0 Comments
scary_movie_three_ver4.jpg


キャッチコピー
・英語版:Great trilogies come in threes.
・日本語版:妥協なきバカバカしさで全米2週連続No.1!

 このくだらなさに、狂え。

三文あらすじ:大学を卒業しニュースキャスターとして活躍するシンディ・キャンベル(アンナ・ファリス)は、大親友であるブレンダ(レジーナ・ホール)の死の原因となった"呪いのビデオ"について、調査を開始する。同じ頃、突如として自身のトウモロコシ畑に出現したミステリー・サークルに戸惑う元神父トム(チャーリー・シーン)。ラッパーを夢見る彼の弟ジョージ(サイモン・レックス)に一目惚れしたりしながら、シンディは、三度(みたび)、世にもおぞましい"喜劇"に巻き込まれていく・・・


~*~*~*~


 本作『最'狂'絶叫計画』は、前々作『最終絶叫計画』、前作『最'新'絶叫計画』に続く"絶叫計画シリーズ"パート3である。ハレンチ、お下劣、くだらない。この三拍子を極限まで詰め込みつつ、映画ファン(あるいは、そうでない人でも)が思わずクスリと笑ってしまうような映画のオマージュをふんだんに盛り込んだ本シリーズは、特にアメリカでは今だ根強い人気を誇っている。結局、このシリーズは、パート4である『最終絶叫計画4』(イケてない邦題だ…。)まで続くわけだが、本作は、それら4作品中、シリーズ最高のオープニング成績を叩き出した"傑作"である。

scarymovie3①


 主演を張るのは、もちろんこの人。本シリーズでブレイクしたコメディエンヌ、アンナ・ファリスだ。本作では、前作までのトレード・マークであったブルネットをまばゆいブロンドに染髪。これは、本作におけるメイン・パロディ元のひとつである『ザ・リング』のナオミ・ワッツに寄せるためだろう。まぁ、もちろんのことナオミ・ワッツには全然似ていないし、そもそも似せる気すら感じられないのだが、やっぱり最高に可愛い。前作までとは違い、本作には彼女の"貧乳いじり"が無く、かつ"剛毛いじり"もずいぶんと大人しくなっており、その点は非常に寂しいのだが、それでもやっぱり抜群にキュート。代名詞たる驚き顔なんかは、もはやそれ一発で笑いをかっさらうことのできる一種の職人芸である。ちなみに、彼女は、俺たちのクリス・プラットの奥さんとして一児を設けているのだが、残念なことについ昨年2017年の年末に離婚してしまった。

scarymovie3②


 さて、作品の内容であるが、当然眉間のシワをヒクヒクさせてアレコレ解釈することなどない。我々はただ、このハレンチでお下品でくだらない展開の数々に都度爆笑し、アナルのシワでもヒクヒクさせておけば良い。そんな作品である。とはいえ、本作は、前2作に比べてエロ・下ネタの要素がやや抑え目。これは、前2作の監督と脚本家が交代し、新たに『フライングハイ』や『裸の銃(ガン)』シリーズの監督デヴィッド・ザッカーと脚本家パット・プロフトが就任したためらしい。実際、元神父のトムを演じるチャーリー・シンやハリス大統領を演じるレスリー・ニールセンは、彼らゆかりのキャスティングなのだろう。ひょっとしたら、本作がシリーズ中最高の興収を記録したのも、『フライング~』や『裸の~』(や『ホットショット』)みたいな"ウェル・メイド"(と言っていいのか?)なパロディ・コメディの先駆者たちのDNAを受け継ぎ、より広い層の鑑賞に耐え得る"カタい"作品になったからなのかもしれないな。

scarymovie3③


 しかし、一方でそれは、前2作のファンからすれば物足りない作品にもなり得る。たぶんそうなんだろう。事実、"貧乳支持者"であり、同時に"毛深そうな女の子愛好家"でもある筆者は、先述の通り、アンナ・ファリスへの辱しめが形骸化したことに対して、落胆の色を隠せない。仮に、往年のファンたちが少しでも溜飲を下げるとしたら、毎作恒例の"障害者いじり"だろうか。『最終絶叫計画』では、知的障害者のドゥーフィーが散々アンモラルな笑いの対象にされた。しかし、ラストで彼は、その余りにも知的な黒幕としての本性を露にし、"カイザー・ソゼ"として華麗に『ユージュアル・サスペクツ』オマージュを演出したのである。あれは今思い出しても最高の"障害者いじり"だったと思う。続く2作目では、少し脈絡の無い"いじり"が散発され、個人的にはややゲンナリ。もちろん、ただ筆者がオマージュを見逃しているだけという可能性は多分にあるが、単純な悪ふざけの数珠繋ぎにしか思えず、いささか残念だった。

