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2012

[No.63] ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest) <82点>

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Galaxy Quest



キャッチコピー:『Never Give Up! Never Surrender!』

 あのトキメキを忘れない、全ての”大人<トレッキー>”たちへ。

三文あらすじ:放送打ち切りから20年を経た今も熱狂的なファンを持つSF番組「ギャラクシー・クエスト(Galaxy Quest)」。プロテクター号艦長ピーター・クインシー・タガート役のジェイソン・ネズミス(ティム・アレン)、タウニー・マディソン少佐役のグエン・デマルコ(シガニー・ウィーバー)、ドクター・ラザラス役のアレクサンダー・デーン(アラン・リックマン)らかつてのスターたちも、今では過去の栄光にすがり、地方のイベントで生計を立てる毎日だったが、ある日、イベント会場に現れた宇宙服の怪しげな4人組に”自分たちの星を救ってくれ”と懇願される。新たな仕事のオファーと勘違いしてこれを引き受けるネズミスらは、やがて宇宙服の4人がなんと本物の宇宙人だとを知ることに・・・


~*~*~*~

 
 落ちぶれたかつてのSFスターがひょんな事から銀河を股に掛ける戦いに巻き込まれ、ドタバタするうちに本当の勇気と友情を掴み、真のヒーローへと成長していく。もう、このプロットだけでおもしろい。SF好きにとってはワクワクするストーリーだ。本作は『宇宙人ポール』同様”オタクによるオタクのためのオタクの映画”である。

 『宇宙人ポール』が『未知との遭遇』に軸を置いていたのに対して、本作がオマージュを捧げるのは『スターウォーズ』と双璧をなすSF界のマスターピース『スタートレック』。劇中劇『ギャラクシー・クエスト』は、世界観、スペースシップ、登場人物とその全てがほぼ『スタートレック』である。まず、この点で魂が打ち震えるファンも多いことだろう。
 しかし、悲しいかな、筆者は全くトレッキーではない。くそー、観とけば良かった・・・。SFモノの中でも主に『エイリアン』などの”宇宙人侵略モノ”をこよなく愛する筆者は、少々出鼻をくじかれてしまったのである。

 もっとも、本作は、筆者のような非トレッキーにも十二分に感動と興奮を与えてくれる傑作だ。

 まず、序盤で描かれる俳優陣の哀愁、中盤で描かれる宇宙人文化、終盤で描かれる大スペクタクルのバランスが完璧。ネズミスらが宇宙人の戦いに巻き込まれていく過程も矛盾無く、すんなり物語に入り込める。また、”嘘”という概念を持たないため『ギャラクシー・クエスト』を歴史ドキュメンタリー番組だと思い込み、ネズミスらを本当の英雄だと信じて疑わない宇宙人サーミアン、これを抹殺しようとする卑劣で姑息な宇宙人サリス、そして落ちぶれ役者のニセ英雄ネズミスらという勢力図が非常に上手い。
 危機に直面するとアタフタしすぐ逃げだそうとする役者たちも、サーミアンの純粋無垢な姿に心打たれ、次第に自分たちを奮い立たせていく。彼らを真の英雄へと成長させる原動力は、かつての栄光、すなわち『ギャラクシー・クエスト』。熱狂的なオタクや盲信的なサーミアンからヒーローとして崇め奉られることに嫌気がさしていたネズミスらも、彼らを守るため真のヒーローとなるのである。

 ヒーローをヒーローたらしめるのは、役柄という外見ではなく、誰かを救いたいという熱い魂。そんな自分の中にヒーローは眠っている。まるでアンパンマンは、君さ!と言わんばかりの熱い展開に涙腺崩壊!
 宇宙船が地球に不時着するとそこはファンイベント会場で、生きていたサリスをあたかもパフォーマンスのように倒すラストの締め方も非常に素晴らしい。彼らが意図した訳ではないだろうが、地球に住む市民たちは侵略者の恐怖を知らず平和に暮らしていく。まるで「俺はこの一件をウソにする!」のような、これまた熱い展開。ネズミスらの番組内での冒険を真実だと思うほどに熱狂的なファンと、番組は所詮番組でしかないと始めは冷めていたものの宇宙での大冒険を経て本物のヒーローになったネズミスらが、ラストでがっちり噛み合う。まさに”オタクによるオタクのためのオタクの映画”。筆者は常々”映画はこの広い世界の中で実際に起こった出来事の内、映画向きなものを映像化しているのだ”と考えることにしているのだが、本作はそんなオタク心を鷲づかみにする。

