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2012

[No.72] ONE PIECE FILM STRONG WORLD <83点>

CATEGORYアニメ
Strong World



キャッチコピー:『鼓動のボリュームを上げろ!』

 OK, Let's STAND UP AGAIN!

三文あらすじ:世は大海賊時代、かつて”海賊王”ゴールド・ロジャーに比肩すると謳われた伝説の海賊”金獅子のシキ”(声:竹中直人)は、20年の潜伏期間を終え、東の海<イースト・ブルー>を滅ぼす壮大な計画を実行に移そうとしていた。一方、”麦わらのルフィ”ことモンキー・D・ルフィ(声:田中真弓)率いる”麦わらの一味”は、偉大なる航路<グランドライン>を航海中、空を飛ぶ金獅子海賊団に遭遇、航海士である”泥棒猫”ナミ(声:岡村明美)をさらわれ、自身らもシキの能力で空に浮かぶ秘境”メルヴィユ”に飛ばされてしまう。ナミを奪い返すため、そして故郷である東の海<イースト・ブルー>を救うため、”麦わらの一味”は伝説の空飛ぶ海賊”金獅子のシキ”に戦いを挑む・・・”ひとつなぎの大秘宝<ワンピース>”を巡る海洋冒険ロマン!


~*~*~*~

 
 空を統べる本作のヴィラン及び囚われのナミを示唆したポスター。良い!王道で最高にワクワクする予告編。良い!!鼓動のボリュームを…上げろ!!

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 さて、のっけからテンション、もとい鼓動のボリュームが上がってしまっているが、本作はそれだけ筆者にとって思い出深い作品である。その理由は、以下の3点だ。

 まず第1に、筆者は本作公開時”計算上4回も鑑賞している”ということ。まぁ、現実には1回しか鑑賞していないのだが、友人2人と本作を観に行くことを約した筆者は、ワクワクしながら前日に前もって3人分のチケットを購入、ワクワクそのままに床に付き、案の定翌日寝坊、哀れ3枚のチケットは無駄になってしまった。どうにか友人がその日の昼からの回のチケットを押さえ鑑賞に至ったのだが、当然無駄になった3枚及び当日の1枚のチケット代は筆者が支払うのだから、計算上、筆者は本作を4回鑑賞したことになっている。本作がアニメ映画にしては異例となる48億円もの興収を上げた裏側には、このような涙なしでは語れないエピソードが隠れているのである。

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 エピソードと言えば、本作は鑑賞券購入のおまけとして、”金獅子のシキ”がいかにして本作に至るかというエピソード0を描いた「0巻」なるものが付いてきたことでも話題となった。もちろん筆者はこの「0巻」を4冊ももらったのだが、鼓動のボリュームが上がっていたため”宝は山分けするのが海賊だ!”と早合点し、友人2人に1冊ずつあげてしまった。

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 随分パーソナルかつくだらないエピソードでスペースを割いてしまったが、筆者が本作に対し並々ならぬ思いを寄せる第2の理由、それは単純明快、”『ONE PIECE』はおもしろい”ということである。

 これは随分月並みな根拠であり、おそらく多くの人が同意するところであろう。もっとも、長年連載が続いている『ONE PIECE』の中で、どのエピソードが一番好きかは各自異なるはず。サンジとゼフの親子関係とも友情ともつかない固い絆に心打たれたという人や、チョッパーのあまりにも悲しいエピソードにむせび泣いたという人、または”麦わらの一味”と王女ビビのあの無言の別れを大絶賛する人もいるだろう。はたまた、シャンクスが近海の主に腕を噛みちぎられた時点で既に涙を流す人がいてもおかしくはない。

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 かく言う筆者のベスト・エピソードは、何と言っても”アーロン編”である。先日レビューを書いた『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』においてもそうだったが、やはり”女を取り戻すために男が戦う”という展開は古からのロングセラーであって、漢の魂を完全燃焼させる。

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 また筆者は度々、魂を打ち震わせる展開に必要なのは”熱いハートとクールな頭脳”であると語っているが、それはつまり”王道熱血ものの精神””筋の通った理屈”の両方が不可欠ということ。そして、この場合の”理屈”の筋は一応通っていれば良く、頭に”屁”のつくものであっても何ら問題ない。

 そういう意味で、筆者が『ONE PIECE』史上最高の名言であると信じて疑わないのが「お前に勝てる」である。クルーの絶体絶命のピンチ。そんな時、海底の呪縛から解き放たれ満を持して登場する船長モンキー・D・ルフィ。扱えもしないにわか剣術を披露し「俺は助けてもらわねぇと生きていけねぇ自信がある!!!」と豪語する。そんなルフィに対し、本エピソードのヴィラン、魚人海賊団船長”ノコギリのアーロン”は、彼のプライドの無さを指摘し一船の船長の器ではないと罵倒。アーロンは続けて問う。「てめぇに一体何ができる!!!」

