[No.61] ファンタスティック・フォー/銀河の危機(Fantastic Four / Rise of the Silver Surfer) <84点>

Fantastic Four:Rise of the Silver Surfer



キャッチコピー:『この秋、全てが変わる。』

 ワン・フォー・フォー、フォー・フォー・フォー!

三文あらすじ:超能力ユニット”ファンタスティック・フォー(Fantastic Four)”は、今やアイドル的な人気を誇るヒーローチームとなり、世間の注目は目下、3度延期されている”Mr.ファンタスティック”ことリード・リチャーズ(ヨアン・グリフィズ)と”インヴィジブル・ウーマン”ことスーザン・ストーム(ジェシカ・アルバ)の結婚式に集中していた。そんな時、遙か銀河の彼方から謎の生命体が地球に飛来する。”シルバーサーファー(The Silver Surfer)”(ダグ・ジョーンズ、声:ローレンス・フィッシュバーン)と名付けられたその訪問者の目的は、一体何なのか・・・


~*~*~*~

 
 アメリカにおける老舗ヒーロー”ファンタスティック・フォー”の映画化第2弾。本作の敵は、アメコミ史上最も高潔と言われるナイス・ガイ、シルバーサーファーだ。まるで”ペプシマン”のような全身銀色のフォルムで銀色のサーフボードに乗る彼の姿は、一見ダサいが何故か素晴らしく格好いい。

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 先日『ヘルボーイⅡ』のレビューにおいて、筆者は”1作目は無難に様子見、2作目でスケール&監督の自由度アップ、3作目は詰め込めるだけ詰め込め”という昨今のアメコミ映画についてのルールを提唱したのだが、本作もこれにバッチリ合致した素晴らしい続編に仕上がっている。

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 まず、前作における魅力は、本作においてもしっかり健在。序盤のリードとスーザンの結婚式でコントロールを失い墜落するヘリから出席者を守るくだりでは、前作ラストのような4人の華麗なるチームプレイ作戦が展開される。また、その後、ロンドンにおいてロンドン・アイの倒壊を食い止めるシーンでもチームワークの良さを垣間見ることができる。

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 そして、他のアメコミ作品の例に漏れず、本作でも2作目に相応しい大幅なスケールアップがなされている。まず、今回ファンタスティック・フォーの4人は、アメリカだけでなくロンドン、エジプト、ドイツ、中国、日本と世界中を股に掛ける大活躍。特に、シルバーサーファーの飛来によって地球各所で異常気象が発生するという冒頭のシークエンスにおいて、一番始めに影響が表れる地として北海道の駿河湾がチョイスされていたり、ラストでリードとスーザンが結婚式を挙げる地として日本がチョイスされていたりと、日本のファンを意識したサービスが盛り込まれていて中々うれしいところである。まぁ、そもそも日本に本シリーズのファンがどれだけいるのかは不明ではあるが。

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 また、本作最大の敵シルバーサーファーは、前作の敵ヴィクター・フォン・ドゥームを遙かに凌ぐ、まさに宇宙レベルの圧倒的強さ。ファンタスティック・フォーの中で最も走攻守揃った特攻隊長”ヒューマン・トーチ”ジョニー・ストーム(クリス・エヴァンス)を軽く撃退し、米軍によるミサイル一斉攻撃をことごとく迎撃する。”こんな強い奴を一体どうやって倒すのか”というハラハラとワクワクで中盤まではぐいぐい引き込まれること請け合いだ。

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 ちなみに、シルバーサーファーを演じるのは『ヘルボーイ』シリーズで半魚人エイブ・サピエンを演じるダグ・ジョーンズ。パントマイマーでもあるという彼の演技は中々格好良く、特にラストでシルバーサーファーが爆発するときの”ため”のポーズは必見である。また、声を担当するのは、ローレンス・フィッシュバーン。『マトリックス』シリーズにおいてネオを導く戦士モーフィアスを演じた彼だ。同シリーズ2作目の『レボリューションズ』では「ザイオ~~~ン!ヒアミ~~~!!」と声高に叫んでいたが、本作におけるシルバーサーファーはかなり寡黙。これはこれで良い味が出ている。

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 さらに、男性ファン必見なのは、チームの紅一点”インヴィジブル・ウーマン”スーザン・ストームの銀河レベルの可愛さである。

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 前作では”透明人間”という特性を遺憾なく活かした大胆なぬぎっぷりで楽しませてくれた彼女は、本作では様々な”コスプレ”によって男性の目を保養してくれる。ざっくり肩の出た上記ウェディング・ドレスから始まって、ボディーラインが強調された黒のTシャツ、髪をアップにしてのメガネ姿、果てはキモノ姿まで披露してくれる。もちろん、恒例の”大衆の面前で全裸姿をうっかり披露してしまうサービスシーン”も1シーンながらしっかり存在し、ファンの期待を裏切らない。ありがとう”銀河の乳”