 本作では、キャスティングも見所の一つ。

 まず、重度のオタク少年ブランドンを演じるのは最近『ダイ・ハード4.0』でジョン・マクレーンのパートナーという大役をゲットしたジャスティン・ロング
 ブランドンは『ギャラクシー・クエスト』における理論交渉まで正確に分析し質問をぶつけてくるので、序盤ではネズミスから邪険に扱われる。そんな彼が終盤、サーミアンが忠実に再現したプロテクター号内を移動するネズミスをアシストする展開は、拍手喝采ものの素晴らしさ。ここまでの伏線の張り方も極めて上手い。
 また、地球に不時着するプロテクター号を誘導するため、大量の花火を持って外出しようとするブランドンを両親が呼び止めるシーン。なんのことはないシーンなのだが、ここもグッとくる。急いで出て行こうとする息子に驚き、母親がどこに行くのか尋ねるが、ブランドンの解答は専門用語連発で要領を得ない。呆気にとられる母親は、とりあえず「夕飯は7時よ。」とだけ言って彼を送り出し、父親と顔を見合わせて「あの子が外出を。」と驚きを露わにするのである。この一言でブランドンのバックボーンとドラマが止めどなく想像され、筆者は深く感動した。引きこもりのオタク少年を外出させる、それは本当に些細なことだが、これもまたヒーローの成せる業である。

 また、トレッキーでない筆者にも大変うれしいキャスティングは、SF映画史上最強の女性シガニー・ウィーバー
 全宇宙で唯一エイリアンに対抗できる彼女であるが、本作ではプロテクター号クルー内での紅一点、唯一のお色気キャラ、グエン・デマルコとして登場する。これがまたコワイぐらいにはまり役。シガニー・ウィーバーってこんなに可愛かったっけ??ってゆうか、ここまで巨乳やったっけ??もはや”爆乳”の域やん!特に終盤、破れたユニフォームから深紅のブラを除かせながらのアクションは、スタンディングオベーションものの素晴らしさである。

 その他、英国が生んだ名俳優、ハンス・グルーバーことアラン・リックマンや、アメリカが生んだ個性派俳優、ジャスティン・ハマーことサム・ロックウェルも登場するのだが、それはまぁいい。とにかく、シガニー・ウィーバーの爆乳にスタンディングオベーションなのである。

点数:82/100点
 筆者のように『スタートレック』を一切知らずに鑑賞しても本作は十二分におもしろい。しかし、トレッキーになってから鑑賞すれば、本作があなたのマスターピースになること請け合いだ。

<おまけ>
まだまだいけるよね、リプリー。ネバーギブアップ!ネバーサレンダー!


(鑑賞日:2012.3.20)










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Tag:バカ映画 天の光はすべて星

2 Comments

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ドクターラザラスを慕うサーミアンのクエルクの死に際、アレックスは誓う、トカゲヘッドにかけて、そして父の名にかけて。
ここ!ここが良いっ!伝説のクルードクターラザラス復活。ラザラズ、新しいヘッドよ!
もとの言葉調べると「by Grabthar's hammer... by the Sons of Warvan... you shall be... avenged.」だった。トカゲヘッドじゃなければもっと良かったかもなー。

2012/03/24 (Sat) 01:22 | EDIT | REPLY |   

Mr.Alan Smithee  

Re:

ホンマや!それ書くの忘れてた!
日本語字幕は字数制限とかあって中々難しいとこやけど、
確かに”トカゲヘッド”は無いよなぁ。

2012/03/28 (Wed) 01:44 | EDIT | REPLY |   

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