[No.84] 劇場版 天元突破グレンラガン 紅蓮篇 <85点>

紅蓮篇



キャッチコピー:『俺たちを誰だと思っていやがる!!』

 もう一度言う。俺たちを!誰だと思っていやがる!!

三文あらすじ:これは、まだ自分の運命に気付かぬ男がその運命に気付き、戦い続ける物語。地下のジーハ村に暮らす少年”穴掘り”シモン(声:柿原徹也)は、ある日、謎の小型ガンメン”ラガン”を発見、時を同じくして地上から出現した巨大ガンメン討伐を機に、同村に悪名轟くグレン団、漢の魂背中に背負う不撓不屈の鬼リーダー”アニキ”ことカミナ(声:小西克幸)、そして、ガンメンと共に落ちてきた美女ヨーコ(声:井上麻里奈)と共に地上へと到達する。地上を支配する獣人からカミナが奪取したガンメン”グレン”とラガンが合体し誕生した”グレンラガン”を駆り獣人と戦う日々の中、カミナが命を落とし失意に暮れるシモンだったが、獣人の王である螺旋王ロージェノム(声:池田成志)の第1王女ニア(声:福井裕佳梨)の導きによって、今復活のグレンラガン、再び立ち上がった男シモンは、遂に螺旋王四天王との決戦に挑む・・・


~*~*~*~


 予告編が既に”漢の魂完全燃焼”。特に注目してもらいたいのは、テロップで表示される「これが俺たちの十倍返し!」である。果たされることのなかったカミナとヨーコの約束に代わり、制作陣は、我々にこの劇場版を届けてくれたというわけだ。ただ1つだけ、予告編で流すBGMは、劇場版用の新曲ではなく、すんなり盛り上がることの出来る既存のテレビシリーズ用楽曲にして欲しかったなぁ。

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 さて、最近は特に時間が無くレビューをすっかりサボってしまっているので、今回は、遂に登場、度胸、超絶、宿命、怒濤、最大最強のロボットアニメ『天元突破グレンラガン』の感想を以下にツラツラと書いていきたいと思う。

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 筆者は、当ブログ内で度々、おもしろい展開に必要なのは”熱いハート””クールな頭脳”である、と言ってきた。それはすなわち”情熱”と”冷静”あるいは、”気合い”と”論理”ということであり、映画に限らず、仕事、恋愛、スポーツ、試験といった万事に妥当する普遍的な真実であるように思う。

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 これと似たようなことを言っていたキャラの1人に『ガンダムSEED』におけるキラ・ヤマトがいる。彼は、終盤で作中おそらく最強のガンダムZGMF-X10A”フリーダム”を手に入れる際、「力だけでも…想いだけでも…」という台詞を反芻していた。しかし、どうだろう。100歩譲って”クールな頭脳”が彼及び同作にあるとしても、彼のどうしようもなく辛気くさい性格は、シモン風に言うなら「熱いハートは、どこにあるの~?!」と言った感じではなかっただろうか。ガンダムの中では確かに格好いいと言わざるを得ないフリーダムにしたって、雄大、壮麗、そして極めてダサ格好いいガンメンのフォルムを知ってしまった後では、核で動きゃあ偉いのか!?あるいは、羽が2枚たあ生意気なッ!!といった感じである。

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 そこで、本シリーズ『天元突破グレンラガン』だ。テレビシリーズ第2話『俺が乗るって言ってんだ!!』においてカミナが言い放った「喧嘩に勝つには、熱いハートとクールな頭脳だ!」という名台詞。これを完璧に体現しているのが本シリーズに他ならない。ガンダムシリーズ、エヴァンゲリオンシリーズなど数多あるロボットアニメの中で、誰に無茶で無謀と笑われようと筆者が押しも押されぬNo.1に挙げる名作中の名作。もはや筆者の魂のバイブル、いやさ、漢の魂の在処と言っていいだろう。

