもある。Amazonビデオを駆使し、昨年の積み残し映画をせっせと消化している現状、遅ればせながら鑑賞してみたので感想を書く。

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 個人的には「おもしろかった!」と言いたい。ところが、世間の評価は低い。本日付けのRotten Tomatoesだと、批評家が68%、一般観客が53%。お世辞にも好評とは言えない数字だ。確かに、それも分かる。いざ銃撃戦が始まると、早々にほとんど全てのメンバーが体のどこかに最低1~2発は銃弾を食らうので、その後は意外とノロノロしたアクションが続く。二つの集団の間で真剣な殺し合いが繰り広げられるという大枠の割には、各自ジョークを飛ばし合ったりするので、実は意外とほのぼのムードが漂う。また、肝心要の銃撃に関しても、登場するのはハンドガンとAR70なるマシンガンのみ。もちろん、ガン・マニアは各種ハンドガンを興味深く見るのかもしれないが、我々素人からすれば意外と地味な銃撃戦。マシンガンだって途中からは意外と使われないし。

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 つまり、あのスコセッシがガンに特化した本気のアクションをやるらしいぞ!と期待して観ると、肩透かしを食らうというわけだ。何を期待して見るのかは大事だよな。特にシビアなガン・アクションを予想していなかった筆者は、とっても楽しかった。早々にみんなが銃弾を食らう展開にしたって、あぁ!確かに、実際撃ち合ったらこうなりそう!と思えた。そもそも、大抵のアクション映画における銃撃戦は、言ってみれば銃撃戦のための銃撃戦である。敵はめくらだが、主人公は凄腕スナイパー。敵は肩に一発食らっただけで死亡するが、主人公はかすり傷で済むか、そもそも当たらない。それが悪いなんて1ミリも思わないが、本作が見せてくれる"リアルで泥臭い銃撃戦"も大変魅力的だと筆者は思ったのである。

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 序盤がそんなことだから後半がノロノロしているという件についても、筆者は割と楽しめた。序盤で"銃撃戦のリアル"を描いたことの必然なのだし、何より、登場人物が織り成す"プロフェッショナル"なやり取りや関係性をとても気に入ったからである。彼らのやり取りを"プロフェッショナル"と感じるか"生ぬるい"と感じるかは、本作の評価における重要な分水嶺だと思う。自らの命が危機に瀕しているのにヘラヘラとジョークを飛ばし合う彼らの姿は、"生ぬるい"というよりはむしろ"素人"に感じる人もいるだろう。しかし、筆者としては、命のやり取りが既に"日常"と化している無法者たちっていうのは、案外こんな感じなんじゃないかと納得した。ルパン三世とか、スパイク・スピーゲルとか、彼らもそんな感じじゃないか。まぁ、もちろん彼らは"リアル"ではないけれど、間違いなく"プロフェッショナル"で、そして何より最高に魅力的だ。

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 その他、大仰に誉めちぎるようなポイントは確かに無いものの、ギャングたちはきちんとみなキャラ立ちしているし、2015年の『ルーム』でアカデミー主演女優賞まで取ったブリー・ラーソンも実に生き生きと演技している。特に、結局どちらの勢力も裏切り、勝ち誇って金を持ち逃げしようとするも、哀れ警察に包囲される、その瞬間の(そして、同時に本作ラスト・カットの)表情が最高。なんとも絶妙にバカバカしい。

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点数:74/100点
 "硬派"や"シビア"ではなく、あくまで"軽快"なノリのガン・アクションを期待すれば、本作は非常に楽しい作品だ(ある意味、"『レザボア・ドッグス』の牙抜き"と表現してもいいか。)。ちなみに、たぶん作中では明言されていなかったと思うのだが、本作の時代設定は1970年代ということらしい。なぜそうしたかと言うと、理由はただひとつ。そう、携帯電話が無いから、である。後半から、どちらの陣営が早く二階の据え置き電話に到達し仲間に連絡できるか、が争点になる本作において、携帯電話なんてもんは文明の愚器でしかない。本作が全体としてどこか余裕に満ちたフリーな雰囲気となっている要因のひとつは、我々現代人を縛り付ける携帯電話の不在なのである。

<おまけ>
 警察が本作とコラボした拳銃110番報奨制度の啓蒙ポスターがこれ。改めて見ても、これで銃を無くせるとは思えない迷タイアップである。

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(鑑賞日[初]:2018.1.12)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

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