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 これはやっぱり良い!我々の気分はもう、やっちまえー、ルフィの兄貴ー!!である。この台詞が示す理屈は、「はな」「…別に噛み付かなくても、石は割れるぞ」から引き続き用いられる完全な”屁理屈”。アーロン自身も「へ理屈を…!!!」と憤っている。しかし、その根底に流れるのは、紛れもない”王道熱血ヒーローもの”の精神。両者がこれ以上なくピッタリとひとつなぎに融合したこの台詞は、やはり『ONE PIECE』史上最高の名言だ。

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 そして、筆者の最も好きなこの”アーロン編”のプロットがほぼそのまま用いられているのが本作。すなわち、本作においても、さらわれたナミが金獅子海賊団入りを決意し、これをルフィら”麦わらの一味”が奪還しに行くという”女を取り戻すために男が戦う”系の筋書きが採用されている。これが燃えずにいられようか。

 ちなみに、筆者が『ONE PIECE』で好きなエピソード・ランキングは、1位:アーロン編(本当は、東の海<イースト・ブルー>編全部)、2位:空島編3位:アラバスタ編である。みなさんはどうだろうか。

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 さて、本作が筆者にとって思い出深い理由の3つ目。それは”主題歌が最高に良い”ということだ。元来、筆者は完全な”ミスチル世代”に属している。ちょうど『It's A Wonderful World』の頃中学生だった、などと書くと年齢がばれてしまうが、とにかく、Mr.Childrenがかなり”ダウナー”だった時期から”ポップ”に移り変わる過渡期あたりに青春を謳歌していた筆者は、好きなアーティストは?と聞かれれば「ミスチル!」と答えるくらいにはしっかりした”ミスチルファン”である。

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 よって、当然本作の主題歌がミスチルの新曲『fanfare』であると発表された時には、随分歓喜した。しかし、歓喜の裏側では誰かが泣く運命(さだめ)なのであって、『ONE PIECE』も”ミスチル”も両方大好きな筆者としては”果たして互いに魅力を殺し合いはしないだろうか”との不安を感じずにはいられなかったし、そんな不安を抱いた人は他にも大勢いたことだろう。

 ところがどっこい!いざ出来上がった『fanfare』使用ヴァージョンの本作予告編は、そんな多くの人の不安の塊を”ギガント・ジェット・ピストル”をぶちかましたがごとく砕き去ってしまった。もちろん、ミスチル起用に対する懐疑的な視点によって幾分ハードルが下がっていたことは認めよう。しかし、それでも本レビュー冒頭に貼り付けた予告編は、危惧を抱いていた”ワンピース・チルドレン”たちの鼓動のボリュームを上げるのに十二分だと言っていいはずだ。

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 そして、本作のキャッチコピー”鼓動のボリュームを上げろ!”は、本作の宣伝担当が我々と同じ感想を抱いたであろうことを感じさせてくれる最高に良いフレーズ。筆者が先ほどから”鼓動のボリューム~”をやたら連呼しているのには、そんな訳もある。

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 大変前置きが長くなってしまったが、本作の内容について言及する。結論から言うと、本作の仕上がりは、少なくとも筆者が鑑賞前に上げていた鼓動のボリュームを満足させるものではなかった。”漢の魂不完全燃焼”である。細かい不満点は多々あるも、大きく幻滅したのは、以下の2点。

 まず、伝説の海賊”金獅子のシキ”が弱すぎる。それは”物理的な戦闘力”という意味だけではない。本作においてシキが統括する”東の海(イースト・ブルー)壊滅計画”。これがあり得ないほど”ザル”だ。言い換えるなら”おつむが弱い”

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 20年という破格の準備期間を用意しておいて、その内容が”IQで凶暴化したクリーチャーを東の海<イースト・ブルー>に解き放つ”というものじゃあ、観客は納得出来ない。そんな計画に20年も掛かるか?そもそも『ONE PIECE』世界には、海王類を筆頭に、IQなんか使わなくても十分凶暴な巨大生物が山のようにいるはず。シキの”フワフワの実”の能力があれば、20年も掛けずにイースト・ブルーに彼らを送り込み、壊滅へと導くことも出来たはずだ。まぁ、作中の時代考証を無理矢理合わせてきたということなのだろうが、この点はいささかつめが甘い。

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 また”物理的な戦闘力”という点においても、シキは弱すぎる。かつて”この世の全てを手に入れた男”海賊王ゴール・D・ロジャーと肩を並べ、難攻不落・鉄壁を誇る最強の監獄島”インペル・ダウン”からの脱獄に成功した唯一の海賊。他にほとんど類を見ない飛翔の力”フワフワの実”の能力をその身に宿した”海賊時代の生ける伝説”こそが彼だ。そんな能力・兵力・ネームバリューといった点で史上最強の敵と言える”金獅子のシキ”に対して、仲間であるナミを奪われた”麦わらの一味”がたった9人で戦いを挑む。まさに、アーロンの呪縛からナミを解放せんとルフィら4人の男が戦いを挑んだ”アーロン編”をスケールアップさせた筋書き。最高に燃えるプロットではないか。ところが、中盤~後半までのワクワク感に比して、シキの最期は極めてあっけないものであった。