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 そんな本シリーズは、2007年秋にテレビ放映を終え、1年後、満を持して”紅蓮篇”、”螺巌篇”の2部作として映画化された。構成としては、テレビシリーズ第1話~アニキがこの世を去る第8話までのいわゆる”立志編”及びニア登場の第9話~テッペリンが陥落する第15話までのいわゆる”風雲編”のうち、テッペリン攻略戦以前をまとめ直したもの。まぁ、テレビ版のダイジェストと言ってしまえばそれまでだが、細かな変更点も随所に見受けられ、ファンには当然にうれしい超弩級の映画版に仕上がっている。

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 さて、ここまでで筆者が如何に本シリーズに対して並々ならぬ情熱を注いでいるかがお分かりいただけたことだろう。したがって、本作で感銘を受けたシーンを一々あげつらっていてはキリが無く、語り尽くせば、陽がまた昇る。そこで、特に印象的なシーンのみに絞って言及していくことにする。

 まず、アヴァンタイトル。ここは、テレビシリーズと映画版での最初の相違点である。冒頭は、アンチスパイラルの語りからスタート。螺旋王ロージェノムがかつてシモン同様螺旋の戦士としてアンチスパイラルに戦いを挑んだことが描写される。自身が暮らす文明都市を破壊され、立ち上がる男ロージェノム。子供時代の彼が公園で遊んでいるシーンに注目してもらいたい。

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 ここで特筆したいのは、彼の傍らに小さなアルマジロがいる、ということ。そう、螺旋王四天王が1人”不動のグアーム”(声:川久保潔)は、実はシモンにとってのブータ(声:伊藤静)同様、ロージェノムの飼いアルマジロだったのである。

 Wikipediaによると、グアームは他の獣人とは違って、普通のアルマジロが悠久の時を生きたため知性を持つに至ったものらしい。なんという衝撃の事実。テレビシリーズにおいて可憐な美少女を人質に取り、ニアの精神を陵辱したあのにっくきグアームは、実はパッパグ同様、”気合い”で話せるようになっていたのである。彼がロージェノムを指して「アレとも長い付き合いじゃしの。」と言っていたのには、こんな裏があったという訳だ。

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 ちなみに、ロージェノムが泥人形を作って遊んでいるこのシーンでは、後の四天王が全員登場している。“不動のグアーム”は先述の通り飼いアルマジロとして、“流麗のアディーネ”(声:根谷美智子)はサソリ、“神速のシトマンドラ”(声:陶山章央)は鳥、そして、“怒涛のチミルフ”(声:梁田清之)はゴリラである。おっさんになったロージェノムは、覚醒した自身の螺旋力を使い、かつて泥遊びをしていたときの要領で獣人たちを創造していったのであろう。

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 次に言及したいのは、やはりアニキ絶命の衝撃シークエンス、ダイガンザン強奪戦である。このシークエンスで漢の魂を完全燃焼させるのは、何と言っても”シモンとカミナの関係性”である。血のつながりは無くとも、互いを兄貴分弟分と認め合う名パートナー。てめえを信じるから、あいつを信じる…あいつを信じられるから、てめえを信じられる。そんな相棒の中の相棒、“ザ・パートナー”こそがシモンとカミナである。

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 そんな相棒同士の絆に小さなヒビを入れるカミナとヨーコの“キス事件”。淡い想いを寄せるヨーコのキスを目の当たりにしたシモンは、上手くラガンの操縦に集中できない。確かに、これ自体としては、極めて陳腐で、いささかしょーもない展開と言わざるを得ないだろう。しかし、そんな陳腐さも相まって観客のイライラは最高潮、その後に待つシモン復活というカタルシスへの最良の起爆剤となる。

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 ヨーコのキスシーンがチラつき精彩を欠くシモンに、カミナが突撃する。「シモン!ここを開けろおぉぉ!!」 漢の拳による痛烈な一撃。圧倒されるシモンにカミナはこう言い放つ。

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「俺が信じる、お前を信じろ。」


 これは、序盤でカミナが言った「お前を信じるな。お前を信じる、俺を信じろ。」から続く、3段活用の2段目。目を覚ますシモン。溢れる螺旋力。やっぱりロボットは気合いなんだ!

