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06
2012

[No.52] キューティ・ブロンド(Legally Blonde) <65点>

CATEGORYドラマ
Legally Blonde



キャッチコピー:『女は知性とハートで勝負する!』

 男子よ、これが”サクセス・ストーリー”だ。

三文あらすじ:両親は大金持ち、カリフォルニアの高級住宅街に住み、ブランド・ファッションで身を固め、ガールズ・トークに精を出す典型的な”バレー・ガール”、エル・ウッズ(リース・ウィザースプーン)は、専攻するファッションビジネスの成績はオールA、社交クラブ”デルタ・ヌウ”ではクイーンに選ばれるほどの学校中の人気者、おまけに超大金持ちのイケメン、ワーナー(マシュー・デイビス)とは結婚間近と、まさに人生の絶頂期。ところが、プロポーズされるとばかり思っていた勝負デートで、ワーナーから「議員を目指す自分の妻に、馬鹿なブロンド娘はふさわしくない。」と言って振られてしまう。突如人生のどん底にたたき落とされたエルだったが、持ち前のポジティブさで心機一転、ワーナーに相応しい女になるため、彼と同じハーバード大学法学部を目指すことに・・・


~*~*~*~

 
 アメリカンジョークにはこんな定番ネタがある。

 「ブロンド女は、巨乳でバカ。」

 このお決まりのイメージを膨らませたのが本作。天真爛漫な女の子が困難にもめげず頑張るという典型的な痛快サクセスストーリーで、女性の観客はほぼ間違いなく楽しめるだろう。ストーリーもベタだがきちんと作られており、男性の観客も当然楽しめる。

 とはいえ、当ブログの記事をいくつか読んでくれた人には分かることだが、筆者はこの手の映画が苦手である。これは作品の出来とは無関係で、そもそも髪や爪の手入れ、どの男がイケているかといったことに興味がないというだけの話。その手の話題で彼女らと男性諸君が共通して興味を持てるのは、勝負下着の色ぐらいではないだろうか。
 ちなみに、筆者が今まで観た映画の中で最も”くだらない”と感じた作品は『セックス・アンド・ザ・シティ』で、現在まで不動の1位として君臨しているが、これもまた作品自体の出来とは関係のない評価である。

 本作も『SATC』同様、作品自体は非常に良く出来ている。

 まず、一世一代の勝負デートを控えたエルとそれを取り巻くデルタ・ヌウの面々のやり取りで観せるオープニングは、とてもいいテンポ。ガーリーな音楽に乗せ、櫛でとかれるブロンドヘアーのアップをバックにしたタイトル登場も非常にいいセンスだし、キャピキャピした女の子がこれでもかと登場するデルタ・ヌウは、さながら”女版イケメンパラダイス”といった趣で、女性・男性共に楽しめるだろう。

 その後、エルがワーナーに捨てられ、ハーバードに入学するまでの展開も、分かりやすくそれでいて冗長ではない。

 もっとも、このエル失恋シーンは、本作における最初の”男女の評価分岐点”だろう。
 代々政治家を輩出する名家に生まれたワーナーは、30歳までの上院入りを目指す野心家。”政治家の妻にバカな女はふさわしくない”というのが、彼がエルをフッた主な理由だ。確かに、何の悪気もなく真剣にワーナーを愛し努力するエルがいきなりフられるのは可愛そうであるが、別に政治家を目指していなくてもこの時点でのエルみたいな女性とは結婚したくない、というのが男性の本音ではないだろうか。これはひとえに筆者の趣味指向の表れである可能性もあるから、男性諸君は是非一度鑑賞して確かめてみて欲しい。

 ワーナーにフられたエルは、逆にポジティブ爆発。彼と同じ大学に入れる女なら、彼も振り向いてくれるはず!と、心機一転ハーバード大学法学部を受験する。バカバカしいが、とても好感が持てる。そんなに一途なのに、結婚できないとか言ってごめん。ワーナーのバカ!
 入学を目指し、エルが奮闘する様もテンポ良く観ていて楽しい。特に、自らを売り込むためのPRビデオはステキだ。あの巨匠フランシス・フォード・コッポラに撮ってもらったというのがクスッとさせるし、ビキニ姿で惜しげもなく巨乳を披露する様は、女磨きにいそしむエルの一貫した魂が感じられて好感が持てる。

 見事ハーバードに入学したエルだったが、再会したワーナーはなんと同じクラスの地味で嫌みなインテリ女ヴィヴィアン・ケンジントンと婚約している。
 アメコミ好きはお気づきだろう。このインテリ女は『ヘル・ボーイ』において念動発火を操る超能力者エリザベス・シャーマンを演じたセルマ・ブレアだ。彼女は、地味にすればイケていないし、ちゃんとおめかしをすれば美女に見えるという女優で、本作では本当に陰湿な女性に見えるのに対し、『ヘル・ボーイ』ではヘル・ボーイが恋する美女を見事に演じていた。
 イケてないけど賢い女かイケてるけどバカな女の二択。ワーナーだけでなく男性一般にとって悩ましいところだ。まぁヴィヴィアンはちょっと陰険がすぎるし、エルは思いの外バカではないのだが、そこは映画の都合上そうなっているのであって、現実には往々にしてこんな二択が存在している。