scarymovie3④


 対する本作。よりにもよってホワイトハウスで繰り広げられる"障害者いじり"は、まぁ、一作目ほどの感動など望む術もないが、二作目よりはよほどマシだと筆者は思う。つまり、こうだ。障害を患った少年少女の頑張りを国家が称えるべく催された"マザー・テレサ賞"の授賞式において、人間に擬態したエイリアンの存在を過度に憂慮するボンクラ大統領は、ふとした切っ掛けからその不安を爆発させ、「その変な顔!エイリアンの変装だな!」なんて言いながら、次々と少年少女をボコボコにしていくのである。なんともまぁ、マザー・テレサが見たら卒倒しそうな不謹慎さだが、これはこれで、映画における"障害者いじり"としてある種の"正しさ"があるのではないだろうか。始めの内こそ「バカだなぁ。」なんてゲラゲラ笑っている我々は、しばらくして、ハッ!とさせられる。なぜなら、我々いわゆる"健常者"は、実はこの大統領と同じような感情を潜在的に持っているからである。

scarymovie3⑤


 やっぱり、どうしたって完全には捨象できないんだよ。どう取り繕ったって、外見的、あるいは"機能的"に異なる他者への恐怖嫌悪は、拭い去ることが難しい。でも、まずその根元的な深層心理をしっかりと自覚した上で、それでも理解に努める。その営意こそ、動物には決してできない、我々人間の真に素晴らしい部分なのではないだろうか。おためごかしの"仲良しこよし圧力"で前提的な認識を秘匿し、理解と会話を阻害する"モラル"に比べれば、きちんとユーモアの枠組みの中で意味を持たせた"不謹慎"の方が、よほど教育上好ましい。ちなみに、この"マザー・テレサ賞"授賞式のくだりは、オマージュとはちょっと違うにしても、『MIB』を新たな視点からいじってみせる試みとも解釈できそうで、その観点からも中々興味深いものである。

scarymovie3⑥


 おぉっと! こんなクソ馬鹿映画に対して、何をトンチンカンな持論をぶっているのか。ハレンチに酔え。お下品に心酔し、くだらなさを愛でよ。少なくとも『ザ・リング』と、『8mile』と、シャマランの『サイン』を予習して、あとはアンナ・ファリスの可愛さに狂え。筆者の『最'狂'絶叫計画』評は、それが全てである。

点数:62/100点
 前二作に比べてパンチ力の落ちた凡作。そう思う人がいてもおかしくはないが、個人的には非常に楽しめる満足のパート3であった。ちなみに、筆者が一番笑ったのは、シンディが汽笛の音に驚くシーン。呪いのビデオに出てくる灯台と同じ灯台の写真を見つめるシンディの横顔に現地の映像がディゾルブしていき、汽笛がボー!と鳴るという場面である。映画において、これはとてもよくある演出。我々は、あぁ、次のシーンで彼女はその場所に赴くのだな、と得心する。ここでは、現在と未来が一瞬クロスオーバーしているわけで、鳴り響いた汽笛は、当然シンディが赴いた"未来の灯台"付近での環境音だ。そんな"映画表現上のお約束"を敢えて無視し、シンディは"未来の汽笛"にビックリしたわけである。まぁ、おもしろすぎて狂喜乱舞する…と言えばウソになるが、くだらなさの中にもちゃんとした映画的分析、すなわち、映画愛のようなものを垣間見た気がして、筆者はとっても楽しかった。

(鑑賞日[初]:2018.6.18)

最狂絶叫計画 特別編 [DVD]

新品価格
¥3,980から
(2018/6/24 13:16時点)


狂喜乱舞殺人事件 (講談社文庫)

新品価格
¥12,781から
(2018/6/24 13:17時点)


関連記事
スポンサーサイト
Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

Comments 0

There are no comments yet.

Leave a reply