 ダイガンザン奪取成功に大グレン団のメンバーが歓喜した刹那、螺旋王四天王が1人怒濤のチミルフが駆るカスタムガンメン”ビャコウ”がカミナ諸共グレンを貫く。絶叫のカミナ。絶望のシモン。しかし、男たちは再び立ち上がる。1人はこれが最後と知りながら、1人はこれが始まりとは知らずに。

 再度飛ぶカミナの鉄拳、そして・・・

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「シモン…お前自分を誰だと思っていやがる。お前のドリルは、天と地と、明日を貫くドリルじゃねぇか。」


 作品全体をも貫くこのテーマ。終始一貫した姿勢が、本作最大の魅力の1つである。

 「諦めの悪ぃケダモノオヤジめ…。来い、シモン。一気に蹴散らすぞ。
  …合体だよ。最後の締めは、グレンラガンで決めてやる!」

 合体すれば当然最強、ロボットってのは、そういうモンだろ?という製作者の心意気が最高にいぶし銀だ。やっぱり、合体ってのは、気合いと気合いのぶつかり合いなのである!

 シモンとカミナ、2人一緒の最初の名乗り、最後の合体。

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 無茶で無謀と笑われようと、意地が支えの喧嘩道。

 壁があったら殴って壊す!
 道が無ければ、この手で創る!

 心のマグマが炎と燃える!
 超絶合体!グレン!ラガン!!

 俺を!
 俺たちを!!

 誰だと思っていやがる!!!




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 涙でパソコンのディスプレイが見えねぇよ…。始めのうちは、カミナが無理無理発言し、ギャグ色の強かったこの”俺を誰だと思っていやがる”という決め台詞。このシーンの後も作中度々繰り返されるこの名言は、発言される度に感動を増していく。まさに”俺の進めに中身をくれた”という台詞そのまま。勢いと情熱だけで吐いていた口上が緻密で完成度の高いストーリーによって、最高の名言へと変化を遂げる。これこそが”熱いハート”“クールな頭脳”なのである。

 確かに、シモンたちが上昇していくストーリーは、そのほぼ全てが結局”気合い”で解決される。だから、”何の説得力もない”だとか”共感できない”といった意見も甘んじて受け付けよう。しかし!そんなご託や揶揄に風穴を開ける圧倒的な信念。要は、理論交渉や科学交渉の正確さではなく、作品としての論理的一貫性こそが映像作品における”クールな頭脳”。完全無欠の熱さと完膚無きまでの一貫性に、思わず筆者も…

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 さて、グレンラガンの気合いは、四天王チミルフを圧倒、最後のキメ技”ギガ・ドリル・ブレイク”を繰り出す直前、カミナは、シモンに語りかける。

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 いいか、シモン。忘れんな。

 お前を信じろ。

 俺が信じるお前でもない。
 お前が信じる俺でもない。

 …お前が信じる、お前を信じろ。



 これが3段活用の3段目!「お前を信じる俺を信じろ」「俺が信じるお前を信じろ」「お前が信じるお前を信じろ」。極めて感情的なシーンでありながら、この理屈っぽさがたまらなく良い!

 しかも、ぜひ注目してもらいたいのは、グレンとラガンが合体する際、カミナは既に死んでいる、ということ。グレンラガン合体時には、グレンとそれにドッキングするラガンをデフォルメして表示するオペレーション画面のようなものが映し出され、搭乗者は、オレンジ色に明滅して表される。しかし、このシークエンスにおけるオペレーション画面には、グレン搭乗者が真っ黒に表示されているのである。この直前、カミナがチミルフに刺されたシーンでは、リーロン(声:小野坂昌也)が見守る同様のオペレーション画面上でもグレン搭乗者がオレンジから黒に変わる描写があるため、合体時カミナは既に死んでいたという事実は、まず間違いないと思われる。

 ヴィラルと2度目に対峙した際の合体、すなわち“度胸合体”時のコクピット表示がこれ。アニキは、しっかりオレンジ色に光っている。

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 次に、ダイガンザン強奪戦時、チミルフの一撃をくらった後のコクピット表示。アニキの命は、ここで尽きたのである。

