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・英語版:unknown
・日本語版:unknown

 これからも、今も、いつまでも。

三文あらすじ:1985年に公開された映画史に残る傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。それは、公開から30年以上経った今でも、時代を越えて人々を魅了し続けている。プロデューサー、監督、脚本家、作曲家、出演俳優ら関係者に加え、『BTTF』を長年愛し続けるファンたちが、その魅力を語る・・・


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 おそらく映画史上最高のタイムトラベルものであり、もしかしたら80年代に製作された映画作品の最高傑作であり、きっと全ての男子がそのポスターを学生時代に自室の壁に貼り付けるべき最高の青春映画であり、たぶんそのメイン・テーマは映画史上最高の旋律である。そんな大傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。観たことがない、なんて言わせない。えー、"ベタ"ですやんwwwとか、おっさんってすぐそれ押し付けてくるよなー、とか、もう何を言われてもいい。とにかく、観ろ。本作以降、デロリアンよりカッコいいタイムマシンが登場したか? マーティ・マクフライよりイケてる時間旅行者がいたか? で、ある以上、やはり『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は、いまだに"最新作"であり"決定版"なんだよ。本作『バック・イン・タイム』は、そんな『BTTF』について、関係者からの製作秘話とか、ファンたちの現状とかを寄せ集めて綴るドキュメンタリーである。

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 まず、第一幕は、関係者たちが当時を振り返って語る製作ウラ話。もちろん、ちゃんとしたファンにとっては既知の事実ばかりなのだろうが、筆者みたいにただ好きな作品を繰り返し観るだけで製作事情をあまり調べないというナマケモノのファンにとっては、中々新鮮で楽しいくだりになっている。中でも注目すべきは、やはり脚本だろう。冒頭からしばらくは、出てくる関係者がみな口を揃えて「この脚本は完璧だ。映画学校の教材にすべきだよ。」なんて言うのだが、よくよく考えてみると、『BTTF』の脚本って、実はめちゃくちゃトリッキー変態的だと思うんだよな。主人公は、イケメンで、美人の彼女がいて、バンドなんかやってる典型的な"リア充"。強いて言うなら"ちょっと短気"というのが彼自身の"成長しろ"だが、結局のところ、3部作を通してマーティ・マクフライというキャラクターが成長したのは、そのほんの些細な一点だけだ。そんな『君の名は。』の瀧くんをも凌ぐ"記号的なイケメン"に、我々ボンクラたちが感情移入できるとでも?

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 それから、パート1の主たる争点である"パパとママをくっ付ける展開"。この障害として、パパ自身の成長を持ってくるのは、至極ナチュラルなストーリー・テリングである。しかし、もう一つの障害として、ママがマーティに恋しちゃうという展開を入れ込むのは、どう見たって変態的。以前からこの点に一抹ならざるモラルの揺らぎを感じていた筆者は、本作で披露される"ディズニーに脚本を持っていったけど、「我々は近親相姦の話などやらぬ!」と断られた。"というくだりを観て、あぁやっぱりか、と胸を撫で下ろした。確かに、『BTTF』は、脚本制作上の大原則、いわゆる"三幕構成"にきちんと則った作品だ。ストーリーを大きく三つのパートに分けたとき、それぞれのパートの尺が上映時間に対して1:2:1の比率になるよう構成する、というのが、"三幕構成"の概要。その点、『BTTF』は、上映時間116分に対して、マーティがタイムスリップして納屋に突っ込むところまでが32分、そこから"魅惑の深海パーティ"でパパとママがキスするところまでが64分(で、残りが30分)というように、基本に忠実な立て付けがなされている。

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 でもさ、やっぱり、昨今のゆとり鑑賞者が思うような"ベタな作品"では決してない。本作が傑作足り得たのは、監督ロバート・ゼメキスの采配、製作総指揮スティーブン・スピルバーグのお目付け、アラン・シルベストリの名スコア、そして、6週間も撮影してから無情にも主演のエリック・ストルツをマイケル・J・フォックスに変更した妥協無きキャスティングなどの各種要素が、奇跡のマッチングを見せたゆえなのだと思う。この点をズバリと言ってくれるのが、人気アニメ・シリーズ『リック&モーティ』の生みの親であるダン・ハーモンさん「『BTTF』の脚本は "反則 "だよ。」から始まり、なんだか欺瞞のないコメントをたくさんしてくれる。まぁ、彼の言う「パート2と3はクソだ。」という意見には、やすやすと賛同しかねるが。2は、やっぱりその"ダーク"な部分が非常に魅力的だし、3は、確かに筆者も昔は「いきなり趣が違う!」と憤慨していたものの、改めて考えれば"未来に帰る"というテーマをしっかりまとめた傑作である。とはいえ、総じてハーモン氏のインタビュー部分は、傾聴に値する。