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 しかも、クライマックスの展開には、不合理な点も多い。ゴムは雷の力を無効化するはずなのに”ギガント・トール・アックス”なるよく分からない大技を”決め技”として繰り出すのも不合理なら、シキがせっかく水で閉じ込めたルフィを”斬波”なるこれまたよく分からない小技で解放してしまうのも極めて不合理。伝説の海賊”金獅子のシキ”の強さが全く伝わってこない。

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 絶対にラストは、いつも通りのルフィVSラスボスという構図を維持しつつも、ナミも含めたクルー全員による協力戦にしたほうがよかった。そうすれば、最強の敵であるシキが敗れることにも納得できるし、ナミが直接戦闘に参加することができる。「俺たちが本隊だ!」というルフィの”どなり”はかなり格好良かったし、アーロン編を踏まえた上でのそのコンセプトはすこぶる胸を熱くさせてくれるのだから、やはりナミも最後には物理的に戦闘に参加すべきだったように思う。また、シキ1人VS麦わらの一味全員という構図にすることで、独裁者たるシキの圧倒的な力も堅く団結したチームワークには敵わないというテーマが際立ち、最高のエンディングへと収束していったはずなのに。

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 もっとも、以上のような展開を構想したとしても、おそらく本作の尺からして描ききることは不可能だろう。それはひとえに本作には”無駄な要素”が盛り込まれているから。すなわち”メルヴィユに暮らす民”がそれである。

 果たして彼らの描写は必要だったのだろうか。確かに『ONE PIECE』においては、ルフィは自らの障害となる敵を排除するため奮闘するが、それが結果的に他の者の救済となっているという展開が常套であるし、この展開によってラストが極めて感動的な大団円となることも確かである。また、本作のプロットを”アーロン編”とパラレルに考えるなら、メルヴィユの民はゲンさんやノジコを始めとするココヤシ村の民に置き換えることが出来、その意味で必要な要素だったのかもしれない。

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 しかし、本作においては、このメルヴィユの民が完全に足を引っ張っている。彼らを割と詳細に描写したせいで、ラストでのシキVSルフィの描写がおろそかになっているし、シキを倒せばメルヴィユが地上に落下することを分かっていながら、お世話になったシャオ(声:水田わさび)らのことをいざメルヴィユ落下の時まで忘却していた”麦わらの一味”が非常に不義理な集団に感じられてしまう。ルフィの海賊哲学は、あくまでも”自分の野望に立ちはだかる敵は排除する”というものであって、”自分の野望のためなら他人の犠牲は厭わない”という独善的なものでは無かったはずだ。

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 以上の2点が改善されれば、本作は『ONE PIECE』史上と言うに留まらず、アニメ映画史上希代の傑作になっていたかもしれず悔やまれる。金獅子のシキ風に本作を評するなら”良いプロットだ。だが…ダメだ。”ということになろう。

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 最後に、本作において唯一手放しで賞賛したいのが、この金獅子のシキを演じる竹中直人。これは素晴らしい。正直、「ししおどしぃ!ハニャホラヒレ…!」など、何と言っているか全く分からない箇所も散見されるのだが、シキの”伝説の海賊”としての重厚な風格、そして時折見せるコミカルな一面の両方を上手く表現しており、彼のおかげでシキはまだ”伝説の海賊”の看板をギリギリ死守できたと言っても過言ではないように思う。

点数:83/100点
 結局、本作が今ひとつ伸び悩んだ原因は”シンプルさに欠けた”という点にあると言えるのではないか。原作においてもグランドライン突入以降、特にアラバスタ辺りから、イースト・ブルー編にはあったストーリー上の”シンプルさ”が失われてきたような気がする。まぁその辺は、今や国民的大ヒット漫画となった『ONE PIECE』の、そしてその作者である尾田栄一郎の背負った”業”であり、如何ともし難い点なのかもしれない。そういう意味では、制作指揮を全て尾田栄一郎に委ねたのが間違いだったとも言えるだろう。次回、本作のような大プロジェクトが立ち上がった際には、是非「尾田なんかに…好きに…させるかぁぁぁ!」とルフィに一喝して欲しいものである。

(劇場鑑賞日:2009.12.12)
(劇場:梅田ブルク7)























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Tag:海洋冒険ロマン 邦画 劇場鑑賞作品

4 Comments

yakisobazuki  

僕はまさにシャンクスが近海の主に腕を噛みちぎられた1話目で泣いてしまいました。

予告編すごく良いですね!僕は低血圧なので毎朝見て鼓動のボリュームを上げたいと思います!

2012/04/11 (Wed) 00:23 | EDIT | REPLY |   

Mr.Alan Smithee  

Re:

大丈夫です。
僕なんかは

「お前らの目の前にいるのは、海賊だぜ」

で既に泣いてしまうときもあります。

毎日朝から頑張りましょう!
悔やんだって後の祭りです!

2012/04/11 (Wed) 11:38 | EDIT | REPLY |   

nasunomisoitame  

いつも拝見させていただいております。
またおじゃまします。

2012/05/15 (Tue) 02:51 | EDIT | REPLY |   

Mr.Alan Smithee  

Re:

ありがとうございます!
これからもどうぞよろしくお願いします♪

2012/05/15 (Tue) 08:35 | EDIT | REPLY |   

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