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 そして、アニキ死亡に取り乱すシモンに漢の喝を入れた超絶合体時のコクピットがこれだ。

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 つまり、カミナは、既にその命の灯火が消えているにも関わらず、弟分であり魂の相棒であるシモンのピンチに気合いで立ち上がり、自分亡き後のシモンの歩む道を示唆したということになるのである。なんという男気!まさに不撓不屈の鬼リーダーというに相応しい、最高に格好いいアニキっぷりである!あばよ、ダチ公…。

 さぁ、次だ!アニキの死に絶望するシモン、新たなる希望”ニア”との出会い、そして、本作のクライマックスにして最大の”漢の魂完全燃焼”ポイントと言っても過言では無い、シモン復活のシークエンスである。このシークエンスに至るまで、すなわちニア登場以降の展開は、テレビシリーズからリビルドされたほぼ新作と言っていいものになっている。筆者の感想としては、この試みは、一面において成功、一面において失敗といったところ。

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 まず、成功点としては、ストーリーの簡潔化とそれに伴う明瞭化が挙げられる。大グレン団の面々との初対面の時点でニアは既に自分がロージェノムの娘であることを述べたり、アニキの像を彫り続けるシモン&ニアの会話とシモン、ニア、ヨーコが大グレン甲板において3人でするカミナについての会話が一緒くたにされているといった部分が主な変更点。その他、端折られた描写も多々あるが、最大の変更点は、シモン復活のシークエンスで大グレンを急襲する敵が、グアーム単体からチミルフを除く四天王3人+新たなる力、巨大ダイガン”ダイガンザンドゥ”を螺旋王より賜ったヴィラル(声:檜山修之)の混成チームになっている点だ。これらの変更点は、ストーリーを手っ取り早く進め、かつ要点を絞る上で極めて効果的である。さらに、大グレン団を襲う敵が増えたことで、絶望感がより強くなり、それに比例してシモン復活の際のカタルシスが大きくなる、という効果をも同時に生んでいる。

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 しかし、決定的に納得できないのは、魂の完全燃焼度が下がっているという点。これはいただけない。魂の焼き加減が、完全にレアなのである。その原因は、主に演出上の不具合にあると思われる。
 
 まず、ニアが流麗のアディーネを止めるシーン。テレビシリーズでは第9話『ヒトっていったい何ですか?』のラストで描かれる部分だ。脱兎のごとく駆け出し、勇敢にもアディーネが駆るカスタムガンメン”セイルーン”の前に立ちはだかるニア。彼女が次のように言い放ち、第9話は幕を閉じる。

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「私を誰と心得ますか。」


 これは最高に良かった。要は、「俺たちを誰だと思っていやがる!」のニア・バージョン。未だ大グレン団の志を完全には理解していないニアが、それでもナチュラル・ボーンに”漢の魂”を持っているということが分かる名台詞だったのである。この台詞を無くしてしまうとは、何事か!!どけていいのは、シモンの手だけなのであって、良い台詞はそのまま残すべきだ。

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 次に、神速のシトマンドラが駆るカスタムガンメン”シュザック”に囚われたニアを救うため、シモンが単身シュザックのボディに取り付くシーンから、シモンの魂の叫びに呼応してラガンが復活、ニアを救出して遙か上空まで飛び出すシーンまで。この一連のシークエンスは、テレビシリーズから大幅な改変が加えられているものの、流れだけで言えばそれが功を奏している極めて秀逸なシークエンス。

 まず素晴らしいのは、上空に滞空するシュザックに生身で取り付いた人間に驚くシトマンドラに対し、ニアが言い放つ「見ましたか?人間は確かにちっぽけです。そのちっぽけな人間には、大きな大きな心がある!」という台詞。そう、この台詞で思い出すのは、やはりテレビシリーズ最終回予告での語り、

