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キャッチコピー
・英語版:unknown
・日本語版:最強の、終わりへ―

 遂に始まる、菖蒲色の物語。

三文あらすじ:6つ全てを手にした者に世界を滅ぼす無限大のパワーを与える"インフィニティ・ストーン"。その究極の力を秘めた石を狙う最凶にして最悪の敵サノス(ジョシュ・ブローリン)を倒すため、アイアンマン(ロバート・ダウニーJr.)、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーら最強ヒーローチーム“アベンジャーズ”が集結。宇宙の命運をかけた壮絶なバトルの幕が開ける・・・


~*~*~*~


 既に一週間以上も前になってしまったが、遂に公開されたマーベル・シネマティック・ユニバース最新作にして集大成の前編『インフィニティ・ウォー』。公開後のGW中、筆者は『Bloodborne』でゴースの遺子を含む全ボス相手に白熱の激戦の末勝利し、その結果、とうとうトロフィー・コンプリート、いわゆるトロコンを成し遂げたのだが、その間に大方の予想通り、過去の作品なんててんで勝負にならないくらいのとんでもない大ヒットを各国で連発した。中でも特筆すべきは、『フォースの覚醒』が有していた記録を抜き去り、映画史上最高のオープニング成績を叩き出したという点であろう。MCUとスター・ウォーズという二大王者が共にディズニー傘下にある昨今ではやや茶番劇化しつつはあるものの、毎度恒例、前王者が新王者の栄誉を称え公表したグリーティング・アートが、すごく良い感じ。

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 このアートのようにアイアンマンがもう少し早くライト・セーバーを授かっていれば、"あんなこと"にはならなかったのでは…。いや、そんなわけないか。それくらい、本作のヴィランであるサノスは、強い。もちろん、ある程度は予想の範囲内だった。原作でも屈指の最強を誇るサノスに、アベンジャーズがいったんはボコスカにしばき回されるなんてことは、ハナから分かりきっていた(そもそもアベンジャーズは、"逆襲野郎Aチーム"なんだし。)。ひょっとしたら、アベンジャーズが完全敗北したところで「後編に続く!」となるか? でも…そんな使い古された手を今さらMCUが採用するかな…? このように邪推し、挙げ句、その通りの結末にまんまと驚かされた筆者のような愚か者もいるだろう。ひょっとしたら、陳腐な引っ張りだと感じ落胆した人がいるかもしれない。しかし、多くの映画ファンは、この一見ありきたりな"バッド・エンド"にフレッシュな感動を覚えたはずである。

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 一番の肝は、やはりサノスを"主人公"にしたという点であろう。鑑賞中、やけにサノスのパーソナルな部分にフォーカスするなぁとの違和感を抱いていた我々は、エンド・クレジット後にあっ!と驚かされる。確かに、ヴィランの心情に迫るなんてのは、言ってみればありきたりだよ。いわゆる"クレイジー"なタイプの悪役というのは、彼なりの"正義"を持っていることが多い。前作にあたる『アベンジャーズ2』のウルトロンだって、地球のためを思って人類殲滅を決意したわけだし。『ダークナイト』以降、ヒーローは"大義名分"を失った。それは裏を返せば、悪役だって正義足り得るということである。そして、その観点がブームとなり、数多の失敗作とわずかな成功作を経て"常識"にまで昇華された今、ヒーローものの王者たるMCUは、ヴィランを主人公にするというメタな手法で以て、善悪の彼岸を刻名に暴き出してみせたのである。

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 もちろん、本作は『サノス』じゃない。あくまでもMCUが10年をかけて前ふりしてきた『アベンジャーズ』だ。しかし、その間の作品がほぼ全て「◯◯ Will Return」と主役の再登場を示唆して終幕してきた伝統を思い起こせば、「Thanos Will Return」とのフレーズで本作を締めくくったMCUの意図は一目瞭然。本作において、サノスという紫のおじさんは、"主人公"であり、"ヒーロー"なのである。彼は、(おそらく)過酷な生い立ちを持ち、常ならざる力を大衆のために使うことを決意し、太陽系の片田舎でヒーローを気取る分からず屋たちの妨害にも屈することなく伝説の石集めに奔走し、最愛の娘を自ら手にかけるほどの自己犠牲を払ってまで宇宙のために使命を全うした。"全生命の半数を殺す"というキャラ設定も、これ以上なく上手く活用されている。善と悪は、まさに等分で正しい概念なんだ。紫オヤジは、半分も殺そうとする極悪人ともとれるが、裏を返せば、半分はどうしても生かしたい人、とも言えるわけである。

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 また、サノスを主人公として扱うというギミックがおもしろいのは、ちゃんと今どきの物語論を踏襲できているからでもある。昨今(特に2017年)の大作映画シーンは、本当に"選ばれし者じゃない展開"が流行っていたわけだが(『ガーディアンズ2』とか、『ブレード・ランナー』とか、『最後のジェダイ』とか。)、それらは言ってみれば、"主人公"と"脇役"について改めて問い直すというムーブメントであった。本作は、この流れをきちんと継承し、悪役たるサノスを主人公として扱うことで、物語的にメタな視点から正当性(または、正統性)を帯びさせたのである。前後編の前編で悪役が勝利する、とか、悪役って本当に悪なの?とか、そんな今では"ベタ"な趣向をきちんとなぞりつつ、昨今のムーブメントと鑑賞者リテラシーの向上にきっちり合わせた斬新な仕掛けを施す。おまけに、何十人ものヒーロー一人一人(ホークアイは…まぁ、いいでしょう?)に的確な見せ場を与えつつそれをやってしまうのだから、我々は、もう本当にただただ舌を巻き目を回すしかない。