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 その他は、やっぱり、ファンの現状。これがもう案の定"涙腺決壊案件"である。『ピープルvsジョージ・ルーカス』と同じく、本作で描かれるファンたちは、本当に痛々しい。デロリアンを購入して、タイムマシンへの改造に耽溺する彼らは、真っ当な"大人"からすれば、目も当てられぬ"ガキ"であり、現実逃避する"社会不適合者"に違いなかろう。でも、だからこそ、なんだよな。例えば、『BTTF』関係者も参加してのファンの集いで公開プロポーズしたニックとそのお相手のメーガン。彼らは、本当に本当に素晴らしい。おそらく、手近な女性に聞いたら、10人中9人がドン引きするだろう。でも、それは度量も想像力もてんで欠如した拒否反応だ。彼氏と彼女で共通の"大好きなこと"があるって、最高じゃない? 志を同じくするファンたちに見守られながら、生涯を誓うってスゴくない? 少なくとも、ただただゼクシィや口コミに頼っただけの"真っ当なプロポーズ"よりは、ニックとメーガンのそれにこそ、筆者は尋常ならざる説得力を感じる。

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 それから、オリバーとテリーのホラー夫妻ね。これは、もう…。オリバーは、ある日、末期癌で余命半年を宣告された。そこで、"最期に好きなことをしよう!"と夫婦が下した決断が、デロリアンを買ってタイムマシンに改造することだったのである。信じられる? 自らの死を彩る方法が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なんだぜ? そんなにも、そんなにも一本の映画作品を愛している人が、この世界にはいるんだ。しかも、治ってるんだよなぁ。見事に自作のタイムマシンを作り上げ、その車でマイケル・J・フォックスも罹患しているパーキンソン病のための募金を募りながら全米の全州を巡ったホラー夫妻。その旅の果て、本作でインタビューに応じる夫オリバーは、そんじょそこらのサラリーマンより、少なくとも筆者よりは、健康的で生き生きしている。なんてこった。彼らは、"帰ってきた"んだ。絶望の未来にも心を折らず、デロリアンで"あるべき未来"へ帰ってきたんだよ。くそぉ…本編より泣ける…。

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 ってなわけで、本作『バック・イン・タイム』は、こういう特定の映画作品に纏わるドキュメンタリーのご多分に漏れず、我々映画ファンの涙腺を止めどなく刺激する秀作である。30年以上前の作品で、作中で描かれた2015年の未来さえもはや過去になってしまったけれど、それでもいまだ『BTTF』を"魂のバイブル"と位置付ける同志が、世界にはこんなにいる。まだ観てないという人が万が一にでもいれば、とにかくすぐに『BTTF』を観るんだ。できれば、本作とセットで。今さら、なんて言わせないぜ。タイムトラベルの話で時点を云々するなんて愚かでしかない。これまでずっと大好きだったオールド・ファンも、今観た!なんて若い世代も、これからきっと観るであろう次の世代も、等しく夢中になる。そんな時を越えた傑作こそが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なのである。

点数:78/100点
 最後に、すごく個人的な思い出を語らせてもらうなら、実に17年前の2001年。筆者は、同じ部活の友人たちと、開業したばかりのUSJで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のポスターを購入した。それから、15年以上、マーティは、デロリアンに片足をかけつつ、基本的には自分の腕時計を凝視しながらも、チラチラと横目で筆者の成長を見守っていてくれたのだと思う。残念ながら、そのポスターは、2~3年前に破れてしまったのだけれど、でも、ポスターを一緒に買った友人たちとは、今も変わることなくあの頃のままの付き合いが続いている。まぁ、人生の岐路で幾度もナマケてきた筆者は、テリーとオリバーのように"あるべき未来に帰ってきた"とはとても言えないけれど、それでも、友人だとか恋人だとか家族だとか、そういう大切なものを失わずに来られたのだから、今のところは、それなりに良い旅路だったのだろう。"未来"は人それぞれだ。進む先には"道"など無い。誰かがそんなことを言っていたな。なんて、ボヤボヤとくだらない懐旧の情にかられている間に、もう6月が終わろうとしている。

(鑑賞日:2018.6.28)

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Posted byMr.Alan Smithee

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