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 このように、主にビジュアル面で前作から相当なスケールアップを果たした本作は、ストーリーに目を向けてみても前作とは異なるアプローチで成功を収めていると言える。前作でストーリー上の肝となっていたのは、アメコミ映画史上最も悲しいヒーロー”ザ・シング”ベン・グリム(マイケル・チクリス)の苦悩であった。そんな彼も前作で盲目の恋人アリシア・マスターズ(ケリー・ワシントン)と出会い、本作では幸せいっぱい。余裕を漂わせた堂々たるヒーロー姿が中々様になっている。

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 ザ・シングに代わって”ヒーローの苦悩”を体感するのは、チーム一のお気楽プレイボーイ”ヒューマン・トーチ”ジョニー・ストームである。ノリ良し顔良し、尋常成らざるプレイボーイぶりを発揮し美女にモテモテのジョニーは、そんな自身の性格が反映されたかのような”火”の能力を手に入れ、ますます絶好調。ノリノリで日々を過ごしている。しかし、そんな彼は、シルバーサーファーとの接触を機に能力を上手く発動できなくなり、おまけにチームメンバーに触れると”互いの能力を交換してしまう”というやっかいな体質に変貌してしまう。チーム内でお荷物となったジョニー。彼は、そこではたと立ち止まり考える。”自分は今まで何をしてきたのか。”落ち込むジョニー。周りに目を向けてみると、リードはスーザン、ベンはアリシアと皆ちゃんと大切な人を見つけている。一方の自分は、美女の尻ばかり追いかける毎日で、本当の恋をしてきたと言えるのか。この点でまたジョニーは落ち込む。

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 そんな彼を慰め励ますのが”ザ・シング”、いや、”ザ・苦悩”ベン・グリムである。普段は冗談半分とは言え犬猿の仲の2人が酒を酌み交わすシーンは、本作屈指の良いシーンだ。能力の不調から全てのリズムが狂ってきたジョニーは、めずらしくベンに弱音を吐く。「自分が完璧なドジに思えてきた。」そんな彼に「ヘコむな。いつもじゃない。」と声を掛けるベン。シルバーサーファーによって地球が滅ぼされるというリードの予想を受けて、ジョニーがベンに問う。「もう地球は終わりだな。最後に何したい?」「戦って死にたい。でも本当は、アリシアを抱きしめていたい。」と答えるベンは、相変わらずいい奴だ。ジョニーはアリシアを褒めるが、彼の性格上どうしてもどこか腐したような感じになり、勘違いしたベンは不快感を露わにする。でもそうじゃない。ジョニーもまたいい奴である。

 「誰かがいるってステキだって意味さ。」

 少々面食らうベン。
 そして・・・

 「俺がいるぜ。」

 グラスを鳴らす2人。
 ファンタスティック!

 そんな彼の苦悩は、もちろん終盤のアクションを盛り上げるための起爆剤。サーフボードを奪い、前作に引き続き”無限のパワーだ~”とはしゃぐDr.ドゥーム。確かに今回の彼は、圧倒的なパワーと高速のスピードを手に入れ、手の付けられない”最強の敵”と化している。一方の我らがファンタスティック・フォーは、ドゥームに手も足も出せない状況。天才リード・リチャーズにより、ドゥームが装着しているパルス・エミッターを破壊すれば彼とボードを切り離すことができるという打開策が提案されるものの、致命傷を負ったスーザンの戦線離脱から自慢のチームワークを発揮できないでいるのだ。4人なら、4人ならアイツを倒せるのに・・・!!そんな時、我らがヒューマン・トーチが立ち上がる。

 「俺が4人分。」

 おおー、そうか!ジョニーの今の体質なら、4人分の能力を体に宿し、ドゥームとも対等に渡り合える!ん?でも、ジョニーは触れたメンバーと能力を交換する体質だったはずで、4人分を一度に抱え込むのは無理なんじゃ…まぁいいか!手を取り合う4人!ガシィッ!!ファンタスティック!フォーーー!!

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 細かな理屈が気にならないほど気持ちよく熱い展開。本当に素晴らしい。まぁ、この”能力交換”の不自然さを始め、シルバーサーファーが結構あっけなく惑星を食べる大ボスを倒してしまったりとご都合主義的で大ざっぱな展開が目立つこともまた確かではある。しかし、おもしろければそんなことはどうでもいいのだ。観客の胸と目頭を熱くするパワー、これこそが真のヒーローが持つ魅力ではないだろうか。

点数:84/100点
 バカバカしい作品を広い心で鑑賞できない人にとっては、特に可もなく不可もなくといったところと思われる。単純に楽しく熱い気持ちになりたい人は、是が非でも観て頂きたい。

(鑑賞日:2012.3.19)

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