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 あとはもう、みなさんがご覧になった通りである。オチこそ"ダーク"なものだったけれど、アイアンマンとキャプテンの初登場(変身)シーンでは、これ以上ないほどバシバシのゴリゴリにケレン味たっぷりな演出が用意されていて激ヤバとか、スタークとストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)のアンサンブルが思っていた以上にマジ卍とか、やっぱり俺たちのガーディアンズはいつ見ても鬼パリピとか、数えきれないくらいの"最高!""ありがとう!"が詰まっている。ただ、その"ダーク"な結末に本当に衝撃を受けた人もいたみたいで、インドの劇場では先日、40歳ちょいくらいの男性が鑑賞中に心臓発作で死亡したらしい。まぁ、人一人死んでいるのだから「それくらい衝撃の結末なんだ!」と茶化すのもどうかと思うが。仮に死ぬほど衝撃を受けるくらいアベンジャーズが大好きな人だったのなら、後編を見ることができないことは、悔やんでも悔やみきれない無念なわけだし…。せめても、ボコスカと消滅したアベンジャーズのメンバーと彼があの世で(次作で復活するまでの束の間だとしても)安らかに暮らすことを願うばかりである。

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 筆者が唯一不満だったのは、まさにこのアベンジャーズがボコスカと消滅していくくだりである。先述の通り、大掴みでの"バッド・エンド"には、何の不満もない。正確には、ガーディアンズの引きの弱さが悲しいのである。まぁ、ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)は致し方ないだろう。でも、その他のメンバー、ドラックス(デイブ・バウティスタ)、マンティス(ポム・クレメンティーフ)、グルート(声:ヴィン・ディーゼル)、そして、あまつさえ、スター・ロードことピーター・クイル(クリス・プラット)まで、サノスの指パッチンで消滅してしまった。ネビュラ(カレン・ギラン)は生き残ったものの、彼女はまだ正式にはチーム入りしていないと考えるなら、ガーディアンズで生存したのは、ロケット(ブラッドリー・クーパー)ただ一人である。二分の一ですよ? 引けんもんかね? もちろん、スロットを打っていると50%を外して地団駄を踏むことが良くあるわけですが、それにしても、チームで考えれば二分の一の四乗という天文学的(?)なところを逆に引いてしまったガーディアンズは、ヒーロー大集合の晴れ舞台で大恥じをかかされたことになる。

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 公開初日にあれこれと思案した結果、昔GUで販売していたガーディアンズ・メンバーの横顔が羅列されたTシャツを着用して意気揚々と劇場へと足を運んだ筆者は、鑑賞後、予想外にもいくつもの遺影を掲げながら梅田の街を闊歩することになってしまった。だから、帰宅した筆者は、そのTシャツをこうしてやったのさ!

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 同じことした人、いるでしょう? まぁ、『アベンジャーズ4』では当然全員復活するのだろうし(その後に『ガーディアンズ3』が予定されているから。)、個人的には、原作においてソウル・ストーンの中にあるとされる"ソウル・ワールド"にガモーラも含めたガーディアンズが集結し、てんやわんやのご機嫌な大冒険を繰り広げ、そして、そこで仲間外れになったことも相まって『ガーディアンズ3』ではロケットの物語に焦点があたるのだと予想はしている。とはいえ、『アベンジャーズ4』までの期間喪に服すことを決意した筆者は、年甲斐もなくこの自作Tシャツを着用して、2019年4月末(か5月頭)までの一年間、関西界隈を闊歩するつもりである。

点数:90/100点
 他にもいっぱいあるんだよ。イースター・エッグなんかも含めたら、もう切りがない。本当に本当に、さすがMCU!と声を枯らして賛辞を送りたい傑作である。子供の日近辺にこんな素晴らしい"ヒーロー譚"をリアルタイムで鑑賞できるなんて、今の子供たちは幸せものだ。もっとも、日本における『インフィニティ・ウォー』封切り初週の一位は『名探偵コナン』だったそうで…。世界広しと言えども、アベンジャーズが敗北したのは日本だけらしく、世界中が「えぇ…"コナン"って何よ…。」とドン引きしているらしい(海外じゃあ、"アニメ映画は子供向け"っていうイメージも根強いしな。)。まぁ、それが我が国の伝統なんだよ。筆者だって、二十年前のGWは、早くコナンを観たくてソワソワしっぱなしだったわけだし。子供の日は菖蒲湯とコナン! そんな偏狭の島国の伝統に負けてしまう哀愁も、サノスおじさんの淡い紫とマッチしていて中々オツなものだと、筆者は思うのである。

(鑑賞日[初]:2018.4.27)
(劇場:TOHOシネマズ梅田)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

Comments 3

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T  

Wakanda foreverとコメントしたら英文字比率でスパム判定をくらって書き込めなかった
なんというワカらず屋

2018/05/13 (Sun) 10:29 | EDIT | REPLY |   
Mr.Alan Smithee  
Re: タイトルなし

性根から叩き直したから、今ならいけるはずです

2018/05/13 (Sun) 13:20 | EDIT | REPLY |   
Mr.Alan Smithee  
Re: タイトルなし

Wakanda forever!

2018/05/13 (Sun) 13:21 | EDIT | REPLY |   

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