25
2012

[No.86] メン・イン・ブラック(Men In Black) <82点>

CATEGORYSF




キャッチコピー:『守備範囲、地球。ヤツらはノリで地球を守る。』

 こうして、1つのビー玉が救われた。

三文あらすじ:NYPDの敏腕刑事ジェームズ・エドワーズ(ウィル・スミス)は、ある日、驚異的な身体能力と2枚の瞼を持つ奇妙な容疑者を追跡する。後一歩のところで容疑者に自殺されてしまうものの、腕を見込まれたエドワーズは、地球にやって来た宇宙人を監視する秘密組織MIB(Men In Black)のエージェント”K”(トミー・リー・ジョーンズ)にスカウトされる。自らの存在を抹消し、エージェント”J”として生まれ変わったエドワーズは、相棒のKと共に”オリオンのベルト”に隠された”銀河”がもたらす地球の危機に立ち向かう・・・


~*~*~*~

 
 本日『MIB3』公開!『Ⅱ』で肩透かしを食らったとはいえ、ファンには待望、実に10年ぶりの最新作である。まずは、その第1弾を紹介。

mib1.jpg

 
 監督は『アダムス・ファミリー』のバリー・ソネンフェルド。彼は、本作以降『Ⅱ』そして『3』と続編を全て手がけている。制作総指揮は、スティーブン・スピルバーグ。『E.T.』や『未知との遭遇』など、言わずと知れたSF映画の大家である。

 また、エイリアンの特殊メイクを担当するのは、『狼男アメリカン』でアカデミーメイクアップ賞初代受賞者となったリック・ベイカー。彼は、『スター・ウォーズ』を始め数々のメイクアップを担当するビッグネームだ。本シリーズの『Ⅱ』でカメオ出演したマイケル・ジャクソンの『スリラー』において、ミュージックビデオを手がけたのも彼。

 さらに、本シリーズの完成度をぐっと引き上げているのが、ダニー・エルフマンが生み出す音楽だろう。当ブログで既に紹介した作品では『ダークマン』が彼の担当。本作でも極めて怪しげかつワクワクするテーマソングが印象的である。

mib6.jpg


 そんな数々の大物が制作に名を連ねた本作の元ネタは”実は既に地球で生活しているエイリアンを監視・管理し、目撃者の下へどこからともなく現れて謎の権力を行使する秘密組織メン・イン・ブラック”というアメリカの都市伝説。日本で言うなら、さしずめ魑魅魍魎の類を秘密裏に処理する”陰陽師”が実在した、といったところだろうか。

mib7.jpg


 続いて、本作の内容について言及する。

 まず、オープニング。これは素晴らしい。夜空をバックにブンブン飛ぶハエか蚊をトンボが食べる。その後、カメラはトンボに密着。彼が田舎の夜道を飛んでいく様を追跡していき、ひとしきりの大冒険を経て車のフロントウィンドウに激突、潰れたトンボを運転手が鬱陶しそうにワイパーで拭き取る。

mib3_20160827121407cc1.jpg


 趣向が楽しく、ダニー・エルフマンによるテーマソングがワクワクさせるこのオープニングは、実はしっかりとしたテーマを含んでいて、本作のエンディングと対応している。すなわち、”それまで映画の「主役」だったトンボも人間側から見れば所詮車を汚す虫ケラでしかない”というオープニングは、”本作における大冒険の舞台となった我々の住む地球、そして銀河系は、所詮宇宙人が遊ぶビー玉に過ぎない”というエンディングと同様、視座の転換、価値観の超越、我々が確信する真実など極めて薄弱なものだ、というテーマを表している。このテーマは、エドワーズを勧誘するためベンチで話すシーンでKが、1500年前まで地球が宇宙の中心というのが常識だった、500年前まで地球は平らなのが常識だった、15分前まで君は宇宙人の存在を信じていなかった、という台詞にも表れており、テーマをきちんと一貫させるこの姿勢も本作の完成度を上げている要因の一つと言える。

mib9.jpg


 その後の展開は、新米エージェントが新発見に驚き戸惑いながら相棒との絶妙のチームワークで銀河の危機を救うことになる、というベタなもの。しかし、ベタながら脚本は非常にしっかりとまとまっているし、ウィットに富んだ会話、きちんと回収される伏線、この手の映画にしては珍しく笑えるギャグの数々、この手の映画にしても中々斬新なギミックや設定などなど、本当に素晴らしい良作に仕上がっている。特にラスボスであるバグを倒すシークエンスは、決して派手なアクションは無いものの、理に適った展開と粋な台詞回しで十二分に完成された名シークエンスと言っていいだろう。

mib8.jpg


 ちなみに、スティーブン・スピルバーグ制作総指揮ということで、おそらく彼の作品へのオマージュが随所に散りばめられている。筆者が今回の鑑賞で確認したのは、まず、オープニングで空を飛ぶトンボが月をバックにするシーン。これは『E.T.』だろう。そして、Kがエドワーズをベンチで勧誘するシーン。ここで流れる音楽が『未知との遭遇』で用いられたあの有名な”交信音階”になっている。

mib2.jpg


 あと、これはオマージュという訳ではないが、KがJを連れてMIB本部を案内するシークエンスにおいて、地球人に擬態したエイリアンを監視するモニターが映るのだが、エイリアンの1人としてシルベスター・スタローンがカメオ出演している。他にも様々なオマージュやパロディが隠されていると思われるので、是非チェックしてみて欲しい。

mib4.jpg


点数:82/100点
 取り立てて考察したり分析したりすることが無い一方で、極めてまとまりの良い良作と言えるのが本作。過剰に奇をてらったり無駄に金を掛けたりせず、それでいてしっかり作り込まれた本作の姿勢は、一SFファンとして大変好感の持てるものである。

(鑑賞日:2012.5.25)










メン・イン・ブラック(1枚組) [DVD]

新品価格
¥841から
(2013/3/26 23:52時点)


メン・イン・ブラック [Blu-ray]

新品価格
¥1,450から
(2013/3/26 23:53時点)


スプーン印 上白糖 1kg

新品価格
¥205から
(2013/3/26 23:54時点)


アカトンボの一生 (科学のアルバム)

新品価格
¥1,575から
(2013/6/27 17:04時点)



関連記事
スポンサーサイト

Tag:エイリアン侵略系SF アイ・ラブ・ニューヨーク バディ・ムービー

0 Comments

Leave a comment