巡る銀河のその果ての

青く輝く小さな星の

小さな男の大きな話

語り尽くせば、陽がまた昇る



であろう。この語りと同趣旨の台詞を少女時代のニアに言わせるとは、中々ニクイ演出である。さらに、ニアの台詞直前にシモンが叫ぶ「ニアは、渡さない!!」も極めてグッド。まるで「綾波を…返せ!!」のような、熱い漢の魂の叫びだ。

紅蓮篇25


 その後、後一歩というところでシュザックにはじき飛ばされ、地上へと落ちていくシモン。落下中、彼は再び叫ぶ。「ニアが…ニアが、待ってるんだ!!」 光を放ち胎動するコアドリル!この演出も良い!復活のラガンは、シモンと上空にてランデブー。テレビシリーズにおいてグアームに突撃したときと同様の構図でシュザックに逆さまに突き刺さり、「ニア!助けに来たよ!おいで!」というシモンのイケメン発言。飛びつくニア、飛び立つラガン。敵の航空部隊よりさらに上空まで飛び出したラガン内でのシモンとニアの例の会話。「シモン、手をどけて。」というフレーズが無くなってはいるものの、これは特に問題ないだろう。

紅蓮篇26


 というように、ここまでの演出はテレビシリーズに比べて決して悪いものではなく、それどころか、漢の魂をかなり燃焼させるものに仕上がっていると思う。が、しかし。シモンがシュザックに吹っ飛ばされて以降、ここまでBGM無し。『天元突破グレンラガン』の良さは、熱い展開にさらに油を注ぐような熱いBGMにもあったのだし、この一連のシークエンスにおいては、おおざっぱに考えても2箇所、細かく考えると4箇所以上ものBGM開始ポイントがあるにも関わらず、終始無音楽。これは、決定的にダメ。漢の魂不完全燃焼である。

紅蓮篇27


 さて、自らの役割に気付き、ニアを救出したシモン。ここからいよいよシモン復活のシークエンスが始まる。グレンに搭乗するロシウのピンチを演出するのは、テレビシリーズにおけるグアームのカスタムガンメン”ゲンヴァー”に代わって、ヴィラルのカスタムガンメン”エンキドゥ”。ロシウを救うのは、シモンのあの言葉。「ロシウ!合体だ!!」 最後の気合いでエンキドゥを突き放し、グレンとラガンが合体、今復活のグレンラガン!この合体シーンでは、テレビシリーズ同様、名挿入歌『Happily Ever After』が流れる。これはやはり良い演出である。

紅蓮篇28


 再び立ち上がった“漢”シモンによる、最初の名乗りは、もちろんコレだ。

紅蓮篇29



 アニキは死んだ!もういない!!

 だけど!

 俺の背中に!この胸に!
 一つになって生き続ける!



紅蓮篇30


 穴を掘るなら天を衝く!

 墓穴掘っても堀り抜けて…
 突き抜けたなら…俺の勝ち!!
 
 俺を誰だと思っている…。

 俺はシモンだ、カミナのアニキじゃない。

 俺は俺だ!!穴掘りシモンだ!!!



紅蓮篇31


 やっぱり最高だ!テレビシリーズとは異なる劇画タッチ、及び台詞の最後に掛かるエコーも大変グッド!ただ、テレビシリーズでは「俺の勝ち!!!」の後「何だぁ?何を言っている?!」というグアームの台詞が挿入され、これが漢の魂を理解しない者には分からないシモンの、いや、大グレン団の”気合い”を表現しており大変良かったのだが、劇場版では除かれていて少し残念ではある。一方、シモンの名乗りに大グレン団のメンバーが圧倒される中、1人うなずくリーロンは、劇場版でも健在。本シリーズの主要キャラの中で唯一最初から最後まで悩まない達観した彼(彼女)は、やはり最高に格好いい。

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 これに対し、四天王+ヴィラルは、それぞれのダイガン、すなわち、ダイガンカイ、ダイガンテン、ダイガンド、ダイガンザンドゥを合体させ、究極のダイガン“ドテンカイザン”に変形、最強の一撃を大グレン団に放つ。壮大なスケールの大爆発、勝利を確信する四天王ら。しかし!爆煙の中、微動だにしない大グレン!「ひるむな!みんな!」と皆を励ますシモンに対するキタン(声:谷山紀章)の台詞が格好いい。

