[No.87] メン・イン・ブラック 2(Men In Black II) <67点>

MIBⅡ



キャッチコピー:『BACK IN BLACK』

 明かされる、2人の女神の真の姿。

三文あらすじ:エージェント”K”(トミー・リー・ジョーンズ)の引退から5年、エージェント”J”(ウィル・スミス)は、今や秘密組織MIB(Men In Black)の敏腕エージェントとして活躍していた。そんなある日、凶悪な宇宙人サーリーン(ララ・フリン・ボイル)が”ザルタの光”を求めて地球に飛来。サーリーンの野望を阻止し、地球の滅亡を防ぐためには、”ザルタの光”の在処を知る唯一の人物であり、今は田舎町の郵便局長をしているかつてのエージェント”K”ことケビンの記憶を取り戻す必要があった・・・


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 まず、キャッチコピーが大変格好いい。本作公開時、筆者は確か中学か高校だった。今は廃刊となってしまった映画雑誌「ロードショー」を当時の少ないお小遣いの中で毎月購読していた筆者は、何月号かの付録で付いてきた本作のポスターを部屋に貼って毎日眺めていたものである。そんな筆者にとって、本作はあの頃を思い出す感慨深い作品。ちなみに、本日公開『MIB3』の英語版キャッチコピーは”BACK IN TIME”。22時からのレイトショーが今から待ち遠しい。

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 監督バリー・ソネンフェルド、制作総指揮スティーブン・スピルバーグ、音楽ダニー・エルフマン、主演トミー・リー・ジョーンズ&ウィル・スミスという前作の主要メンバーが一同に会した本作。大作になればなるほど制作過程での様々なトラブルから中々オリジナルメンバーが揃うことのないハリウッド映画において、本作はその点で期待が持てる続編と言える。もっとも、映画においてその骨組みであり設計図とも言える脚本を担当するのは、前作でのエド・ソロモンではなく、バリー・ファナロ&ロバート・ゴードンの2人。そうなると、本作最大の欠点は、やはりこの脚本変更ではないかと勘ぐりたくなる。

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 本作において前作から決定的に悪くなった点、それは”ギャグが寒くなった”ということではないだろうか。前作がハリウッド映画にしては珍しく日本人でも笑えるような絶妙の間とウィットに彩られていたのに対して、本作では繰り広げられるギャグシーンのほとんどがクドく、間延びしていて、つまらない。”ほらほら、ココが笑い所だよ”と言わんばかりに設けられる不自然な”間”。これでは”笑いの押し売り”である。

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 映画の台詞は脚本を基に形成されていくから、このようにギャグが寒くなった原因は脚本家の交代にあるとも思える。しかし、もう一度本作の脚本家をちゃんと見てもらいたい。前者バリー・フィナロなる人物は、その名を聞いたこともなく、経歴にも目を引く良作は並んでいない。しかし、後者ロバート・ゴードンと言えば、あの傑作『ギャラクシー・クエスト』の脚本家なのである。これは一体どうしたことか。考えられる原因は、以下の3つ。①筆者の感性がズレている、②相棒の脚本家バリー・フィナロが大きく口出しした、③監督バリー・ソネンフェルドが調子に乗った。

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 まず、①は確かにそうかもしれないが、本作に限ってはあまり考え難い。世間的にも前作に比べて本作の評価はかなり低く、その原因の全てがギャグシーンの変化にあるとは言えなくても、万人の直感に最もダイレクトに作用する”笑い”という要素が、本作の低評価に影響していないとは考えられないからだ。次に、②はまぁあり得なくはない。無名とはいえ、バリー・フィナロなる人物とロバート・ゴードンとの関係性は不明だし、名を売るチャンスとして制作陣が割と彼の好きに書かせた可能性はある。しかし、あれだけの傑作『ギャラクシー・クエスト』の脚本家ロバート・ゴードンが共同脚本に名を連ねていて、ここまでの劣化脚本が出来上がるだろうか。名声に関しては、それを得ようとするモチベーションより失うことを防ぐモチベーションの方が高いのが人の性。やはり②も除外だ。

 ということは…バリー・ソネンフェルド!お前だ-!!

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 アメコミの映画化において、2作目では監督の自由度がアップする傾向があると以前述べたことがあるが、これはあくまでもアメコミにおける”傾向”であって、アメコミにのみに見られる”鉄則”ではない。おそらく本シリーズにおいても、1作目のヒットを受けてソネンフェルドの株が上がり、彼自身も”俺、スピルバーグに口出しされんでもいけるんちゃう?!”と少し勘違いしてしまったに違いない。思えば、脚本上で表現しにくい”間”に欠陥があるということは、取りも直さず脚本を映像に起こす監督の手腕に問題があるということではないか。

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 以上により、本作におけるA級戦犯は、あろうことか監督バリー・ソネンフェルドだと言える。

 本作が前作に比べ劣化した部分は、他にもある。それは、CGの稚拙さが目立つという点。本作のヴィランであるサーリーンは、捜査犬エージェント”F”ことフランク(声:ティム・ブラニー)から”もずくのお化け”と評されるように、ウネウネした触手を無数に有した、中々邪悪で不快なビジュアルの持ち主。そのウネウネ感をCGで表現しようという発想は良いのだが、如何せんお粗末過ぎる。また、サーリーンの部下である双頭のエイリアン。コイツの2つ目の頭もCG丸出しで冷めてしまう。

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 なお、今回のカメオ出演は、マイケル・ジャクソン。確か、彼自身が前作の大ファンで、MIBエージェント入りを熱望する役柄同様、本作への出演を熱烈に希望した、とロードショーに書いてあった。整形に整形を重ね”宇宙人みたい”と揶揄されていた彼をそのまま宇宙人役で出し「ボクをエージェント”M”にしてよ!」と言わせてしまうこの趣向は、本作では貴重な素直に笑えるポイントの1つである。

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点数:67/100点
 まぁ、色々と悪口を書いたが、普通にSFコメディとして観るなら、本作の出来は十二分に及第点以上。気楽に鑑賞出来る素晴らしいエンターテイメント作品と言える。前作での”ビー玉の中の銀河を追いかけていた主人公らの世界もビー玉の中にある”というオチに続き、”ロッカーの中の住人同様、主人公らの世界もまたロッカーの中にある”という本作のオチも、多重構造をしっかり引き継いだ秀逸なもの。次作では、時間を巡るストーリーが展開されるようなので、オチもその辺を絡めてくるのでは?!と非常に楽しみである。

(鑑賞日:2012.5.25)

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