[No.8] ノッティングヒルの恋人(Notting Hill) <99点>

Notting Hill



キャッチコピー:『世界一の映画スターが、街角で本屋さんとぶつかった…』

 永遠に続くスターの休日。

三文あらすじ:冴えないバツイチ男ウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)は、ロンドン西部の町ノッティングヒル(Notting Hill)で本屋を営んでいる。そんな彼はある日、ハリウッドのスター女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)が自分の店を訪れたことに驚くが、その直後、偶然にも彼女と街角でぶつかった際にオレンジジュースをこぼしてしまい、着替え場所を提供するため自宅に招くことに。彼女の去り際、初対面にも関わらず交わした“シュールだがステキなキス”から、ノッティングヒルの本屋とビバリーヒルズのスターの恋が始まった・・・

 
~*~*~*~

   
 名作恋愛オムニバス映画『ラブ・アクチュアリー』と並ぶ筆者のマイ・ベスト恋愛映画。『ラブ・アクチュアリー』の監督と本作の脚本をリチャード・カーティスが務めており、どうやらこの人の恋愛映画が筆者の肌に合っているようだ。

 エルビス・コステロの「She」に乗せて、アナの映像が次々に映し出されるオープニング。途中にオシャレなレタリングでタイトルが登場する。悪くない出だしである。

 冴えない町の本屋とハリウッドスターとの“身分違いの恋”を描く本作は、『ローマの休日』をモチーフにした作品。登場人物が新聞記者と王女から本屋と女優に、舞台がイタリアからイギリスに変わっているが、両作のテーマは共通している。

 一般にイギリス映画における主人公の仲間というのは、個性的で魅力的な場合が多い。本作も米英合作ということで、ウィリアムの友人達は本当にステキな連中だ。変人の同居人スパイク(リス・エヴァンス)、料理がヘタなマックス(ティム・マッキナリー)、その妻で車椅子生活のベラ(ジーナ・マッキー)、何をやっても上手くいかないバーニー(ヒュー・ボネヴィル)、風変わりなウィリアムの妹ハニー(エマ・チャンバース)、おかまっぽいウィリアムの店の店員マーティン(ジェームズ・ドレイファス)。彼らのキャラと演技はどれも本当に魅力的。これらノッティングヒルの面々の中にハリウッドスターのアナが加わることで、様々な騒動、笑い、そして感動が生まれる。
 
 本作は、一般の洋画に比べて、笑いのセンスが素晴らしい。特に、アナが新作PRのためのインタビューを受けるホテルに、ウィリアムがデートのつもりで訪れるシークエンスは絶品である。ウィリアムがとっさに雑誌「馬と猟犬」の記者と名乗ることで、その後各出演者へのインタビューの度に食い違いによる笑いが生まれる。しかも、この仕掛けは、当該シークエンスで笑いの元になるだけでなく、ラストの記者会見シーンでは大きな感動を生むという効果を発揮する。

 「いいニュースです。『馬と猟犬』の読者も喜びます。」

 本当に素晴らしい脚本だ。また、笑いという点では、リス・エヴァンズの怪演が素晴らしい。表はロマンチックな台詞、裏には「一発どう?」とプリントされたTシャツをデート服に選び、ウィリアムのウェットスーツを“クール”と評して部屋着にする。彼がこの役でブレイクしたのもうなずける名(あるいは“迷”)演技だ。しかも、ギャグパートだけでなく、ラストで記者会見場に向かう際には、身を挺して一行の進路を確保するという男気も見せる。「私のヒーロー!」

 スパイク以外に是非言及しておきたいのは、愛すべきダメ男バーニーだ。証券会社に勤めたものの、仕事は上手くいかず、同期はみな出世する中一人だけ出世できない。彼女もできない。仲間内でもダメ男として見られている。しかし、アナの告白を断ったことを本当は後悔しているウィリアムの背中を押したのは、何を隠そうこのバーニー。アナをふったウィリアムは、仲間を集め、一人一人に「これで良かったよな」と確認する。みながウィリアムをこれ以上傷つけまいと、あんな女はふって正解だ、と言う中、バーニーが口を開く。

 「彼女は、お前のことが好きだと言ったんだろ?
  それってステキなことだよ。」

 この一言でウィリアムは本当に大切なものに気付くのである。このセリフは、モテないダメ男バーニーが言うからこそ説得力がある。彼には是非、記者の女性と上手くいって欲しいものだ。

 本作において最も素晴らしいシーンは、先ほどから度々言及しているラストの記者会見のシーンだろう。ステキな仲間たちの様々な形での後押しを受けて、ウィリアムはアナの記者会見会場に辿り着く。このシーンは、本作がモチーフにする『ローマの休日』の記者会見シーンを彷彿とさせる。同作では、アン王女とジョーは結ばれない。アン王女は、どの都市が最も印象的だったかという記者の質問に対して、「なんといってもローマです、私はこの町での思い出を一生忘れないでしょう。」と答えるが、王女と新聞記者では住む世界があまりにも違う。アンとジョーのローマでのひとときは、あくまでも王女という身分を一時休んだために成立した、まさに”ローマの「休日」”なのである。

 一方で、本作もハリウッドスターと本屋という“身分違いの恋”がテーマだ。しかし、アナとウィリアムは見事結ばれる。最後の質問で再び記者に間違われたウィリアムは、「ウィリアム・タッカーという男性がもう一度やり直したいと懇願したならやり直しますか」、とアナに問う。これに対し肯定の返答をするアナ。会場がザワつく中、アナは、記者ドミニクに先ほどの質問をもう一度するよう要求する。その質問とは、ロンドン滞在はいつまでか?というもの。アナは、一度目の答えとは違い、こう答える。

 「永遠に。」

 アナのノッティングヒル滞在は、”休日”ではなくなったのだ。深読みが過ぎるかもしれないが、原題も、『ローマの休日』は”Roman Holiday”、『ノッティングヒルの恋人』は”Notting Hill”となっており、本作には”Holiday”が欠けている。

点数:99/100点
 文句なし。ただ1点のマイナスは、筆者がジュリア・ロバーツをあまり好きではないという、極めて主観的な要因による。ジュリア・ロバーツが好きな人には、両手放しで胸を張り、小躍りしながらお勧めできる傑作だ。

(鑑賞日:A long time ago...)

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