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2012

[No.78] リトル・トゥームストーン(Little Tombstone) <85点>

Little Tombstone

キャッチコピー:unknown

 この町では誰も信じてはならない。
 善人も悪人も、たとえ神であったとしても。

三文あらすじ:荒涼たる砂漠に佇む寂れた町”リトル・トゥームストーン(Little Tombstone)”。2人のガンマンが今まさに決闘に臨んでいた。張り詰めた静寂を破り、遂に両者の銃が火を噴くのだが・・・

<本編(5分22秒)>



~*~*~*~

 
 まず、雰囲気が素晴らしい!寂れたウエスタン感、キメ所で画面を止めての人物紹介など、全体的に筆者が敬愛して止まないクエンティン・タランティーノロバート・ロドリゲス作品の雰囲気でまとめられている。いかにも主役然とした渋いガンマンの名前が”ザ・グッド(善玉)”、対するいかにも悪役然としたデブのガンマンの名前が”ザ・バッド(悪玉)”というように完全に観客をおちょくった感じも、まさに両氏のテイスト。ラストで明かされる神父の表示からすると、もしかしたら名前ではなく役柄名なのかもしれないが、”The Good”と書かれた墓が建てられていることから、やはり名前ということで良いのだと思う。

 そして、何と言ってもラストのオチ!最も罪から遠い存在であるはずの神父がただ1人“完全なる悪”であったという意外性がおもしろい。そもそも、本作のようなベタなウエスタン・スタイルの決闘では、立会人が1人、そして、どちらかが死んだときのために墓屋、神父、もしくはその両方が待機している、というのが定番。いわば”ブロンド娘はバカで巨乳”というのと同様、アメリカンジョークのお決まりである。本作では、その両方の役割を神父が担っている、ということなのだろう。

 そのような前提の下、自然に神父が配置され、まずは当然勝利するだろうと思われる”ザ・グッド”がやられて一驚き。さらに、そうは言ってもなんだかんだで”ザ・バッド”が”ザ・グッド”にやられるのだろう、という観客の期待を、神父が”ザ・バッド”を撃ち殺してしまうという展開で華麗に裏切る。神父がずっとブツブツ言いながら(聖書の朗読だろうか。)見ていた聖書の中に銃が隠されていた、というのがまたアイロニックだ。まるで『ショーシャンクの空に』のようだが、本作では「救いはこの中に」は無かった。

 結局、神父はインディアン風の男とグルの賞金稼ぎだった訳だが、ラスト、そのインディアンさえ撃ち殺し賞金を独り占めしてしまうという突き抜けた悪役感が気持ちいい。この時に表示される神父の名は”ザ・ヴァルチャー(The Valture)”。コンドルやハゲタカという意味で、”弱い者を食い物にする強欲な人”の暗喩である。極めてシニカルで渋く、スタイリッシュなオチだ。

点数:85/100点
 大満足!是非とも神父を軸にしてシリーズ化して欲しい、傑作ウエスタン・ショートムービーである。

(鑑賞日[初]:2012.4.24)










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Tag:砂漠 衝撃のラスト!

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