紅蓮篇34

「あったりめぇだ!これだけの仲間がいて何を怯える必要がある!!」


 しかし、この後の展開が、個人的に少々不満。キタンを始めとして、シモンに至るまでの大グレン団のメンバー全員が自分の名前を叫んでいくのである。これはさすがにちょっとサブい。これに続いて、当然あの名台詞「俺たちを、誰だと思っていやがる!!」があるのだが、本作ではこの台詞の言い方も少し間延びしていてダサい。さらに、グレンラガンが放つ必殺技”ギガ・ドリル・ブレイク”。今回は、これに”大グレン団スペシャル”という接尾語が付いており、みんなが絶叫するのだが、ここも何だかなぁ…といった感じ。

紅蓮篇36


 もっとも、ドテンカイザンを破壊していく際のビジュアルは、圧倒的スケールで、劇場に足を運ばなかったことを痛く後悔させる秀逸な仕上がりになっているので必見である。ちなみに、ドテンカイザン破壊後、全世界に中継された映像を羨望の眼差しで見る少年時代のギンブレーの姿があるので要チェック。

紅蓮篇35


 このように、劇場版になって良いところあり悪いところありの本作であるが、また違った意味で漢の魂を完全燃焼させてくれるサービスも幾点か見受けられる。まず、アディーネと肉弾戦を繰り広げる際、ヨーコの上着が切れて外れてしまうという展開。本シリーズを見たことのある人ならお分かりだろう。そう、ヨーコの“上着”が外れるということは、丸出しになるということである。もっとも、彼女の長髪がニップレスの役割を果たし、漢の魂はいささか不完全燃焼と言わざるを得ない。

紅蓮篇33


 もう1点のサービスは、ニア救出時、風でスカートがめくれあがり、彼女のパンツが丸見えになってしまうということ。これはヨーコの場合と違い、押しも押されぬ丸見えであるから、漢の魂は完全燃焼である。一体何色であったかは、是非自分の目で確認してもらいたいが、多くの観客の期待を裏切らないものであったということだけは、付言しておく。

紅蓮篇37


点数:85/100点
 以上、長々と書いてきたが、本シリーズは紛れもなく筆者の魂のバイブル。間違いなくNo.1ロボットアニメである。例えば、大きな試験をひかえている学生・ニートの諸君、仕事を始めた新入社員たち、仕事も板につき始めたサラリーマン、日々研究に没頭する研究員。生きていれば、必ず大きな壁や天井にぶち当たる日が来るだろう。それでも人は前に進む。”俺を誰だと思っていやがる!”そう自分自身に問いかけながら。心のドリルを、己の魂を失くさない限り、必ず道は開けるはずだ。お前のドリルで天を衝け!!

(鑑賞日:2012.5.13)

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Comment

  • かずみ
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初コメント

いつも記事楽しみにしてます。
今回のはすごいテンション高いですね(笑)管理人さんはとっても面白い方なんだと思いました。
映画を見る前に、テレビシリーズを全部見たいと思います。
またコメントしますね。

  • Mr.Alan Smithee
  • URL
Re: 初コメント

いつもご覧頂きありがとうございます♪
これからも良い感想が書けるよう、営為努力します!

テレビシリーズは正直、序盤に我慢が必要ですが、
とりあえず1期分観てもらえれば、もう大グレン団の虜になること間違いなしです!
たぶん。笑

  • ナイシトール
  • URL

熱い涙が止まりません。
ニア迎えに来たよ、のシーンは良かったです。
ストーリーの明瞭化と共に焦点が絞られてぐっと良くなったと思いました。
螺巌編も是非書いてください♪僕は螺巌編の方がいっぱい泣きました。

  • Mr.Alan Smithee
  • URL
Re:

そうですね。
個人的に新たな一歩を踏み出す時期、すなわち、”わたしは、明日へ向かいます”な時期に来ておりまして、近々鑑賞するとともにレビューも書きたいと思っています。

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