 ここからはデルタ・ヌウの寮生活とは一変し、地味で真面目なハーバード法学部のノリとキャピキャピなエルのノリのギャップで笑いを生んでいく。
 当然エルは周りから嫌がらせを受け、いったんは落ち込むのだが、不屈の精神と飽くなき努力で大手事務所の研修メンバーに選抜され、担当した事件を持ち前の根性とファッション専攻ならではの発想で解決、法律家としての才能を開花させていくというベタな展開でラストまで突き進む。この辺りも文句なくいい出来だ。
 一つ無粋な突っ込みをするなら、法学部を始めとする地味で真面目なコミュニティでは、エルのような明るく無邪気、オシャレで巨乳な女性が抜群にモテるから、エルは多数の男友達と連んでいくというのが、リアルな学生生活だろう。地味で真面目な法学部生は、総じて巨乳好きである、というのが、ジャパニーズ・ジョークの定番ルールなのである。

 ハーバード入学後の展開で特に素晴らしいのは、エルが殺人事件を解決していく過程。
 まず、被疑者であるブルック・テイラー・ウィンダム(アリ・ラーター)がデルタ・ヌウでエクササイズのクラスを受け持っていたことがあり、エルがその受講生だったという設定が上手い。これによって、被疑者が、ワーナー、ヴィヴィアンなど他の研修生ではなくエルにだけ秘密のアリバイを話す展開も納得できる。また、証人であるプール清掃員が被疑者と不倫関係にあったとウソをつくのだが、彼女がこれを否定するためエルにだけ訴える「デルタ・ヌウのメンバーがTバックの男と寝ると思う?」という主張も説得的なものになっている。本作のようなバカバカしい作品にこそ、説得力が必要だ。
 もっとも、エルがファッション専攻ならではの着眼点を見せるところはもっとたたみかけても良かったと思われる。彼女は、プール清掃員が自分の靴をプラダだと即座に見抜いたことで彼がゲイだと確信するが、これはファッションに詳しいというよりは、ゲイに詳しいといった感じだ。また、証人として出廷した被疑者の義理の娘のウソを見抜くシーンももっと専門的なネタで追及すれば、さらに盛り上がったはずなので惜しいところである。

 本作で筆者が最も熱くなったのは、信頼していた指導員弁護士キャラハン(ヴィクター・ガーバー)にセクハラされたため法律家に失望し、事件を降りてカリフォルニアに帰ろうとするエルが、再びやる気を取り戻すシーン。
 まず、前振りとして、エルを取り巻く2人の女性の存在がある。1人は、美容院のおばさん店員ポーレット(ジェニファー・クーリッジ)。彼女は、ワーナーの婚約を知り失意のどん底にあったエルを励ました優しき熟女。また、逆にエルの手助けで新たな恋に踏み出すことができた。こういった付き合いの中で、2人の間には熱い友情が生まれ、育まれていく。そして、もう一人は、エルのクラスを受け持つ教員の一人トームウェル(ホランド・テイラー)。彼女は、初回の授業でエルをこっぴどくいじめる厳しい教授として登場する。
 さて、キャラハンのセクハラに傷ついたエルは、カリフォルニアに戻る前に親友のポートレットに別れを告げるため、彼女の美容院を訪れる。自分を信頼してくれた被疑者を残し逃げ出すことに後ろめたさを感じつつ、ポーレットと別れの抱擁をするエル。この感動的な場面をカメラは引きのショットで撮る。そして次の瞬間「逃げ出すつもり?」という声が。画面手前に見切れて移っていた客が振り向くと、その人がなんとあの冷徹教授ストームウェルなのである。「もう少し、根性のある子だと思っていたわ。」というストームウェルの言葉で、エルはクライアントであり同時に友人でもある被疑者の危機を救うため、再び法廷に帰ってくるのである。全身ピンクのブランドスーツに身を包んで。冷血教授が演出する熱血展開。ベタだ!ブラボー!!

 本作で事件の行方と共に気になるのは、エルの恋の行方。
 長くなったので結論から言うと、エルは結局キャラハンの部下として事件をともに担当するイケメン弁護士エメット・リッチモンド(ルーク・ウィルソン)と付き合うことになる。んー、これはどうだろうか。
 女性観客は概ね納得しているようだが、男性観客の意見は分かれるところ。実はあまりイケていないワーナーに愛想をつかすというエルの心境はもちろん理解できるのだが、対するワーナーの心境は首尾一貫している。彼は政治家として真面目で知的な女性を求めたのであり、彼のために頑張ったエルは見事ワーナーの求める女性になった。だから、彼がラストでエルに復縁を迫るのは都合が良いとは言え当然のことだ。それなのに、彼は結局エルに振られ、ヴィヴィアンにも振られる。おまけに卒業後の就職先も無いという仕打ち。彼がそんなに悪いことをしたか!?
 この女性的勧善懲悪は、男性にとってなかなかにシビアである。しかも、ワーナーの告白を断る際、エルは次のように発言する。

 「その言葉を待っていたのよ。」

 コワイコワイコワイ!
 女性は真剣に”復讐願望”を抱くことが出来るらしいのだが、これは男性にはあまり理解できないことではないだろうか。

点数:65/100点
 点数は、筆者が思う本作の客観的な映画としての出来である。つまり、筆者の趣味指向から来る裁量点がゼロということに過ぎず、この手の映画が好きな観客にとっては、少なくとも80点は超えてくる作品だろう。ハッピーな気持ちになりたい人にはお勧めの良く出来た快作である。なお、本記事で述べた男性観・女性観は、全て筆者の独自調査によるものであるということをご理解頂きたい。

(鑑賞日[初]:2012.3.5)










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Tag:ヘンテコ邦題 これが女の生きる道

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