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キャッチコピー
・英語版:What Are The Odds Of Getting Even? 13 To One.
・日本語版:ド派手なリベンジにしようぜ

 世の中には二種類の人間がいる。
 良い泥棒と悪い泥棒である。

三文あらすじ:アムステルダムでの犯行から数年後。仲間を裏切ったホテル王への復習のためオーシャンズが再び集結。ラスベガスを舞台に壮大なリベンジ計画を繰り広げる・・・


~*~*~*~


 今日から公開『オーシャンズ8』の復習三作目。本作『オーシャンズ13』は、ちょっとおふざけが過ぎた前作に世間が辟易した中、待って!これで最後やから!締めさせて!って感じで製作された完結編。"13"ってのは、オーシャンの既存の十一人の仲間に加えて、今回は共通の敵を前に共闘(?)するテリー・ベネディクト(アンディー・ガルシア)、それから…あれ? あと一人誰やっけ? 本作には一切出てこないが、前作でオーシャンズ入りしたテスが含まれているのかな? てな感じでモヤモヤはするが、一応『11』『12』、『13』でトランプのジャッククイーンキングをなぞった綺麗なタイトルだったりする。

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 さて、本作を一言で表現すれば、軌道修正だろうか。前作で投げてしまった"コンゲームもの"、あるいは"ケイパーもの"としての楽しさは、多くの部分で一作目の趣を取り戻している。まぁ、十一人も仲間がいるのだから、あの顧問風を吹かせたおっさん(グレコと同級生っていうアイツ。前作でホログラム作った人?)はいらないんじゃ…とか思うけど。ただでさえ主人公チームが異例の大所帯なんだから、新キャラに割く時間なんて無い。とはいえ、ジュリア・ロバーツとキャサリン・ゼタ=ジョーンズを大胆に削ったのは英断であろう。一作目でも楽しかった"ボンクラおっさんたちのイチャイチャ感"が際立っている。実際、前作撮影時は、ヒロイン二人がピリピリしてややこしかったらしいしな。

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 その代わり、本作で紅一点のお色気ポジションを担当するのが、エレン・バーキン演じるアビゲイル・スポンダーというキャラクター。これがなんとも、個人的には大好き。ジュリア・ロバーツ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズという二人の天使に取って代わるキャラなのに、彼女は、まずおばさん。そして、溢れ出るキャメロン・ディアスのパチもん感。それらのシナジーが生み出す押さえようのない"B級感"が、言い様もなくエロいのである。俺たちだってさ、いつもいつもRioとか明日花キララとか里美ゆりあばかり見てるわけじゃないじゃんか。たまには『ぶどう農家の義母』とかでしんみりヌキたいじゃんか。…まぁ、それは筆者だけかもしれないが、前作のイザコザとか、どう考えても敢えてキャメロン・ディアスに寄せている感じとかからすると、「有名女優はめんどくさいんす!」という作り手のメッセージにも思える。

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 ちなみに、アビゲイル嬢をイテコマスためにマット・デイモン演じるライナス・コールドウェルがつける媚薬"ギルロイ"。これは、たぶん『ボーン・アイデンティティー』シリーズへのオマージュだろう。『ボーン』シリーズといえば、マット・デイモンを一躍スター・アクション俳優の座にのし上げた大人気スパイ・トリロジーだが、『アイデンティティー』『スプレマシー』『アルティメイタム』の三作全ての脚本を書いたのが、トニー・ギルロイという男なのである(ちなみに、『ボーン・レガシー』の監督も。)。他にも、ルーベンがベッドで言う「車の出入りが激しい…。ささやき声の会話…云々かんぬん。」という台詞。これは、アル・パチーノが悪役ということでの『ゴッドファーザー』オマージュだろう。また、「フランク・シナトラと握手した…云々かんぬん。」は、オリジナルである『オーシャンと十一人の仲間』でダニー・オーシャンを演じたのがシナトラだからでしょうね。

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 まぁ、その段取りって作戦的に必要?!という展開は相変わらずあるし、動機がただの仕返しになり、加えてその方法も一部(半分?)は盗みに関係のないただの嫌がらせになっていたりもするから、ずいぶん私的でしょぼい印象も受ける。でも、そのこじんまりした感じが、本作では逆にラストとの整合性という意味では上手くいっているようにも思える。つまり、一作目のラストでオーシャンズ11がベラージオの噴水を眺めるシーンは、なんだか「どう? 俺たち(ひいては、この映画)スゴいでしょ?」という自画自賛に見えてしまい、実はアラの多い段取りや実はただの痴話喧嘩だった目的のしょーもなさを際立たせてしまっていた。しかし、一方の本作ラストで彼らが花火を眺めるシーンでは、元々の目的が仲間のための仕返しという内向きのものだっため、それが成功したなら自画自賛するのも当然だな、と思える雰囲気があるのである。

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 あと、その後のオチもまとまりがよくてよろしい。中盤でダニーとラスティが涙ながらに見るオプラ・ウィンフリー・ショーが、ちゃんと前フリになっている。中盤では、はいはい…イケメンのジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが慈善番組で泣いちゃうっていう展開で、女性ファンに目配せしてんのね。あー、泣くイケメンって可愛いですねー。てな感じ。でも、本作は、これをオチで華麗に活用した。実は前作で登場した"ナイト・フォックス"(ヴァンサン・カッセル)と結託し、オーシャンらが盗み出すダイヤのネックレスの横取り漁夫の利を狙っていたベネディクト。しかし、我らがオーシャンはこのことすらも見抜いており、見事手にした本物のネックレスを換金の上、ベネディクト名義で慈善団体に寄付してしまうのである。で、ベネディクトは渋々(諦めてややノリノリにも見えるが)"良い大富豪"として慈善番組に出演する…。いいね。

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 何も悪くないのに、バンクのホテルに"5つ星"を与えないため、散々な目にあわされた評価委員のおっさんも、最後に救われてよかった。顔中を発疹でボロボロにされた心の傷が1,100万ドルで癒えるかは定かでないが、空港のスロットで彼に大当たりを出させる際にラスティが用いた手口は、バンクのカジノでの仕掛けと同じもの。総じて、シリーズの締めとしてはちょうどいい感じの気持ちいいオチであった。

点数:77/100点
 もちろん、生ぬるいっちゃあ生ぬるいんだよ。クールかつスタイリッシュに仕事をこなすプロフェッショナルな泥棒集団だったはずが、湿っぽい身内のゴタゴタで七転八倒する人情集団になっちゃった、という感じもある。悪い奴らにも"ファミリー"があるという意味では、それこそ『ゴッドファーザー』だな。だからこそのアル・パチーノ起用(と『PartⅢ』同様、アンディ・ガルシアとの共演)だったのだろうか。まぁ、とにかく、クールでスタイリッシュなプロフェッショナルに会いたければ、一作目を観ればよい。シリーズの幕を閉じるため、オーシャンズ11を"良い泥棒"として着地させた本作は、やっぱり良い完結編なんだと筆者は思う。

(鑑賞日:2018.8.9)

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Mr.Alan Smithee
Posted byMr.Alan Smithee

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